パンツをズボンと書き間違えまくって何度も見直す羽目になりました。…うん?
「ただの虫ではないと言うのか?」
「最初はそう思っていたんですが…」
「あの虫が通った後は全部停電してるっぽいんだよ」
坂本少佐の問いかけにリーネとエイラが答えた。
「放っておけませんわ!」
「あたしの虫だかんね!」
「このままだと基地の機能が停止してしまうかもしれないぞ!」
相変わらず恨み骨髄と言った様子のペリーヌと変わらず所有権を主張し続けるルッキーニとは対照的に真面目な顔をしてバルクホルンが言った。もっとも、あの虫に思うところがあるのは事実なようでその口調はいつもよりも冷静さを欠いているように見えた。
「そうだな。しかし、どうやって見つけるかだが」
「あたしの虫〜!」
ルッキーニの主張は黙殺され対応を考え始めた。
「私に任せろ!」
そこに、何やら変な機械を持ったシャーリーが姿を現した。
「「シャーリー」さん!」
「話は聞いた。基地内の電気の流れを調べたらどうもその虫は、停電させる前に特殊な電波を放って電線からエネルギーを吸い取ってる可能性がある」
「でもそれならどうして私達のお尻に?」
「それは知りません!」
その言葉になんとも言えない空気が部屋に漂った。
「…まぁとにかく、みんな脱いでりゃいいってことだろ?」
「ダメだ。それでは虫を捕まえられない。ところでシャーリー、その機械はなんだ?」
「ふっふーん。こんな事もあろうかと電波探知機を作っておいたのさ。しかも、そいつの電波を探知するように周波数を合わせてある。名付けて、虫探知機!」
そういうとシャーリーは虫探知機の電源を入れた。
「ほらきた。いるぞ!」
甲高い音を立て始めた機械を見ながら宮藤たちに近づくと電波が出ている方を特定しようと機械を向け始めた。
「ええ!?ち、違います!」
探知機を向けられたペリーヌが否定した。
べつに探知機が向けられたからと言ってズボンの中に虫がいるとは限らないが探知機を向けられるとお前が犯人だと言われている気持ちになったようだ。
そして探知機が宮藤の方向を向いた瞬間探知機が一際大きな音を立てた。
「いいやー!!!!!」
モゾモゾとズボンの中に虫が侵入したことにより宮藤が悲鳴を上げた。
「芳佳ちゃん…」
「あたしの虫ぃ〜」
心配そうな顔をするリーネと違いルッキーニはやっと見つけたと言わんばかりの表情だ。
「うわぁ!!」
「待て〜!」
「いや〜!モゾモゾするぅ〜」
「宮藤!脱ぐんだ!」
「嫌です!」
「観念してお脱ぎなさい!」
人前で脱ぐなどと言う恥ずかしいことはできないと逃げ回る宮藤を捕まえようとペリーヌやルッキーニが追いかける。
「え!?」
「ああ!」
狭いミーティングルームでいつまでも逃げられるはずもなく出口近くに立っていたシャーリーに勢いよくぶつかった。
「ああ!探知機が!」
倒れた宮藤から虫が飛び立つと探知機に止まった。すると探知機は音を立て煙を上げると動かなくなった。
「あそこ!」
「追うぞ!」
「…そうだ!あれを使えば…」
虫を追いかけて出ていく面々を見送りながらエイラは何か思いつきみんなとは別の方向に向かっていった。
※
「あった!これなら電気なんかなくても探せるぞ!」
部屋に戻ったエイラが取り出したのはL字型のダウジングロッドだった。
「お、来た!」
手に持った途端にダウジングロッドが反応を示した。
「え、サーニャ?」
その先にはエイラのベッドで寝ているサーニャの姿があった。
「いや、サーニャのもっともっと向こう…だよな」
サーニャのさらに向こう、つまり壁の向こう側にある廊下を指し示している可能性もあった。
「違うよな、絶対に違うよな」
