「大使館」のところに年代を書き忘れていたので追加しました。現在は1943年です。
ブリーフィングルームでの自己紹介の約一時間後、エイラはストライカーユニットを履いてハルトマン中尉とともに空の上にいた。
『エイラさんエーリカ、準備はできた?』
「はい」
「いつでもいけるよー」
『では、始め!』
ミーナ中佐からの号令によりエイラとハルトマンはお互いの背後をとるために旋回を始めた。お互い使っている機体はメッサーシャルフBf109G6型であり機体性能に差はない。しかしハルトマンは固有魔法で風を操ることができるためエイラよりも旋回速度が早く瞬く間にエイラの後ろを獲り引き金を引いた。しかしエイラもそれを固有魔法で予知していたためあっさりと避けると宙返りにより後ろを取り攻撃をする。それをハルトマンが避けるとまたエイラの背後を獲る。二人の戦闘は戦闘というよりも曲芸飛行のような芸術性を感じさせられた。
そんな二人の戦闘の様子を地上から見ていた思わずバルクホルンが呟いた。
「驚いた、まさかハルトマンと互角に戦えるとはな」
「そうね、私もグンドュラからエーリカやマルセイユ中尉と同じくらい才能のあるウィッチだと聞いていなかったら驚いていたでしょうね」
ハルトマンは現在撃墜数156機とカールスラントでもトップクラスの撃墜数を誇る。対してエイラは撃墜数100機でありスコアで言えばハルトマンが圧勝している。勿論これが直接実力差を表すものではないがロッテを組んでいるバルクホルンや付き合いの長いミーナ中佐はハルトマンの実力が並大抵のエースウィッチではかなわないほどの実力を持つことをよく知っているからこそ互角に戦えているエイラに驚いていた。
「それはすごいな。しかしラル少佐がそこまで評価するほどのウィッチをよくスオムスは送り込んでくれたな」
「スオムスは昨年のバルバロッサ作戦でネウロイの脅威が小さくなって戦力に余剰ができたわ。それに各国から支援もあったしその恩返しがしたかったんじゃないかしら」
「そういうことか。そういえば統合戦闘航空団を増設する話があったように記憶しているが階級的にはエイラ少佐はそっちの隊長になっても良かったのではないか?」
「そうする話もあったみたいだけどブリタニアが501の戦力不足を訴えて自国に置くようゴリ押ししたみたいよ」
「501から自国のウィッチを引き上げておいてどの口が言ってるんだ」
苦々しげな顔をしながらバルクホルンが言った。
「けどおかげでエイラさんという大きな戦力がうちに来てくれたわ」
「確かにその点はスオムス政府に感謝だな」
エイラとハルトマンの模擬戦が終わったようで二人が降りてくるのが見えた。
「あら?終わったみたいね」
「随分と早いな。それに二人とも被弾していないように見えるが」
遠目から見る分には二人ともペイント弾が当たったような跡はなくまた戦闘中の様子も見た限りではどちらかが被弾したような様子はなかった。
「どっちが勝ったの?」
「弾切れで引き分け。どこから撃ってくるのかわかってるみたいに避けられて全然あたんないよ」
ミーナ中佐に問いかけられたハルトマンが答えた。
「エーリカでも当てることができないのね。流石は無傷の撃墜王と言われるだけあるわ」
「無傷の撃墜王?」
聞き慣れない言葉にバルクホルンが聞き返した。
「エイラさんのスオムスでの異名の一つよ。戦闘で一度も被弾したことがないからつけられたそうよ」
「それは凄いな」
「へへ、わたしは未来予知の魔法が使えるから攻撃の来る場所が全部わかるんだ」
自慢げにエイラが言った。
「それは凄いな。相手がどこに撃ってくるかだけでなくどこに移動するかもわかるのなら強力な能力だがハルトマンに当てられないということは分からないのか?
