ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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やっとここまできました。


その後

コア入手後のブリタニアとの交渉状況についてエイラが知っていることは少ない。知っていることといえば無期限延期になっていた工廠の建設が4月から再開されたことを新聞で読んだくらいでありそのことから交渉がうまくいったのだろうと思っていた。

その状況を詳しく知る事になったのはラドガ湖の氷が溶けている夏、ネウロイの襲撃が無い時期にニパ、ハッセ、ラプラ、ルーッカネン、アウロラの5人でヘルシンキに行った時の事だった。

 

「ザッハトルテ美味しかったね」

 

「ルーッカネン隊長が言うだけあって本当に美味しかったね」

 

ニパとハッセがカフェで食べたザッハトルテの感想を話している間にラプラはエイラに次に向かう店の場所を尋ねた。

 

「イッルこの店どこかわかる」

 

「この店なら行ったことあるからわかるぞ」

 

そういうとエイラは3人を連れて店に向かって歩き始めた。

店につき各々が好きに商品を見ているとエイラは眼鏡を見つけてかけてみることにした。

 

「ニパどうだ似合ってるか?」

 

「あははイッルが真面目な感じに見える」

 

「わたしはいつも真面目だぞ」

 

「えー二日酔いになったりして不真面目じゃん」

 

「いやあのそれは」

 

意外と鋭い指摘にエイラは咄嗟に反論ができなかった。

 

「ふふ、眼鏡かけたイッルあはは」

 

ツボに入ったニパは笑いが堪えきれなかったようで再び笑い出した。

 

「そうかそうか、そんなにおもしろいか」

 

そう言いながらエイラはニパの頬をつねった。

 

「いひゃいいひゃい」

 

「眼鏡が似合ってるって認めるか」

 

「みひょめる、みひょめるから」

 

それを聞きエイラは頬から手を離した。

 

「い、痛かっふふ」

 

「ニパ!」

 

エイラの顔を見てまたニパが笑ったのを見てもう一度頬をつねろうとしたがそれをニパは避けて店の出口に向かって逃げ出した。

 

「こら、待て!」

 

「ふぎゃ!」

 

扉を開けて外に出ようとしたニパがちょうど中に入ってこようとしたスオムス軍人の男性にぶつかり転んだ。

 

「失礼、大丈夫ですか」

 

「ご、ごめんなさい、大丈夫です」

 

差し出された手を取りながら立ち上がったニパがいった。

 

「あれ、マンネルヘイム元帥の副官の人?」

 

転んだニパの様子を見に来たエイラが言った。

 

「ああユーティライネン大尉ちょうど良かった、あなたを探していたんですよ」

 

「なにかあったんですか?」

 

「ここではちょっと、詳しくは元帥から聞いてください」

 

「そうですか、いつなら予定があいますか」

 

「今からです」

 

それを聞きエイラは一瞬返事に詰まった。現在自分は休暇中であり軍務中ではなくからだ。

 

「わたし休暇中なんですが」

 

「はい、ですからこれからプライベートで今から会おうと元帥はおっしゃっていました」

 

「今友達といるんでできればまた次回に」

 

「元帥は大尉と是非会いたいとおっしゃっていました」

 

よっぽど緊急性が高い案件なのだと言うことだと察したエイラは仕方なくついていく事にした。

 

「ごめんみんな、ちょっと行ってくる。後で合流するよ」

 

 

エイラが案内されたのはスオムス外務省にある一室だった。そこにはマンネルヘイム元帥ともう1人スーツを着た男性がいた。

 

「よく来てくれたユーティライネン大尉。こちらは外務省のニルス・トイヴォネン氏だ。例の件でブリタニアとの交渉を担当している」

 

「まずは礼を言わせていただきたい。ユーティライネン大尉のおかげで交渉が楽になった、ありがとう」

 

「いえ、当然のことをしたまでです」

 

「君が得た成果がどうなったか気になっていると思って今日は話し合いの場を設けさせてもらいました」

 

ここまでの話を聞いてエイラはまた面倒事か、と思っていた。確かにエイラはコアを入手する事で外交に寄与したがそれはわざわざ外交官が出張ってきて礼を言うことでも無いし外交の成果を伝えたいのであればマンネルヘイム元帥だけで十分であるからだ。

