ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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一応今回からストライクウィッチーズ2です。
アニメ本編に絡む話は次話からですが…


ストライクウィッチーズ2
ロマーニャへ


ブリタニアをたったエイラたちはガリアを経由してロマーニャへと向かっていた。

 

「しっかしまさかブリタニアからロマーニャまで自分達で飛ぶことになるとは思わなかったなぁ」

 

久しぶりのストライカーユニットでの長距離飛行にエイラは思わずそうこぼした。

 

「仕方ないわ。今までが優遇されすぎてたのよ」

 

エイラの愚痴にサーニャがそう答えた。

 

「それはそうだけど義足の人間にこんな長距離を飛ばさせる必要は無いだろ」

 

エイラの実力でどうにかなってはいるがこの義足はかなり精密な魔法力の操作が要求されエイラ自身の魔法力よりも先に精神のほうがすり減るほどだった。

 

「ディジョン基地で休憩したばっかりじゃない」

 

とはいえディジョン基地で半日ばかり休息を、その前には丸一日パリ観光を楽しんでいてはっきり言ってエイラは全く疲れてはいない。

 

「けどこの後は基地まで休憩なしだろ。おまけに増槽付けてるから飛びにくくて」

 

エイラはこの落下増槽が嫌いだった。ストライカーユニットで飛ぶ際エイラは速度と機動力、そのいずれかが高いものを好む。しかしどんなに早く、どんなに小回りが効く機体であってもこれをつけると機動性が著しく落ちることから余程のことがない限りエイラは増槽をつけることをしなかった。

 

「仕方ないわ。パリで時間を使いすぎたんだもの」

 

本来はジェノバで燃料を補給する予定だったが予定が押している関係からディジョン基地で増槽を取り付けることでジェノバでの補給をしない方法を選択していた。

 

「まさかあんなにも綺麗にパリの街並みが残ってるとは思わなかったからなぁ」

 

意外なことにパリの街並みはネウロイによる占領前と大きく変わることがなく、民間人がほとんどいないと言うことを除けば見て回る分には十分楽しめるものだった。

 

「やっぱり他の占領されていた街とかは破壊されていることの方が多いの?」

 

ネウロイの侵攻後に軍に入隊し大戦初期の悲惨な撤退戦を知らないサーニャはネウロイに占拠された街の様子を詳しく知らなかった。

 

「街によるけどほとんどの街は撤退の時に街ごとネウロイを吹き飛ばそうとして壊れたりするからな」

 

「それってネウロイのせいじゃないんじゃ…」

 

「一体でも多くのネウロイを倒すために当時は仕方なかったんだよ」

 

もっとも、エイラ自身はその現場を目撃した事はほとんどなくどれほどの効果があったのかは定かではない。

 

「じゃあどうしてパリは破壊されなかったの?」

 

「さぁ?多分カールスラントとかと違って組織だって撤退できなかったからじゃないか?

見た感じ橋もあんまり落ちてなかったみたいだし」

 

「橋?」

 

「撤退の時は基本橋を落とすんだよ。ネウロイは水が苦手だからな。けどガリアの橋は明らかに古いのが多かったから多分そんな余裕がなかったんだと思う」

 

そう言われてサーニャはガリアで見た橋を思い返してみるとたしかに新しい橋は少なかったように思えた。

 

「まぁ取り返しに行く時は結局工兵が橋を作ることになるし復興にも必要になるからあったほうがこっちも楽だけどな」

 

「タイミングを失敗したら対岸に人を残すことになったりして逆に助けようとしてネウロイを通してしまったりしそうだけど…」

 

「ある程度の規模の部隊が実行するだろうから現場指揮官もそれなりに階級が高い。だから余程のことがない限りは計画通りに橋を落としていくと思うぞ」

 

「ここに来るまで落とした橋を見かけなかったけどどうしてガリアは落とさなかったの?」

 

「落とさなかったのか、それとも落とせなかったのかによって変わるだろうけど多分当事者のほとんどは死んでいるだろうからその辺はさっぱわかんないな」

 

情に流されたか、ネウロイの攻勢が予想よりも早くてそんな時間が無かったのか、いずれにせよ当時のことを全て知っている人間はおそらく皆無といえた。

 

