ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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あけましておめでとうございます
これからは週一更新になります。進捗状況によっては水曜日か木曜日あたりにもう一話出して週二になるかもしれません。


地下室

「コアを手に入れた?」

 

エイラからの報告を受けたマンネルヘイム元帥はその言葉の意味を一瞬理解できなかった。

 

「はい、これです」

 

エイラがコア入れた容器を取り出して机に置いた。

 

「まさか本当に手に入れるとは」

 

実を言うとマンネルヘイム元帥はエイラがコアを手に入れる事にそこまで期待していなかった。いくらエイラでも一週間でコアを手に入れるなど不可能というのは分かりきっていたためコアが手に入らなかった前提でマンネルヘイム元帥もスオムス外交部も行動していた。

 

「運良く変わった動きをする未知のネウロイを見つけれて思ったより楽にコアを手に入れる事ができました」

 

「そうか、それは良かった。どんなネウロイだったんだ?」

 

「人の形をしたネウロイでした」

 

それを聞いた瞬間マンネルヘイム元帥は椅子から飛び上がるように立ち上がると扉を開けると外から次々と司令部に詰めている参謀将校が入ってきてエイラを拘束した。

 

「な、何をするんですか!?」

 

それに答えることなく猿轡を噛まされ後ろ手に縛ったエイラをどこかに運び始めた。

 

「拘束は絶対に外すな!何が起こるかわからんぞ!」

 

おっさん連中が少女を拘束して運ぶという一見すると犯罪にしか見えない行為だが幸せか不幸か司令部には事情がわかる人間しかいないため誰もその事に突っ込む事なくエイラは地下室に運び込まれた。

地下室に運び込まれたエイラは手足を縛られた状態でベッドに放り投げられマンネルヘイム元帥と数名の参謀を残して部屋から出て行った。

 

「猿轡はやり過ぎだ、外してやってくれ」

 

マンネルヘイム元帥の命令により猿轡が外されようやくエイラはまともに喋れるようになった。

 

「一体何なんですか!?」

 

「君が遭遇したネウロイは極めて危険なものだったから拘束させてもらった」

 

「危険?」

 

「そうだ、人型ネウロイは過去にも何度かスオムスに出現している。そして出現するたびに遭遇したウィッチを洗脳して操ったり拐ったりしている」

 

「つまりわたしが洗脳されているかもしれないから拘束したんですか」

 

「そう言うことだ。これから軍医による検査を受けてもらう」

 

軍医が来る前にせめて恨言の一つでも言っておこうと思いエイラは言った。

 

「せめてここに連れてくる前に一言言って欲しかったです」

 

「もし仮に洗脳されていて逃げられたりしたら困るからそれは出来ないな」

 

「ならせめて任務前に人型ネウロイに関する情報を伝えておいてくれれば人型からコアを取ろうとは思いませんでした」

 

「それについては一年ほどの間目撃情報がなかったからまさか今頃になって出てくるとは思わなかったから伝える必要はないと判断していた。次からはこんな事がないよう善処する」

 

善処などと言う全く信用できない言葉を放ち呼んでいた軍医と入れ替わる形で出て行った。軍医の検査は簡単な問診と血液検査などと言った特に変わったところのない普通の検査だった。

軍医の検査が終わってからも暫くの間エイラは地下室から出る事ができなかった。ネウロイというものは人が理解できないことも多く普通に検査しただけでは本当に問題がないのか判断できないため念のため暫くの間隔離することとなったからだ。

隔離中の間はネウロイのコアを手に入れるまでの一週間に関する報告書を書き上げ提出することとなり報告書を読んだマンネルヘイム元帥含むスオムス軍上層部とスオムスの政治家の決断は

 

「二度とウィッチを単独でネウロイ勢力圏に向けわせるべきではない」

 

と言うものだった。

仮にこのコアが通常のネウロイから手に入れたものであれば同じ作戦を行う事によりネウロイのコアを手に入れようとしたであろう。しかし人型と言う普通とは程遠いネウロイと接触しコアを入手してしまったが故にその危険性を正確に理解しているスオムスはただでさえ少ないウィッチを減らす事に繋がることから二度とネウロイ勢力圏でのコアを奪取する作戦が行われる事はなかった。

