昔三十八度の熱で苦しみながら本作を投稿した事があったなのふと思い出し懐かしく思いました。確かアニメ三期が放送してた頃だった気が……
ガリア南部で何らかの政治的な混乱が起きる。それが市井でにも認知され始めたのは実際にガリアで反乱が起きる一年前、1949年の夏頃だったと言われている。
それまでは政治家や専門家の間でくらいしか認識されていなかったその問題をガリア国民が、北部ガリアの民が認識したのはある新聞記事が原因だった。
「物価が上がっていますわね」
それはリーネから最近食費が上がり、今の予算では今までと同じ食事を出すのは難しいと相談された事がきっかけだった。
「そうなんです。食材の値段が上がって、先月と比べてもパンなんか二倍近いですよ」
「違いますリーネさん。食材だけでなく、全体的に物価が上がっているのですわ」
リーネは食料品の仕入れには関わっているが、他の物についてはクロステルマン家に代々使える使用人達が担当している。その為気が付かなかったが、値段が上がっているのは食材だけではなかった。
「例えば紙。こちらも先月と比べるとほんの少しですが値段が上がっていますし、ワインなどの嗜好品に関してはかなり値段が上がっています」
「ネウロイとの戦いが終わって物価は落ち着いていたはずなのに……」
戦争が終わり、日に日に物価が下がっていた事は平和を実感できる要素の一つだった。自分達が戦い勝ち取った平和が確かにそこには存在し、それが市民の暮らしに反映されるのが実感できるのは元ウィッチとして喜ばしい事だと思っていた。
「特にガリア南部で製造された物については軒並み先月の倍以上、ワインについて五倍の値段に上がった物もありましたわ」
「なにが原因でこんな事になったんだろう……」
「いまだに北部の穀倉地帯は復興途中で、ガリアの食料自給は南部に頼っています。その南部の食材の値段が上がったことが原因だと思いますわ」
「南部で何かあったんですか?」
「何かあったと言えばありますけど、それは昔からの事ですしそれほど気にする必要がある事ではありませんわね」
ガリア南部に対する課税の影響から南部は北部に対して並々ならない敵粛慎を抱いている。そしてその課税は感情的にだけでなく、経済的にも南部の民を追い詰める事になった。
本来の収入よりも極めて低い額しか手元に残らない南部の民は、ともすれば支援先の北部の民よりも貧しいなどという本末転倒な自体を呼び込みつつあった。
「二ヶ月ほど前に与党により南部への更なる課税が決定されましたし、これは南部の報復的な値上げと考えるべきかもしれませんわね」
当然ペリーヌは課税に反対しているが、北部議員の多くがこれに賛成したために可決された。
その報復措置として南部は北部向けの食料品の値段を上げ、食料品の値段が上がった結果北部の人件費などの経費に影響を与え、ジワジワと様々なモノの値段が上がった。結果物価の上昇として如実に現れる事となった。
「このままだとガリアは真っ二つに分かれる事になりますわ。その前に何か手を打たなければ……」
あるいはそれこそがド・ゴールの狙いなのかもしれない。南部の統治は北部にとってもはや悪夢と言っていい。自業自得とは言え、南部の一部ではでは納税拒否まで起きていて、現地の役人はそれを黙認している。だからと言って北部から税の徴収の為に人を送ろうにも、下手をすれば殺されかねない現状に役人達は尻込みをしていた。
「どうにか南部との確執を取り除きたいのですが、その為にはド・ゴールさんを説得しなければなりません」
「だけどド・ゴールさんが対立を深める要因になっているんだよね。説得は難しいんじゃないかな」
「リーネさんのおっしゃる通りですわね。彼を説得するると言う事は、ガリアの南部政策そのものを見直す事と動画です。私一人では困難ですわ」
ペリーヌはド・ゴールの要請に応えて議員になったが、所属自体は無所属だ。ペリーヌ同様に良識的な議員達を集めればそれなりに数は揃えられるが、それでも与党には敵わない。
「物価の上昇はこの屋敷が受け入れられる子供達を減らす事になります。何とかできませんか?」
