なんで前書きでこんな事を書いたのかって事なんですけど今回とある人達に対するアンチヘイトがあるのでお気をつけくださいって言う事ですm(._.)m
エイラはいつもなら夜勤明けに眠りにつくが、今日はスオムス大使館から呼び出されていたために夜勤もなかった。そのため、珍しくその時間では眠りについていた。
基地の殆どの人間が寝静まっているはずのこの時間、なんの前触れもなくエイラの扉が開かれ一人の人物が入ってきた。ゴソゴソと制服を脱ぎ散らかしながらベッドに向かっていきドサッと鈍い音と共にうつ伏せに寝転んだ。
「イテッ!」
心地よい微睡の中に突然大きな衝撃を受けて実際の痛み以上に痛く感じて大きな声をあげた。
「なんだよモ〜!」
そう叫ぶエイラの視線の先には気持ちよさそうに眠るサーニャがいた。
「今日だけ…だかんな」
口では文句を言いながらも夜間哨戒で疲れているサーニャを起こすなんてことをエイラがするはずがなくサーニャにシーツをかけてやるのだった。
順番はいつもと違うがそれ以外はいつも通りの朝、今日もいつもと同じように一日が過ぎていくのだろうとこの時のエイラは疑ってもいなかった。
※
その日の夕方、ミーナ、エイラ、バルクホルンの三人により宮藤の命令無視に関する処分を決定するための会議が開かれた。
「ペリーヌと宮藤が決闘をするために勝手にストライカーユニットと実弾を持ち出して出撃していたところに小型ネウロイが襲来。宮藤が命令を無視して独断専行し、ネウロイが人の形に変形し撃つのをためらったところ、変わってネウロイに攻撃を加えようとした坂本少佐がネウロイの反撃に遭い、年齢により減衰していたシールドを貫通、重傷を負った。間違いはないか?」
坂本少佐が重傷を負った経緯が書かれた報告書を読んだエイラが内容に間違いないか尋ねた。
「いや、宮藤は躊躇ったというより坂本少佐の前に立ち塞がってネウロイを撃たせないようにしているように見えたな」
「人型ネウロイを庇う素振りを宮藤が見せたのか?」
「おそらく人の形をしていたからこそ撃つのをやめさせたかったんじゃないか。宮藤は元々軍人ではないから人の形をしたものを撃てなくても無理はないだろ」
「それは問題だな。直ぐに対処しないと大変な事になる」
「そう言うのはゆっくり直していけばいいんじゃないか。そうそう人の形をしたネウロイなんていないだろうからな」
「まぁ…そうだな…」
憔悴した様子で椅子に座っているミーナ中佐を気遣わしげに見ながらバルクホルンが口を開いた。
「独断専行に命令無視、その結果上官を負傷させて更にはネウロイを逃すとは…重罪だな」
バルクホルンの言葉にエイラが異議を唱えた。
「坂本少佐負傷の責任を全て宮藤に負わせるのは早計だな。まったく責任がないとは言えないがそれを追求するのならまずはミーナ中佐と坂本少佐自身の責任についても追及する必要があるな」
「いくら指揮官とはいえ命令を無視したものが犯した罪まで指揮官が責任を負うと言う事はないだろう」
エイラの言葉にバルクホルンが訝しげにそう尋ねた。
「わたしが問題にしているのはそこじゃない。宮藤の命令無視はあくまできっかけで坂本少佐が負傷した直接の原因は坂本少佐のシールドの強度が下がっていた事だろ」
「そうだが何かそれに何か問題があるのか?」
「もしも気付いていて出撃したのなら明らかにそれは判断ミスだろ。場合によっては他の隊員が犠牲になっていたかもしれないんだぞ」
適切な行動を指揮官がせずに被害を受けた時、その罪を問われる事は多々ある。今回もそれに当たるのではないかとエイラは思っていた。
「確かにそうだが気付いていなかっただけじゃないか?」
「その可能性はあるけど本当に少佐が認識していなかったと思うのか?」
エイラに尋ねられてバルクホルンは口をつぐんだ。誰よりもストイックで自己鍛錬を欠かさない坂本少佐が魔法力の減衰などと言う事に気付かないはずがなかったからだ。
「知らなかったのなら宮藤に対して責任を追求すべきだけど、もしもネウロイの攻撃を防げないと知っていたのであれば、坂本少佐は指揮官として問題のある行動をしたことになる。ミーナ中佐にそれを伝えていなかったのならば、今回の件、責任の所在は少佐にある事になる。
この場合でもミーナ中佐は部隊の管理者としての管理責任に問題ありとみなされて軽い処分があるかもな。
ただもしもミーナ中佐が知っていたので有れば指揮官としての適性を疑わざるを得ない。最悪の場合隊長職の解任まであり得る」
「そこまで大きな罪では…」
「甘いぞバルクホルン。これは一歩間違えば戦線が崩壊してブリタニアの失陥に繋がっていたんだ最低でもこれくらいは必要だ」
そう言ってエイラは一息つくとミーナ中佐に対して尋ねた。
「中佐、坂本少佐が上がりを迎えていたことを知っていたか?」
エイラの問いかけに暫くの沈黙の後口を開いた。
「…知っていたわ」
「ミーナ!」
バルクホルンが咎めるようにその名を呼んだのと殆ど同時にエイラはミーナ中佐に近づくと胸ぐらを掴み無理やり立たせると怒鳴りつけた。
「わたしがこれまでいくら仕事を押し付けられようと怒ることがなかったのは書類ではわからない隊員のプライベート面を中佐がきちんと管理してくれていたからだ!