 

エイラが解放されたのは帰還から一週間が経過した時だった。一部では反対意見もあったがそれ以上の拘束は無用と判断した軍医の取り計らいにより無事解放されたエイラは二週間ぶりにヴェルツィレ基地に戻って来ていた。

 

「イッル大丈夫だった?」

 

久しぶりに会ったニパは開口一番そう尋ねた。

 

「何が?」

 

「何がって棚の下敷きになったったことだよ!」

 

どうやらエイラが一週間の予定が二週間司令部にいる事になったに原因は棚の下敷きになって入院していたからになっていたようだ。それならそうと伝えて欲しいと思いつつそれらしいことをエイラは言った。

 

「ああ、それならこの通りもうピンピンしてるよ」

 

「よかった心配したんだよ。急に司令部に行ったと思ったら大怪我したって連絡が来て面会謝絶だったしよっぽどひどい怪我をしていたと思ってだんだけど」

 

面会謝絶の原因は人型ネウロイと接触したウィッチと接触していないウィッチが接触する事により何が起きるかわからないため面会謝絶となっていたがその事を知らないニパはさらには質問を重ねた。

 

「あー、それはあれだ入院中も色々処理しないといけない書類があって見せられないからだ」

 

マンネルヘイム元帥が面会謝絶の偽の理由に関して考えていなかったはずがなくこれは確実に副官が伝え忘れたに違いないと思いながらそれらしい言い訳をエイラは言った。

 

「へーそうなんだ。けど隊長も面会謝絶だったて聞いたけど隊長よりも階級が低いイッルが隊長でも見れない物をどうしてイッルは見れたの?」

 

普段はそうでもないのにどうしてこんな時だけそんなに鋭いんだよと思いながらもさらに言い訳を重ねた。

 

「わたしは軍大学でてるから隊長よりも色々な書類を見れるんだよ」

 

「そっか、そういえばイッルは軍大学でてたんだったね」

 

納得したように頷いているニパにエイラは内心で胸を撫で下ろした。しかしそこからさらなる追撃がエイラに放たれた。

 

「けど今ってバルバロッサ作戦の敗戦処理も終わって人手が余ってるって言ってなかったっけ?」

 

まさかの質問に思わず頭を抱えそうになりながら答えた。

 

「それはほらあれだウィッチに関する事はウィッチに聞く方が早いってことで呼ばれたんだよ」

 

「そっか、参謀のウィッチなんかイッルくらいしかいないもんね!」

 

ようやく納得したようでこれ以上質問が続く事はなく話はオヤツのことに移りようやく一息つく事ができた。




今回はベルリン奪還後のカールスラントとノイエカールスラントについて少し書きます。

ベルリン奪還ははたした本当にカールスラントにとっていい事なのかどうか分からないと考えています。
なぜかと言うとノイエカールスラントとカールスラント本土の経済的な力関係がおそらく逆転していると考えられるからです。開戦前はもちろんカールスラントの方が工業力経済力ともに高かったでしょう。しかしカールスラント陥落により多くの工場などを失い、それを補うためにノイエカールスラントぎ発展しているはずです。つまり奪還直後は確実に経済面ではノイエカールスラントが優っています。そのため奪還したからと言ってすぐに経済基盤を本土な戻せるわけがなく、また人によってはこのノイエカールスラントで多くの富を得た人もいると思います。そう言う人たちはノイエカールスラントに残るでしょうしネウロイ勢力圏が近い危険なカールスラントに戻る人もそう多いとは思いません。
場合によってはノイエカールスラントが民主化してカールスラントから独立してリベリオンがそれを保護、人対人の第一次世界大戦勃発とかもあるのかなぁと思ったり思わなかったり。勿論共産化して独立ルートもあるしその場合はおそらく世界初の共産主義国家の誕生ですね。開戦前の関係がどんなだったかわかりませんが、いずれにせよ開戦前の関係には戻れないと思います。
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