「難しいですわ。ド・ゴールさんが南部を敵と思ってます。そんな中南部が反発を続けているのですから、ド・ゴールさんからすれば自分が正しい事をしているのにどうして止めようとするのかと思うでしょう。下手をすれば止めようとすると言う事は、南部の味方で自分の的なのではないかと言う突拍子もない答えに行き着きかねませんわ」
何よりペリーヌには一つの懸念があった。それはド・ゴールが敵視する南部が、今回の物価上昇により北部ガリア民が敵視する南部にならないかと言う漠然とした不安だった。
「もしも今回の物価上昇で北部ガリアの民が南部に敵粛慎を抱くようなことがあれば、私はいよいよできることがなくなってしまいますわ」
「北部ガリアの市民がですか? これはどこからどう見てもド・ゴールの失策が原因ですよ。ド・ゴールに対して怒るならともかく、南部の人に対して怒るのはおかしいですよ」
「ド・ゴールさんの本性はあんなのでも、北部では人気があります。ド・ゴールさんが南部が悪いと言えば妄信的に信じるような頭の悪い方は数多く存在しますわ」
ガリア北部解放の立役者であるド・ゴールはその事実だけで高い人気を得ている。実際のところはガリア解放に際しては連合軍司令部でガリア軍残党を率いていくつかの都市を奪還したと言う極めて小さな戦果しか上げていないのだが、解放後にガリア国民を奮起させるためとの名目で過剰なまでに持ち上げられる結果となった。
「ド・ゴールが支持されている理由が、誇張された戦果なら真実を明らかにして政権から引き摺り下ろせばいいじゃないですか。ド・ゴールと違って誇張されていない戦果で支持を集めるペリーヌさんなら、それができるはずです」
「ガリアの首班を目指すのであれば、それも一つの手ですわね。ですがリーネさん、私はこの屋敷で抱える人達に普通の生活をできるようにするだけで精一杯ですわ。私の才能というモノはガリア国民全員を幸せにできるような壮大なモノじゃありませんの」
屋敷に身寄りのない子供達を受け入れ、生活の面倒を見た事でペリーヌは人の上に立つと言う事の難しさを、そして自分の才能の限界というものを嫌と言うほど思い知った。
ガリアの為になる事をしたいと言う思いはあるが、同時に自分の才覚では議員として政治に関わる事でさえ過分な仕事であると思っていた。
「だけどペリーヌさんが動かないとこの現状は変わりませんよ」
「危機感を持っている人は他にもいます。私が動かずとも誰かが動いて事態は変化すると思いますわ」
「もしも他の誰がが動くのなら、もっと早くにド・ゴールの横暴はどこかで止まっていたはずです。なのに今までド・ゴールが止まる事がなかったのは、その誰かが存在しなかったと言う事です」
「……なるほど、確かにそうかもしれませんわね。ですが私には止める力はありませんわよ」
新人議員のペリーヌにはド・ゴールを止める力はない。良識派の人間を糾合できれば可能性はあるが、その後のド・ゴールからの報復がどうならわかったものではない。
「だからと言って動かないのはペリーヌさんらしく、いえウィッチらしくありませんよ」
「そうかもしれませんわね。ですが私も成長して、慎みというものを覚えたのですわ」
リーネに軽口を返したが、ペリーヌ自身人任せなこの考えが良くないものだという自覚はあった。だが自身力では今のド・ゴールを止める事はできず、北部と南部の確執を無くす事も困難だった。
「まぁ、止める事はできなくても遅らせる事はできるかもしれませんわね」
三日後朝刊で、ペリーヌはド・ゴールの政策批判と南部への重税に対する緩和を提言する声明を発表した。同時に現在の物価高が南北の確執を原因とするものであり、これを解消すべくガリア国民は団結すべきであると説くことで北部の民に対しても南北間の対立の存在を認識させる事で、反ド・ゴールであると旗幟を明らかにした。
ウィッチ専用の電子機器とか家電ってあるんですかね。使う人が少ないんで値段は高くなりそうですけど、魔法力を動力に動く掃除機とか携帯って便利そうですよね。ワンチャン電力の限られて空間とかで、例えば南極の基地とかで電気節約のために魔法力を動力にした家電を使うとかありそう。魔法力で動く簡易コンロとかあれば登山とかでも便利そうですし。