しかしダウジングロッドはしっかりとサーニャを指し示していた。
「けどもしかしたらそうかもしれないから…」
エイラはサーニャのズボンに手をかけるとゴクリと生唾を飲み込むと半分ほどズボンを引きずり下ろした。
「…うぅ」
運の悪いことに黒い猫耳と尻尾を魔法力により発現しサーニャが目を覚ました。
「エイラ!!」
「と、とにかく、サーニャがネウロイの気配を感じたらしいんだ!」
頬っぺたに真っ赤な紅葉を咲かせたエイラが坂本少佐にそう訴えた。
「まだはっきりしないけど、基地の上空と…それから建物の中」
頬っぺたを赤く染めながらサーニャが続いて報告した。
「建物の中…」
「まさか、あの虫がネウロイ!?」
バルクホルンが言った。
「エイラ、サーニャ。お前たちは協力して建物の中を探してくれ」
「「了解」」
「バルクホルンとハルトマンは上空の迎撃準備」
「「了解」」
「宮藤、ついて来い!」
「はい!」
※
「見つけた」
花壇の前にいたペリーヌを見てサーニャが言った。
「へ!?」
「ペリーヌの中にいるぞ」
「えぇ!」
ペリーヌと一緒にいたリーネが驚いて声を上げた。
「いい、いないいないいないいいいいないですわ!」
「ペリーヌさん…」
必死に否定するペリーヌの様子を見てリーネが後ずさった。
「いないって言ってるでしょ!」
「だったら脱いでみろ!」
「うぅ…」
ペリーヌが嫌そうな表情を浮かべた後諦めたように口を開いた。
「わ、わかりましたわ…」
しかしペリーヌがズボンを下ろした次の瞬間、ペリーヌのお尻目掛けてどこからともなく水が飛んできてペリーヌが勢いよく飛ばされた。
「わ、わぁ〜!!!!」
「命中!」
「やったか!?」
ペリーヌに水を当てたねあろうルッキーニとシャーリーが歓声を上げた。
「虫!」
ペリーヌのお尻からフラフラと飛び立つ虫を見つけてリーネが悲鳴を上げた。
「あたしの虫ぃ〜!」
「捕まえなきゃ!」
「あっちいったぞ!」
「まてぇい!」
「ちょ、ちょっと待ちなさっ!」
倒れていたペリーヌを見る事もなく走り去っていくルッキーニ達を追いかけようとペリーヌは立ち上がったが中程まで降ろされていたズボンに引っかかりドタッと音を立てて地面に転がった。
「ペリーヌさん!?」
唯一出遅れたリーネだけが心配そうに声をかけた。
「あたしの虫ぃ〜!」
「待て!」
基地の中に入った虫を追いかけるエイラ達は途中で合流した坂本少佐と宮藤とともに最初に虫が目撃された場所、つまり脱衣所に来た。
「あそこです!」
「あそこだ!」
「そこか!」
サーニャが指差す先には服を着ている最中のミーナ中佐の姿があった。
「今ですわ!」
そう言ってペリーヌがミーナ中佐に飛びつきズボンを下ろした。
「見えた!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
一瞬何が起きたのか理解できずにポカンと口を開けた後大きな悲鳴をあげズボンを上げた。
「あれ?」
「見事だミーナ」
「さ、さすがですわ!」
坂本少佐の言葉でネウロイが撃破された事を悟ったペリーヌが誉めたたえた。
「な、なんなのいったい…」
電源が落ちていたせいでサイレンも鳴っていなかったせいでネウロイが出現していた事を知らないミーナ中佐は混乱して言った。
「あ゛だじのむじぃー!!!」
皆が喜ぶ横でルッキーニが泣き叫んだ。
「おじりに潰されたぁ!!」
長い間199機で止まっていたミーナ中佐の200機目撃墜は本人が気づかないうちに達成されることとなった。
この虫型ネウロイ撃墜よくネウロイと認められたなと書きながら思いました。
そもそも本当にネウロイかどうかも当人以外はわからないだろうし厳正な審査がされそうな気がしますけど…。