ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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今回から本格的にアニメ二期です。


伝説の魔女達

「サーニャあとどれくらいで基地に着く?」

 

固有魔法を使ってロマーニャの空域管制と交信をしていたサーニャにエイラが尋ねた。

 

「もうすぐみたいだけど…」

 

「何かあったのか?」

 

「基地の近くで大型ネウロイが一機出たみたいなの」

 

それを聞いてエイラは思わず顔を顰めた。

 

「ロマーニャの対応は?」

 

「ヴェネツィア海軍が出撃して対応するみたい」

 

「ウィッチ隊は?」

 

「航続距離の問題でいないみたい」

 

「はぁ?航続距離?そんなバカな話があるか!」

 

思わずエイラは毒突いた。

 

「そんなに怒らなくても…」

 

「いや、これはあり得ない話だぞ。基地の近くはネウロイの勢力圏とまではいかなくともネウロイが来襲する可能性が高い地域だぞ。

それなのにウィッチ隊が駆けつけられないって…。戦力不足なのかその地域を軽視していたのかどちらか知らないけどどっちにしろロマーニャ上層部にあまり期待は出来ないな」

 

吐き捨てるように言った。

 

「あまりそういう事は言わない方がいいわ」

 

「わたしだって言う相手は選ぶよ。サーニャだから言うんだ」

 

「…どうするの?助けにいくの?」

 

「燃料に余裕があるとは言い難いけど大型一機くらいならなんとかなるな。助けに行くか」

 

近くにヴェネツィア海軍の軍艦もいるのなら最悪倒したあとに乗せて貰えばいいかと考えエイラは言った。

 

「出来るだけ燃料は残したいからゆっくり行くぞ」

 

「ゆっくりだと艦隊が壊滅するかもしれないわ」

 

「大丈夫だろ。大型ネウロイを相手にしようとしてるんだ、戦艦の一隻くらいいるだろうから簡単には壊滅しないよ」

 

倒す事ができなくとも短い時間で有れば大型ネウロイが相手でも耐える事はできると言うのがエイラの戦艦に対する認識であり同時にそれは殆どの軍人の共通認識でもあった。

 

「それに基地にミーナ中佐達が先に入ってるはずだから多少遅れたくらい問題ないさ」

 

「そんな事通信では言ってなかったから出撃できる状況ではないかもしれないわ」

 

「もちろんその可能性もあるけどミーナ中佐だからな。

多分管制官は501の事を知らされてなかったんだろ。501の再結成は下に対しては隠されてるはずだから管制官は知らないのも当然だろうな」

 

ロマーニャの情勢からエイラ達501のメンバーが参加してのセレモニーなどはできないが501部隊の再結成そのものは新聞やラジオを通して大々的に発表される予定のため関係者以外には秘匿されていた。

 

「じゃあもしかしたら他の人たちもいるかもしれないの?」

 

「ペリーヌとリーネは先にガリアを立てたみたいだしもしかしたら今頃ネウロイと戦ってるかもな」

 

パリに立ち寄った折エイラはペリーヌとリーネの居場所を自由ガリア空軍とブリタニア空軍に問い合わせていた。ガリアがどれくらい復興しているのか、カールスラント方面はどうなっているのかなど現地にいるペリーヌ達から情報を得ようと思ったからだ。その際の返答が既に出立したと言うものだったため二人は既に到着済みだとエイラは判断していた。

 

「他の奴らがいるなら多少燃料が少なくてもどうにかなるか。

サーニャ、少しスピードを上げよう。先導を頼むぞ」

 

当初の考えを改めエイラはそう言いサーニャの案内のもと大型ネウロイの出現した空域へ向かった。

 

暫く飛んでいるとネウロイらしき空飛ぶ大きな物体と水面にいくつかの黒い船影のようなものが見えてきた。

 

「あれか、サーニャ?」

 

「うん」

 

「よし、こっちに注意が向くようフリーガーハマーを撃ってくれ」

 

「了解」

 

返事と同時にサーニャが引き金を引きフリーガーハマーから四発のロケット弾が打ち出されそれらは吸い込まれるようにネウロイへと向かっていった。

 

「全弾命中、流石だな」

 

「エイラ、あれ見て」

 

サーニャが示す先には空を飛ぶ人影、つまりウィッチの姿があった。

 

「あれは…ペリーヌ達か?」

 

「うん」

 

思ったよりも多くのウィッチが集まっている事に驚きながらエイラは言った。

 

「よし。じゃあわたしが先に行くから。援護を頼むぞ」

 

