800度で温めたものを取り出そうとさらに触ったらメチャクチャ熱くて水膨れできたんでみなさんも高温で温めたものはすぐ取り出さず扉を開けて暫く覚ましてから取り出すようにしてください。それか手袋をする。
あとパソコンは放電させたら治りました。
「「「じゃーんけーんぽーん!」」」
502部隊の駐屯する基地の前、凍ったネヴァ川に三人の少女達の元気な声が響いた。
「俺かよ」
面倒くさそうに言ったのは扶桑皇国海軍少尉、管野直枝だ。
「いっちばーん!」
そう言ってソリに乗り込んだのはニパだ。今日は彼女の提案で凍ったネヴァ川をソリで滑ろうとしていた。
「お願いしまーす」
楽しそうにそう言ったのは管野と同じ扶桑皇国海軍所属の雁淵ひかりだ。
「これじゃあ押せねぇな」
そう言って管野は上着を脱ぐと魔法力を発現するとソリを全力で押し始めた。
「さ、寒い〜」
「イェーイ!」
ソリに座っている二人が思い思いの声を上げた。
「気もちいー!!!」
楽しそうにニパが声を上げた。
「どうひかり?」
「た、楽しいです」
「楽しくねぇ!!!」
ひかりのその言葉を管野が即座に否定した。
「あ!日の出だよ!」
「うわぁ、綺麗〜!!」
ソリの目の前に少しずつ太陽の光が広がっていき川の氷を反射して幻想的な風景を生み出していた。
そんな景色に感動しているとソリが止まり次はひかりがソリを押すことになった。
「行きます!」
「たっのしぃ〜!」
「死ぬー!!!」
ニパの楽しそうな声と管野の悲鳴がこだました。
「あ、管野あそこ!」
「なんだぁ?」
「濡れてる…
あそこ、氷が薄いんだ!」
「雁淵止まれ!」
慌てて管野が振り返って叫んだ瞬間、ドテッと音を立ててひかりが転んでソリから手を離した。
「こけちゃいました〜!」
「ふざけんなー!!!」
運転手を失ったソリは止まる事なく進みそのまま氷の薄いところまで進み二人は仲良く冬のネヴァ川で着衣泳をすることとなった。
「ハックション!」
暖を取るために入ったサウナに、管野の大きなくしゃみが響いた。
「すみません…」
「いやー、運が悪かったね」
申し訳なさそうに謝るひかりにニパがそう言って慰めた。
「俺を巻き込むなっつーの」
普段から運のないニパだけが川に落ちるのならともかく自分まで巻き込まれたことに管野は拳をニパのこめかみにめりこませることで怒りをあらわにした。
「不可抗力だよ〜」
「お前が連れ出したせいだ!」
「ひかりたすけて〜」
「…あれ管野さん顔変ですよ」
「喧嘩売ってんのか」
次の瞬間、ひかりは椅子から落下して地面に倒れた。
※
「風邪?」
食堂で報告を受けたラル少佐が聞き返した。
「はい。応急措置はしておいたので明日には熱も下がると思います」
502部隊唯一の治癒魔法の使い手、自由ガリア空軍少尉ジョーゼット・ルマールが治療の結果を言った。
「直枝ちゃん達、ひかりちゃんを凍った川に落としたんだって?」
カールスラント空軍中尉、ヴァルトルート・クルピンスキーがからかうように言った。
「落とされたのは俺らだ!」
「あの、ウィッチってあんまり風邪とか引かないですよね」
「ええ。ウィッチは魔法力で守られているから怪我や病気にかかる事は珍しいわ」
カールスラント空軍曹長エディータ・ロスマンがニパの質問に答えた。
「ただ肉体的、精神的な疲労が溜まるとウィッチでも病気になることがあります」
ポクルイーシキンが言った。
「それだけが理由じゃないわ。ひかりさんは魔法力が元々大きくないの」
「ここのところ厳しい任務が続いたことが一番大きいと思います。もう少しこちらも考慮すべきでした」
「なに、風邪程度で済んでよかった」
「あの、ひかりさんのこと以外にも問題があるんです…」
朝食の入った鍋を運んできた扶桑皇国海軍少尉下原定子が言った。
「先日のネウロイの砲撃で食料保管庫が破壊された関係で基地内の食糧備蓄がごく僅かになっています」
「…暫くは節制だな」
「明日は基地恒例のサトゥルヌス祭が予定されていますが」
「今年は中止だな」
「ええ!!」
ラル少佐の言葉にニパが叫び皆の視線が集中した。
「あ、なんでもありません」
流石に食料が少ない中でサトゥルヌス祭を無理に決行するよう意見具申する勇気はニパにはなかった。
※
「サトゥルヌス祭、ニパさんと管野さんが祭りをやろうとしているようです」
「なら今日は二人は非番でいい」
ロスマンからの報告にラル少佐がそう言った。
「寛大なんですね」
「…お前なら言ってもいいか」
「なにがですか?」
「今日か明日あたりに物資が届く。だからサトゥルヌス祭はいつも通り盛大にやってくれて構わん」
「わざわざ隠さなくてよかったんじゃないですか?」
呆れたように言った。
「補給部隊の司令官とサプライズをしようと話していたからな」
「けど盛大にパーティーをするとしても食料を倉庫から出したら不思議に思われて最悪バレますよ?」
料理係が下原の関係から食料庫の管理も下原が受け持っていることから簡単にバレることが予想された。