「いやー、わかるんだけどハルトマンが素早すぎてわたしの腕じゃ当てれなくてこっちも弾切れになったんだ」
「確かにハルトマンは固有魔法で機体性能以上の機動力を出すことができるから当てるのはかなり難しいな。だが未来予知ならハルトマンの回避先までわかるんじゃないのか」
「未来予知はそんなに万能じゃないんだ。現状こちらから何もしなかった場合の未来位置がわかるだけで撃った後の行動は分からないんだ」
「なんでも分かるというわけではないのか」
「分からないと当てられない相手なんて今までいなかったから困ったこと無かったんだけどなー」
少し悔しそうな顔をしながらもエイラは今後ハルトマンのようなネウロイが出た時に今回の模擬戦での経験を活かせられるよう訓練しておかなければと思った。
「これから改善していけばいのよ。この中で一番若くて伸び代があるんだから」
「えっ?ハルトマンはわたしより年下じゃないのか?」
ミーナ中佐の言葉に思わずエイラが聞き返した。
「エイラさんは今13歳でしょう。ハルトマンは14歳よ」
「いやいやいや、この大きさでそれはないだろ!」
「身長は関係ないんじゃないかしら」
「身長じゃなくて」
「じゃあなんのことを言っているんだ」
心底わからないというふうに尋ねた。
「胸に決まってるだろ!」
「何を言っているんだ」
エイラの気が狂っているのか、それとも単にブリタニア語に慣れていなくて間違った言葉を発したのかできれば後者であることを願いながらそれを確認することにした。
「どこの大きさでハルトマンが年下だと判断したのか手で示してもらえるだろうか」
「わかった」
バルクホルンは手で指し示してもらおうというつもりでこう言ったがどう勘違いしたのかエイラは手で揉む事で示した。
「うわっちっさい!というか全くない!」
「ふっふっふー」
何故かハルトマンは自慢げに笑っていた。
その光景を見たバルクホルンが思わず叫んだ。
「ななななな何をやってるんだー!」
「何って手で触れって言ったから触ったんだけど」
「私は手で示してくださいと言ったんだ!揉んでくださいとは言ってない!」
「あれ、そうだったっけ?いやーブリタニア語は難しいなー」
エイラがわざとらしくそう言った。
「まさかわかっていてやったんじゃ」
「そんなわけないだろー」
疑いの目を向けるバルクホルンにそう返しながらエイラの視線がバルクホルンの胸に向かった。
「大尉は年相応の胸をしてるよな」
その言葉に思わずバルクホルンは後退った。
「まさか私のも揉む気じゃないだろうな」
「なんでわかったんだ」
「そんなに見られたら分かるに決まってるだろ!」
「それもそうか。じゃあさっそく」
そう言ってバルクホルンの胸を揉もうと手を伸ばすがバルクホルンはそれをさっとかわした。
「なんで避けるんだよ」
「避けるに決まっているだろ!」
「別に減るもんじゃないからいいじゃんか」
「減りはしなくても嫌なものは嫌に決まっているだろう!第一どうしてそんなに胸を揉もうとするんだ!」
「触る理由?ここに来る前にニパ、スオムスにいる友達なんだけどそいつの胸触ってさ、大きくて柔らかいのが癖になっちゃってさ」
「なら私じゃなくてその友達のを揉めばいいだろ!」
「わかってないなー大尉は。そこに胸があるんだから揉むに決まってるだろ。それにこの後ミーナ中佐のも揉むつもりだから安心して揉まれるといいぞ」
まさか自分に旅飛び火するとは思っていなかったミーナ中佐は楽しそうに二人のやりとりを見守っていたが自分の胸も揉まれるとなると話が違うため事態を収束しにかかった。
「はい、二人とも。遊びはその辺にして通常任務に戻りましょう」
「ミーナ、私は遊んでいたわけでは…」
「トゥルーデ、あなたは通常任務に戻ってくれるかしら?エーリカはエイラさんを連れてまだ出来ていない基地の案内をしてくれるかしら」
バルクホルンが異議を唱えようとするのを遮って二人に指示を与えた。
「それとエイラさんはその手を下ろして大人しくエーリカについていってくれるかしら」
背後からミーナ中佐の胸を揉もうと近づくエイラに向かってミーナ中佐が言った。
「わかりました。けどその前に一回揉んでもいいですか」
「ダメです。大人しくエーリカについて行きなさい」
「はーい」
気の抜けた返事を返しながらハルトマンについていくエイラの想定外の問題児っぷりに対する少しの不安を感じながらも頼もしい仲間の加入にミーナ中佐は喜びを感じていた。
ウルリッヒ・ルーデルが元ネタのウルーリケ・ルーデルが義足ではないこを見てストライカーユニットと義足について思いついたので書こうと思います。
まずこのことを考えるのに思ったのは靴の存在です。ウィッチは靴を必ず脱ぎます。このことから足とストライカーユニットの間には何もないことが望ましいことがわかります。おそらくこれは足の先がストライカーユニットに入った時点でウィッチが纏っている魔法力に反応して異空間を作り出すことから靴が魔法力がユニットに伝わるのを阻害すると考えられます。
しかし一方でエイラやサーニャは他のウィッチと互い足全体を覆うタイプのズボンを履いていますが、この程度であれば阻害はされないのだと考えられます。しかしウィッチは刀や銃弾に魔法力を乗せて攻撃することから理屈の上では例え靴があってもその上から魔法力を纏えば靴ありでユニットを履くことができると考えられます。しかしこれはいうのは簡単でも実際は案外習得に時間がかかるかもしれません。普段靴なしでユニットを履くことにより靴に魔法力を纏わせることに慣れていないことから練習始めはスクランブルなどで靴に魔法力を纏わせずにユニットに足を突っ込んで足を怪我した、などの事件が発生しそうなのでその辺を考えると平時ならともかく戦時に靴を履いたままユニットを履く訓練はしないのではないでしょうか。
義足についても同じ理屈でおそらく訓練次第で義足のままでもユニットを履けるのではないでしょうか。もっとも、これにより魔法力の消費等が増える可能性もあり、さらには元々本来は守る対象であるはずの少女達を四肢を失った上でさらにこき使おうとする行為が果たして世論に受け入れられるのか、仮に受け入れられたとしても戦後そのことについて歴史家連中が批判するのは目に見えていますが。