ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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前回のNKLー16に載せてるものにスコップを書き忘れたので書き足しました。雪国でスコップないのは流石に致命傷になりますね。


捕獲

3日目の朝、エイラが起きてからしたことは雪をどかすことだった。NKLー16を覆う布に雪が降り積り中から物を取り出すことが難しくなっていたからだ。朝はこの作業に全ての時間を費やしたためこの日の任務は正午を過ぎてから開始された。

前日と同じようにネウロイの観察を行い人型ネウロイの様に前日と同じ行動をするネウロイがいないかを探していた。もし通常のネウロイも同じように行動するのであればその行動パターンに合わせて罠を作るなどして動きを再現する事ができると思ったからだ。

 

「やっぱりそう都合よくいないか」

 

前日と同じ空域を飛行するネウロイはいるが全く同じ飛行ルートではなくそれが同一の個体なのかどうかはわからない。もちろん雪玉を作っているネウロイも同一の個体とは限らないが人型などと言う珍しいネウロイがそう多くいるとも考えにくくかなりの確率で同じ個体だと考えていた。

 

「普通のネウロイに攻撃をしてどう反応するか確かめてみるか」

 

攻撃する事により他のネウロイが集まってくる可能性もあるがそれ以上に得られる情報の方が大きいと判断したエイラは観察していたネウロイに対して発砲した。

 

「きたきた」

 

エイラの存在に気付いたネウロイがビームを放ちながら近づいてくる。それを軽々とかわしながらネウロイの動きを観察する。そうやって1分ほど戦いを続けていると小型ネウロイが1機加わりエイラに対して攻撃を始めた。

 

「1分くらいで援軍が来るのか、これじゃあゆっくりコアを取り出す時間はないな」

 

援軍にきたネウロイを撃破しその後もそれを繰り返すと5分後には中型ネウロイまで合流してきたためエイラは戦闘を打ち切るために全てのネウロイを撃破した。

 

「小型を合わせると合計10機は撃破したな。それに10分とかからずに中型ネウロイが出て来るのか、本当どうやってコアを手に入れようかな」

 

まだ日没まで少し時間はあるがこれ以上の戦闘はしたくない為昨日と同じように人型ネウロイの来る場所に行ってから帰る事にした。

 

「また今日も来てるのか」

 

昨日よりも少し遅く到着するとそこにはすでに人型ネウロイがいた。いつも通り雪玉を作ると言う不思議な行動をしていて特に変化はない。

 

「やっぱりあいつが特殊なだけで他のネウロイはあんな風に雪玉作ったりしないんだよなぁ」

 

他のネウロイも同じだったら楽なのにと思いながらも戦闘経験のないネウロイ相手に1人で立ち向かうと言う行為を行う気にはなれずこの日もまた人型ネウロイが飛び去るまで観察を続けてから拠点へと帰った。

 

 

4日目は周囲のネウロイが全滅した際の対応を見ることにした。全滅した際の援軍が来るまでの時間とそれ以降のネウロイの出現率についてデータを集めて安全がどれだけ確保できるか知るためだ。これらの結果分かったことは翌日にならなければネウロイは補充されないということだった。ちなみにこの日も人型ネウロイは雪玉を作っていた。

 

5日目は1機を残して全滅した場合のネウロイの対応を見る事にした。3日目に計った援軍が来るまでの時間よりかなり遅くおよそ7分後に初めて援軍が姿を現した。この事から1機であればゆっくりとコアを取り出す時間がある事が判明した。この日も人型ネウロイは雪玉を作っていた。

 

6日目は1機を残して全滅させた後ゆっくりとコアを取り出す事にした。しかし6日目ともあり疲労が溜まっていたエイラは初日ほど射撃がうまくいかず間違ってコアに当ててしまいネウロイを撃破してしてしまった。その事に意気消沈しながら日課の人型ネウロイ観察をしていた。

 

「やっぱりあいつからコアを取るしかないかなぁ」

 

ずっと楽に取れそうだとは思ってはいたがリスクが高いと考えてずっと躊躇していた人型ネウロイからコアを取るしかないとエイラは結論づけた。

 

「よし、夜のうちに罠を仕掛けるか」

 

6日間の任務で疲労も溜まり初日のような正確な射撃も期待できない事から罠を用いる事にした。行動パターンは分かっているし人型とはいえネウロイなら引っかかるだろうと考え罠のための道具を拠点に取りに帰る事にした。

 

罠を作っている間に日が沈み視界が悪い中罠の作成を続けることとなったため罠が出来上がったのは朝になってからだった。しかしその分納得のいく出来となっていた。

 

「ね、眠い。一回拠点に戻って寝よう」

 

流石に夜通し作業をした事に疲れたエイラは人型ネウロイが来るまでまだ時間があるため取り敢えず仮眠を取る事にした。

 