「そこの戸棚に酒のつまみになる缶詰程度なら入っている。それを持っていけ」
「よろしいんですか?」
「ああ。だが二つほど残しておいてくれ。後で補給部隊の司令官と飲む時に食べる」
「お知り合いなんですか?」
妙に親しそうな様子を不思議に思ったロスマンが訪ねた。
「501のユーティライネン少佐だ。エディータ、お前も一緒にどうだ?」
「お邪魔になりませんか?」
「お前なら大丈夫だろう。他の連中と違って酒癖も悪くないし仮にクルピンスキーあたりが乱入してきてもお前がいれば楽に追い払える」
「そういう事でしたら是非」
その時コンコンと扉がノックされ下原が入ってきた。
「どうした。何か問題でも起きたか?」
「さっきクルピンスキーさんとロスマンさんが採ってきたキノコを料理したんで味見してもらおうと思って」
「そうか。そこに置いといてくれ。後で食べる」
「先生の分も調理場に用意してますのでどうですか?」
「いただくわ。それと隊長が缶詰を提供してくれたわ。これで少しは豪華な夕食になるはずよ」
「本当ですか!?ありがとうございます」
「構わん。せっかくのサトゥルヌス祭だ、私だって美味い飯が食いたい」
※
それがきたのは全くの予想外なタイミングだった。
ペテルブルクの防空網を突破し502基地上空に突如出現し基地に対して直接攻撃を仕掛けられてようやくそれがいることに気付いた。
「管野!サーシャさん!」
ニパが出撃のためにハンガーに入るとそこには大声をあげて笑う二人の姿があった。
「もお〜こっちもかよ」
この直前、話しをしていたニパとひかり以外がワライタケ入りのスープを飲んだためその中毒により笑い声をあげていて戦闘不能状態になっていた。
『ニパ、聞こえるか。出撃できるのはお前だけだ。頼んだぞ』
「了解!」
「ニパさん!」
「ひかり…。私に任せて!絶対にきちゃダメだからね!上官の命令だよ!」
病み上がりのひかりに出撃させるわけにはいかないためニパはそう命令した。
「えっ!?了解…」
次の瞬間、ネウロイの攻撃によりハンガー出口に立てられていたツリーが炎上した。
「あ!ツリーが!」
炎に包まれたハンガーの出口をニパが無理矢理突破するとラル少佐からの通信が入った。
『敵の発見が遅れたのは何らかの能力によると思われる。十分に注意しろ』
「了解!隊長はまともでよかった」
もちろん、そんなわけはなく通信を切った瞬間いつものクールな装いに似合わない下品な笑い声をあげていた。
「見つけた!」
あっさりとネウロイを見つけたニパは即座に攻撃を開始すると次々と命中弾を与えた。しかし
「消えた!?カモフラージュか!」
まるでカメレオンのように姿を消し去ってしまった。
「くそっ、どこだ!」
消えたネウロイを探しているとひかりから通信が入った。
『ニパさん、十一時の方角です!』
「了解!」
すぐに言われた方角に移動したがそこにネウロイの姿はなかった。
「ひかり、いないよ!」
『ええ!?私からは見えてますよ!』
「…もしかして」
一つの可能性に思いあったニパは一気に高度を下げると背面飛行をした。
「いた!やっぱりカモフラージュしてるのは上だけか!」
姿を見つけられたのならあとは簡単だ、即座に引き金を引いて攻撃を再開した。
「げ!詰まった!?」
ニパ一人しか迎撃に上がっていない状態でまさかの弾詰まりを起こしてしまった。
「なんでこんなについてないんだよ〜!!」
その時どこからともなくロケット弾がネウロイに向かって殺到し、止めとばかりに自動小銃の連射音が響きネウロイが四散した。
「一体なにが…」
「いよ〜う!ニパ!いい子にしてたか?」
「イッル!」
補給物資を届けにきた、エイラとサーニャの姿がそこにはあった。
「え!?だれ!?」
面識のなかったひかりはその姿を見ておもわずそういった。
「501のリトヴャク中尉と…ユーティライネン少佐ね」
「なんだ、あの派手な服は」
「管野さんサーシャさん!もうおかしくないんですか?」
「オメェ喧嘩売ってんのか」
可笑しかったのは事実だが、聞き様によっては喧嘩を売っているような物言いに管野が思わずそう言った。
「私たち食べた量が少なかったから」
「あ、見ろよあれ!」
「NKL-16、輸送ソリ?」
「サトゥルヌスのプレゼントです!」
サトゥルヌスのプレゼントは502基地で喜びを持って迎え入れられた。当初予定していたよりも数倍豪華な食べ物が食卓を彩り小さいながらもツリーがその彩りにさらに花を添えた。
「ちょっと心配してたんだけどな」
「ニパさんのこと?」
「うん。あいつにとって初めてスオムスのウィッチがいない空間だから寂しがってんじゃないかと思って」
「心配ないみたいね」
その視線の先には管野、ひかりとともに笑い合うニパの姿があった。
「うん、心配して損した」
そういうと二人は顔を見合わせて笑い合った
何故クルピンスキーの言葉を信じてワライタケなんか食べたのか。
実は意外と信用されてるんですかね?あるいはロスマン先生が一緒だったから信用されたのか。謎ですね。