ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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ノーブルウィッチーズ。A部隊はハインリーケ、B部隊はジェニファーが好きです。皆さんはどうですか


500 over 中編

「どっちが勝つんだろう」

 

ハンガーからエイラ達が飛び立つのを滑走路から見届けるとリーネが言った。

 

「ハルトマンさん達に決まってるよ!

いくら息があってなくても二人とも世界でもトップクラスのエースなんだよ。負けるわけないよ!」

 

いつのまにかすっかりマルセイユのファンになっていた宮藤は盛大にマルセイユ達の肩を持った。

 

「そうかな。ペリーヌさんはどう思いますか?」

 

「分かりませんわ。あそこにいるのは世界でも五本の指に入るようなウィッチですからどちらが勝ってもおかしくありませんわ」

 

「バルクホルンさんはともかくエイラさんもですか?」

 

「当然ですわ。未来予知という強力な固有魔法とその固有魔法を最大限に生かすことのできるストライカーユニットの操縦技術。

これで強くないわけがありませんわ」

 

「ただそれには怪我をする前までは、という注釈がつくわね」

 

ハンガーから歩いてきたミーナ中佐が言った。

 

「それってどういう事ですか?」

 

「いくら精巧に作られていても義足は義足、両方の足に対して同じように魔法力を扱えるわけじゃないわ」

 

「ほら、やっぱりハルトマンさん達が勝つんだよ!」

 

見たことかと言わんばかりに宮藤が言った。

 

「いやそうとも限らないな。仮にエイラが万全のままだったらハルトマン達を大きく凌ぐ実力になっていたはずだ。今の状態なら互角の実力だろう」

 

坂本少佐が反論を述べた。

 

「その可能性は否定できないわね。ただまともに訓練をしていないエイラさんと最前線で飛び続けている二人とでは流石に実力に差が出てくるんじゃないかしら」

 

「だがエイラの固有魔法ならこの程度の人数、十分コントロール下に置くことができるんじゃないか?」

 

「どうかしら。本人の実力と経験次第では可能かもしれないけど流石に長く前線から離れすぎてないかしら?」

 

「それは一理あるがこの前のエイラの飛びっぷりを見ると訓練不足というにはあまりに実力が高すぎる気がするがな。

サーニャは普段エイラとよく訓練しているだろう。どう思う?」

 

「すみません怪我する前のエイラの事がよく分からないので…」

 

サーニャがエイラと一緒に飛ぶ事が多くなったのは501部隊が解体された後、スオムスに行ってからのことだった。それまでは夜間哨戒も一人で行う事が多くエイラの元々の実力をよく知らなかった。

 

「そういえばそうだったな」

 

「けどロマーニャに来る前、暫くスオムスにいた時何度か昼間にネウロイと戦ったんですけど義足とは感じないくらいスムーズに飛んでネウロイを倒してました」

 

「ふむ、まぁエイラがネウロイに遅れをとる姿は想像がつかないがやはり正確な実力はわからないか」

 

「結果を想像するのもいいけどそろそろ開始の合図をだすわ。よく見ておかないと見逃すことになるわよ」

 

ミーナ中佐の声に全員の視線が空へと向いたのを合図に模擬空戦の火蓋が切って落とされた。

 

最初に仕掛けたのはマルセイユだった。バルクホルンに向かって勢いよく突っ込むと機関銃を乱射した。それをバルクホルンは上昇することで避けるとマルセイユの背後を取り機関銃を撃つがあっさりとかわされ逆にバルクホルンの背後を取ろうと動き始めた。それを見てハルトマンがマルセイユのサポートに入ろうと二人に近づこうとするがエイラがそれを牽制する。

 

「うわぁ、よくあんな動きができるなぁ」

 

エイラからの銃撃を通常ならあり得ないような機動でハルトマンが避けたのを見てシャーリーが言った。

 

「シュトゥルムのおかげでハルトマンはストライカーユニット本来の性能ではあり得ないような動きができるからな」

 

坂本少佐が言った。

 

「けどあんな動きしてるの今まで見たことないですよ」

 

「そもそもあんな動きをしなくてもネウロイ相手なら十分勝てるからな。

機動力と言う点ではあの四人の中ではハルトマンが一番優れているだろうな」

 