昼前に目を覚ましたエイラは昼食を食べると罠の場所に向かう前にまず周囲のネウロイを1機を残して駆逐をし残りの1機からコアを取り出そうとした。一度でも多く試行回数を稼いでコアを得る機会を得ようと挑戦したが失敗した。

それが終わると罠の場所に向かい事前に用意しておいた四隅に石をくくりつけた網に破れが無いか確認をしながら人型ネウロイが来るのを待った。するとおよそ1時間後人型ネウロイが姿を現した。いつも通り空から雪玉を作る場所へと真っ直ぐに降りていくネウロイをエイラはじっと見つめていた。その時ふと人型ネウロイが動きを止めた。

 

「もしかしてバレたか」

 

しかしまたすぐに人型ネウロイは動き始めエイラの心配は杞憂に終わった。そしていつもの場所に降りた瞬間、人型ネウロイの姿が消えた。それを確認すると同時にエイラはストライカーユニットの出力を上げ網を持って全速力でネウロイが消えた場所に向かった。

ネウロイが消えた場所には直径3メートル、深さ3メートルほどの穴が空いていた。それはエイラが掘った落とし穴で穴には布を被せてその上からさらに雪を乗せる事でカモフラージュしていた。その穴に向かってエイラは網を投げ入れそれに続いて自分も穴に飛び込んだ。

 

「よし、捕まえた!」

 

穴の底には網に包まれた人型ネウロイが投げ出そうともがいていた。それを確認したエイラはナイフを取り出すとネウロイを押さえつけて首と手足を切断した。

 

「コアはどこかな〜」

 

事情を知らない人物が見ればただの猟奇殺人の現場にしか見えないがこれには理由があった。コアがある部分を中心に再生するネウロイの特性上頭と手足に分ける事によりコアの発見を容易にするためだった。

 

「お、胴体から再生してるな」

 

それを確認すると胴体を上下に真っ二つにした。

 

「上か」

 

胴体の上部分の再生を確認すると更に細かく切っていく。これを繰り返し人で言う心臓にあたる部分についにコアを見つけた。それを傷つけないように慎重に取り出すとコアを容器に入れ拠点に向かって飛び立った。

 

「コアも手に入ったしはやく補給してスオムスに帰らないと」

 

任務を達成できた事に上機嫌になりながらスオムスへの帰還ルートを考えているとエイラはある事に気付いた。

 

「そういえばどこに帰ればいいんだろ」

 

マンネルヘイム元帥からは副官が帰還場所を教えてくれるという話だったがその副官から帰還場所を聞いていなかったのである。

 

「いや、もしかしら積荷の中に帰還場所のメモがあるかも」

 

不安な気持ちを押し殺しながらNKLー16の中を探し始めた。弾薬を入れていた箱やレーションの箱などをひっくり返していると封筒を見つけ開けて中を見てみた。

 

「なんで作戦計画書があるのに知らせて無いんだよ」

 

中には口頭で伝えられたことのほかに帰還場所やNKLー16の処分に関してや帰還当日の哨戒網などの機密情報が入っていた。

 

「あの副官伝え忘れたな」

 

マンネルヘイム元帥に伝えて怒ってもらうだけでは気が済まなくなってきたがそれを堪えつつ帰還場所を確認してから計画書を燃やすために火を起こした。

 

「これ燃やした後にNKLー16を爆破しなきゃダメとかそんなの聞いてないし」

 

てっきりそのまま置いていくと思っていたNKLー16は破壊して遺棄する事になっていた。武器弾薬を入れている箱の底には破壊用の爆薬も入っていてそれでNKLー16を破壊するとエイラは帰還の途についた。

 




今回はアニメも終わった事なんでキール軍港奪還について思ったことを少し書きます。

キール軍港の奪還の話が出てきた時個人的にはそこまでキール軍港に価値を見出せませんでした。というのも主攻はガリア方面であくまでキール方面は補助なのではないかと考えていたからです。そのためキールからガリア方面に補給線を結ぶと考えていてもし仮に補給線を繋げられたとしてもネウロイ勢力圏と近すぎてガリア中部に対してはやや遠いのではないかという点が気になっていました。結局ラーテを使っての攻撃がメインだったのでキールを取ったのは正解なんですけど(ラーテの速度とか重さについては突っ込みません)はたしてキールは本当に使えたのかについては色々議論の余地がある気もします。例えばキール運河がどうなっていたのかとかあの時代に軍港をまったくの無傷で取り返すほどの精密な爆撃ができたのかとか、まあこれについては本作で触れるいいネタができたと思いながら見ていました(笑)
他にもいくつか書きたいこともありますがそのうちエイラが突っ込んでくれると思います。
あと一つ思った事は案外ベルリン奪還作戦が大掛かりだった事に驚きましたね。502とか多分リバウあたりに進出してますよね。ブレイブウィッチーズ2期とかしてその辺掘り下げて欲しいですね。一つか二つネウロイの巣を破壊してるっぽいんで面白そうに見えるんですよね。

てことでこの辺で今回は終わりにします。それではみなさんよいお年を。
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