それなのにこの体たらくはなんだ!坂本少佐のシールドが弱まっていたことを知っていた?それならどうして出撃させた!
たしかに宮藤は軍隊として許されないことをした、けど部隊の隊長として最低限の職責をこなさなかったオマエは一体なんなんだ!!」
「…ごめんなさい」
視線を合わせずにか細い声で謝罪の言葉を述べるミーナ中佐の胸ぐらを乱暴な手つきで離すとバルクホルンに向かって告げた。
「ヴィルケ中佐は心身の耗弱により指揮を取ることが困難と判断し、わたしが代理で指揮を取る」
反論は認めないとばかりにミーナ中佐を睨みつけた。
「待ってくれミーナは…」
「あの状態でまともな指揮が取れるって言うのか?」
「…!」
バルクホルンが言葉に詰まったのを見てさらに指示を出した。
「宮藤軍曹は自室謹慎二週間。その間誰か一人が必ず見張りに付くように。人選はバルクホルン大尉に任せる。
ペリーヌにも勝手にストライカーと武器を持ち出した事に関して反省文を書かせておいてくれ。
それと坂本少佐の戦闘隊長職を解きバルクホルン大尉に一時移譲する。正式に戦闘隊長にするには上層部の了承が必要だからわたしは一度ロンドンに行ってくる。その間部隊の事はバルクホルン大尉に一任する。
もし坂本少佐が目を覚ましたら詳しい話を聞いておいてくれ」
そう言うとエイラは足早に去っていった。
そのエイラと入れ替わる形で扉の側で聞き耳を立てていたハルトマンが入ってきた。
「エイラすごい怒ってたね」
「…ああ、あんなに怒っているのは見た事が無い」
「けど今回ばかりはミーナが悪いよ」
「ハルトマン!」
追い討ちをかけるようなハルトマンの言葉をバルクホルンが咎めたがそれを無視して更にハルトマンは続けた。
「だってブリタニアの事じゃなくて自分たちの都合を優先するのはマロニーと変わんないじゃん」
「あれと一緒にするな」
マロニーという言葉に不機嫌そうにバルクホルンがそう言った。
「一緒だよ。トゥルーデだって上がりを迎えた事を隠して出撃したウィッチが仲間を失ったの見たことあるでしょ。
いくらそれまでの功績が凄くてもそんな自分勝手な理由で仲間を失ったりしたら全部台無しになるよ」
カールスラントからの撤退の際、時間を稼ぐ為に出撃した上がりを迎えたウィッチも多かった。その多くは帰らぬ人となったが同時にその僚機や同じ隊のウィッチもまた撃墜されることは多かった。
「あの頃は仕方がないだろう。そうしなければ多くの国民が逃げ遅れていたはずだ」
「たしかにあの頃はそうする必要があったから仕方がないかもね。けどそれなら今回のは尚更許されないでしょ。ブリタニアは各国からウィッチが集められて十分な戦力があるんだよ。それなのに無理して出撃する必要はなかったじゃん」
「そうだが少佐の気持ちも考えろ」
「その少佐の気持ちを考えて行動するのが自分達の都合を優先していてマロニーと変わらないって言ってるの!」
「それは…」
「もうやめて二人とも!」
白熱する議論に終止符を打ったのはミーナ中佐だった。
「少し一人にしてちょうだい」
「あ、ああ。わかった。行くぞハルトマン」
ハルトマンの手を引き扉の外に出た途端バルクホルンが再び口を開いた。
「ハルトマンお前少しはミーナの気持ちを考えて話せ!」
「私のせいなの!?どっちかと言うとトゥルーデが中途半端に庇ったせいだと思うんだけど」
「なんだと!」
再び二人の間で口論が始まろうとした時、宮藤の処分が気になってハルトマンのように聞き耳を立てようとしていたリーネがやってきた。
「あの、芳佳ちゃんの処分はどうなりそうですか?」
「謹慎二週間だ。他にも伝えることがあるからミーティングルームにみんなを集めてくれ」
その後、ミーティングルームで坂本少佐の戦闘隊長職の一時更迭と暫くの間エイラがミーナ中佐に代わって指揮を取ることが他の隊員に伝えられた。
坂本少佐を止めずに出撃させたのって結構まずいと思うんですよね。
突然シールドを貫通された場合考えられるのって上がりを迎えていたか単純にネウロイの攻撃力が高かったかの二パターン考えられます。
前者であれば問題ないですけど後者だった時、坂本少佐が上がりを迎えてたと勘違いして攻撃を仕掛けて実は上がりを迎えていたこと関係なく強力な攻撃でしたって言って返り討ちみたいなパターンもありえます。そのため本当に一歩間違えたら501部隊って壊滅していたのじゃないかなって思います。