話をしている間も戦闘は続く。バルクホルンとマルセイユの戦闘に介入しようとハルトマンが動くがその動きを悉くエイラが潰し、逆にエイラはその間隙を縫ってエイラはバルクホルンの援護を一方的に行うことによりバルクホルンとマルセイユの戦闘はバルクホルン優位に進んでいた。

 

「エイラさんは予想以上にいい動きをするわね」

 

「ああ。未来予知でハルトマンの動きを全て潰した上でさらにバルクホルンの援護までできるとは予想以上だな」

 

バルクホルンとエイラが協力することにより戦況を優位に進める事が出来ると予想していたがまさかエイラ単体でハルトマンを抑え込んだ上でバルクホルンの援護まで行えるとは坂本少佐も予想していなかった。

 

「終わったか?」

 

バルクホルンとドッグファイトを繰り広げていたマルセイユが突然動きを止め地上へ向かう動きを見せたのを見て坂本少佐が言った。

 

「みたいね。二体一ではエーリカも流石に勝てないわね」

 

マルセイユが被弾したのに気がついたハルトマンが両手を上げ降参の意思を示し地上に向かってきた。

 

「聞いてないぞミーナ!」

 

地上に降りたマルセイユがミーナ中佐に詰め寄った。

 

「何がかしら?」

 

「ユーティライネンの事だ!

あんなのハルトマンや私ぐらいの実力があるじゃないか!」

 

なぜ事前に話さなかった。とマルセイユが食ってかかった。

 

「ごめんなさい、別に隠してたつもりはないのよ。怪我をして以来あまり空を飛んでなかったから私達もあそこまで強いとは思ってなかったのよ」

 

「怪我の話は私も聞いた。それ以来あまり戦果も上げていないようだったから忘れかけていたが…」

 

「つっかれた〜」

 

「お疲れ様ですエイラさん」

 

そう言って宮藤が水を手渡した。

 

「ユーティライネン」

 

「ん、なんだ?」

 

「2年ほど前に足を怪我したと聞いて以来大きな戦果を上げた話を聞いていない。てっきり後遺症でもあるのかと思っていたがその分だとただ階級が上がって出撃機会が減っただけだったみたいだな」

 

「アフリカの星と呼ばれるマルセイユに褒められるなんて光栄だな。けど後遺症は残ってるよ。今だってハルトマンを足止めするので精一杯だったしな」

 

「…!後遺症が残っているとは思えない動きだった」

 

「バルクホルンのおかげだよ。私はただハルトマンの足止めをしてただけだからな」

 

「よく言うよ。私を足止めしながらマルセイユの事も撃ってたくせに」

 

ハルトマンが胡乱げな目でエイラを見ながら言った。

 

「あれはろくに狙いもつけず適当に撃ってたからな。マルセイユも脅威には感じなかったんじゃないか?」

 

「避けれないことは無いがあれが無ければあの堅物に負けることはなかったさ」

 

「負け惜しみはよせ。カッコ悪いぞ」

 

地上に降りてきたバルクホルンが言った。

 

「なんだと?」

 

「エイラの援護があろうが負けは負け。潔く認めたらどうだ」

 

「ユーティライネンの援護が無ければお前のヘナチョコショットに当たることなんかなかった」

 

悔しげにマルセイユが言った。

 

「仮定の話ならなんとでも言えるな」

 

「なんだと!なら今ここで証明してみるか?」

 

「望むところだ!ミーナ、合図を頼む」

 

「ダメよ。トゥルーデはともかくマルセイユさんは任務への参加が決まっている以上無駄に負傷する可能性を上げる必要はないわ。

今日の模擬空戦だってエイラさんがどうしてもって言うから許可したのよ。これ以上は認められません」

 

「…わかった。命拾いしたなバルクホルン」

 

「そっちこそ」

 

今にも掴みかかりそうになりながら言った。

 

「最悪わたしが…」

 

「やめておけエイラ」

 

せっかく収まった矛を再び剥き出しにするような事を言おうとしたエイラを坂本少佐がなだめた。




個人戦ならともかくタッグマッチだとエイラに軍配が上がるかなと思いました。
この段階じゃハルトマンとマルセイユの域もあって無いですしね。
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