 

「まず大尉がおそらく勘違いしているであろう事から話そう。工廠の建設がスタートしたがこれは思いの外復興作業が早く進んで物資に余剰ができたからであって外交の成果ではない」

 

「違ったんですか、てっきりそうだと思っていました」

 

「本当の成果はブリタニアに条件付きでコアの研究に関わる事ができるようになったことだ。もっとも、関わるといってもスオムスから人を派遣したりするのではなく研究成果を教えてもらうくらいのものだがな」

 

「コアをなにに使うつもりですか」

 

ネウロイのコアを研究したとして一体どう役に立つのか想像できなかったエイラは尋ねた。

 

「ブリタニアはコアをエネルギー源に兵器を作り出すつもりのようだ。もし仮に実現できればネウロイに対する有効な対抗策となり幼い少女達を戦場に出すこともなくなる。ネウロイに対してウィッチしか有効な対策を持てないスオムスとしては是非ともこれが欲しい」

 

「それが成果ですか?それなら完成してから実物を買えばいいのではないですか?」

 

「ブリタニアはこれを秘匿するつもりのようだ。そして完成してから大々的に発表しブリタニアからしか入手できない兵器を作り出すことにより外交を優位に進めるつもりのようだ」

 

「ブリタニアがスオムスに研究内容を教えるメリットがないのでは?」

 

スオムスからカールスラントやオラーシャにこの内容が流れれば同じ兵器を作り出される恐れがありブリタニアの計画が破綻してしまう。それなのにわざわざ教えるメリットは何なのかエイラは尋ねた。

 

「それについては条件の方で縛ってきた。まず、第一に他国にこの情報が流出した時点での取引停止。第二に双方の研究内容の引き渡し人のうちどちらかの情報保持能力に疑義が呈される場合の取引停止。第三に要請があった際にはコアの入手を手伝うこと。第四にエイラ・イルマタル・ユーティライネンのブリタニアへの渡航だ」

 

「はじめの三つはわかりますが最後のはどう言うことですか、なぜわたしが名指しで指名されているのでしょうか」

 

これにはマンネルヘイム元帥が答えた。

 

「それは私が話そう。推測でしかないがコアの入手難易度を上げるためだろうな」

 

「どう言うことですか?別にわたしがいなくてもそこまで難易度は変わらないと思いますが」

 

「確かに君の言う通りかもしれないが気持ち的にはこれは大きいしなにより同時に自国でコアを手に入れれるかもしれないからな。ブリタニアとしては君を確保しておきたかったのだろう」

 

「なるほどではわたしはいつブリタニアに行くことになるんですか?」

 

「今年の秋から冬にかけてのどこかだな」

 

ニパ達と一緒に入れるのも後五ヶ月もないと思うと少し寂しくなった。

 

「さて、まず君のブリタニアでの役職だが君はこちらの受取人として行ってもらうことになる。そのため先方の引き渡し人とあってもおかしくない階級と立場でなくてはならない」

 

「相手は誰なんです?」

 

「ブリタニア空軍大将トレヴァー・マロニーだ」

 

「外交官ではなく軍人なんですね」

 

「この研究は彼が主導して政府には内密に行なっていることになっているからな。外交官ではもし仮にこの研究がバレた時色々面倒なんだろう。彼と会うために君はこちらの駐在武官としてまずは赴任してもらう」

 

「駐在武官ですか?」

 

「そうだ、もしもバレた時これならば外交官特権で拘束される事はないからな。その後はブリタニアと相談することになるコアを入手できるようにどこかの部隊に駐在武官のまま配属する予定になっている」

 

「そんなこと可能なんですか?」

 

「前例はないがウィッチなら許されるだろう」

 

世界的にウィッチなら何をやっても基本的に許されるがそんなことでいいのだろうかとエイラは思った。

 

「わかりました。ではブリタニア語などを赴任するまでに勉強してマスターしておきます」

 

「それでは外務省の方で教材を用意しておきます」

 

「ありがとうございます」




長かったスオムス編も後少しで終わります。今回は特に書くこと思いつかなったので後書きは無しです。ごめんなさい
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