「うん」

 

サーニャの返事を聞くよりも早く速度を上げたエイラはネウロイの正面から襲い掛かり機関銃を乱射しながら駆け抜けた。

それとほぼ同時にエイラに追従する形でサーニャのフリーガーハマーから打ち出されたロケット弾がネウロイに着弾し爆発した。

大きく旋回すると再度ネウロイに攻撃を仕掛けるエイラの耳に幾人かのウィッチ通信が聞こえてきた。

 

『敵の再生速度は従来型の二倍を超えるわ』

 

『再生速度よりも早くつぶせばいいだけじゃん』

 

『まったく、せっかくのクリスとの休暇かがふいになった』

 

『あなたが一番に来るって言ったのよ』

 

『なっ!』

 

『先に行くよ』

 

『ま、待て!』

 

『来たか!』

 

『三人だ!』

 

『ミーナ隊長! バルクホルンさん! ハルトマンさん!』

 

この声を聞きながら思わずエイラはボソリと呟いた。

 

「再会を喜ぶのもいいけどまずこっちを手伝えよ」

 

気まずい沈黙が流れた後誰かが一つ咳払いをする音が聞こえた後坂本少佐が話し始めた。

 

『ミーナ、総攻撃だ!』

 

『わかっているわ』

 

「わかってるならもっと早くその命令を」

 

『エイラ、ちょっと黙ってて』

 

エイラの抗議の声をサーニャが遮った。

 

『第501統合戦闘航空団、攻撃開始!』

 

ミーナ中佐の号令のもと、大型ネウロイに対して総攻撃が始まった。

エイラとサーニャによって削られていたネウロイの装甲は坂本少佐以外の501部隊全員の攻撃を受けてみるみるうちに削られていった。

いくら従来型の二倍を超える再生速度を持っていても並のウィッチ相手ならともかく501のような精鋭部隊で有ればそんなものは大した障害になりはしなかった。

 

「コアが出た!」

 

「任せろ!」

 

宮藤の声にいつの間にかストライカーユニットを履いて飛んでいた坂本少佐が応えた。

 

「坂本さん!」

 

「少佐!」

 

宮藤とペリーヌが思わず叫び声を上げた。

その坂本少佐にネウロイのビームが集中する。

 

「美緒!」

 

ミーナ中佐が緊張を帯びた声を上げる。

 

「手出し無用!」

 

そういうと同時にまるで来るところがわかっているかのようにネウロイのビームを避けさらにネウロイへと迫る。

 

「何だ、あの機動は!?」

 

「攻撃を全部避けてるぞ!」

 

バルクホルンとシャーリーが驚きの声を上げる。

 

「エイラみたい……」

 

サーニャも驚いたように呟いた。

 

「少佐〜っ!」

 

ペリーヌは悲痛な叫び声を上げる。

そんな他のメンバーをよそに眉を顰めながらエイラは何かあった際にカバーできる位置に移動してもしもにそなえた。

その時、エイラは固有魔法で坂本少佐がネウロイのビームに突っ込む未来を予知した。しかし次に予知された光景によりエイラは坂本少佐の元に行くのを取りやめ憮然とした表情を浮かべながらも坂本少佐の行動を見守った。

 

「切り裂け、烈風丸!」

 

正眼に構えた刀によりネウロイのビームは切り裂かれた。

 

「今度こそ逃がさん! 受けてみよ、烈風斬!」

 

高速移動するコアが坂本少佐によって両断された。

 

「すげー、一撃だよ!」

 

それを目にしたシャーリーは目を丸くして驚いた。

 

「やった!」

 

そう言ってルッキーニはバンザイをして喜んだ。

 

「ああ、少佐〜、さすがですわ!」

 

感極まった表情でペリーヌが坂本少佐を褒め称えた。

 

「ネウロイのビームを斬るなんて初めて見た……」

 

あまりに非常識な光景にバルクホルンは絶句して立ち尽くした。

 

「やろうとした人がいないんじゃない?」

 

どこか投げやりにハルトマンがそう言った。

 

「はっはっはっはっ!ウィッチに不可能はない!」

 

この日をもって第501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズは再結成されヴェネツィアの巣の破壊と奪還に乗り出すこととなった。




援軍が到着しないって一体どれだけロマーニャが弱体化していたのやら…。
504含めた前線の穴を埋めるために予備兵力を出したと言うよりは前線の穴を埋めるために予備兵力と側面、それと首都防衛のための部隊を出したって感じなんでしょうか。ロマーニャ余裕なさすぎでしょ。
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