「はぁ、にしてもロマーニャは迎えの飛行機くらいよこしてくれよな」

 

「普通のウィッチはそんなに頻繁に飛行機で移動したりしないわ。それにエイラ飛ぶの好きでしょ?」

 

また移動方法について愚痴をこぼし始めたエイラをサーニャがなだめた。

 

「飛ぶのは好きだけどさぁ。基地についた後ローマに行くのさえ自分で移動手段を用意するよう言ってきたんだぞ。流石にこれはないだろう」

 

ロマーニャに501部隊を展開するのはロマーニャからの要請によるものでありスオムス軍自体はエイラをもっと有効活用することもできた。それをロマーニャの要請に応える形で派遣した以上もう少し配慮してくれてもいいのではないかとエイラは思っていた。

 

「ネウロイの巣の対応で大変なロマーニャにそこまで要求するのは酷よ」

 

「そうかもしれないけどさぁ」

 

言われてみればたしかにロマーニャは今ネウロイの巣で大変な時だから仕方がないのかなと言う気になった。しかし

 

「いや、大変なのはヴェネツィアであってロマーニャじゃなくないか?たしかに避難民の受け入れとかあるけどヴェネツィア軍も防衛に加わっているはずだから軍事的にはさして影響がないはずだろ」

 

「そうなの?」

 

「…多分」

 

確信があるわけではなくエイラは自信なさげにそう答えた。

 

「もうちょっとロマーニャも情報を渡してくれればいいんだけど現地につかないと情報保全の観点から教えられないって。そもそも敵はネウロイなんだから情報保全も何も無いはずなんだけどな」

 

「あまりわたし達も人のことは言えないわよね」

 

「まぁそうだけどさぁ。けど戦況とかは公開してもいい情報だろ」

 

エイラが事前に知ることのできた情報はトラヤヌス作戦の詳細、そしてロマーニャ軍が予備兵力を動員したと言うくらいで具体的な戦況などは一切知ることができていなかった。

 

「もしかして予想以上に戦況が悪いのかなぁ」

 

「504の人たちはみんな無事なのよね?なら心配はいらないんじゃないの?」

 

「うーん、504かぁ。正直504以降の統合戦闘航空団って戦力としては少し劣る気がするからあんまり信用しすぎるのもなぁ」

 

「同じ統合戦闘航空団なんだからそんなことはないんじゃないの?」

 

不思議そうにサーニャが尋ねた。

 

「そうとも限らないだろ。503までは個人技能では間違いなくトップクラスって言えるエースが二、三人、まぁ万全の状態かどうかは置いといているだろ?」

 

エイラに問いかけられてサーニャが頭の中に501のメンバーを思い浮かべると確かに撃墜数が三桁になるようなウィッチが四人はいた。

同じように502を思い浮かべると同じように三桁越えのウィッチが二人ほど思い浮かんだ。

 

「わたし503のことはあまりよく知らないのだけど…」

 

唯一503とは接点がなくサーニャは困ったようにそう言った。

 

「503にも撃墜数がラル少佐クラスのが二人いるぞ」

 

「504は違うの?」

 

難しい顔をして少し考えた後、エイラは口を開いた。

 

「評価がすごく難しいんだよな。例えば戦闘隊長の竹井大尉なんかはたしか坂本少佐と同期でリバウでも活躍しているし作戦指揮能力には問題はないと思う。

問題なのはオラーシャとかカールスラントの人間が一人もいないことなんだよな」

 

「それのどこが問題なの?」

 

「いや、まぁいないこと自体は問題はないんだ。代わりに一人でも抜きん出た実力者がいればいいけどそれって大体はカールスラントかオラーシャ、それか扶桑あたりが多いんだよなぁ」

 

そう言われてサーニャはそれ以外の国でハルトマン達に匹敵するような実力者はエイラくらいしか思いつかないことに気付いた。

 

「一人ヒスパニア戦役の頃からのベテランがいたからそいつに期待するしかないけど正直カールスラントとオラーシャ、扶桑以外の国エースって言われてもなぁ」

 

正直あまり期待ができるものではないとエイラは思わずにはいられなかった。




ストライクウィッチーズって実戦経験の差から大国ではカールスラントとかオラーシャあたりのウィッチが実力的にはかなり高いのかなぁって個人的には思っています。
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