ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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今日、寝ながら下唇を噛むと言う意味のわからないことが起きました。しかも口内炎できてるところだったからメチャクチャ痛くて飛び起きました。まだ眠かったからそのまま寝たんですけど夢の中でも唇痛くて朝起きて鏡で顔を見たら口の端に少し血が付いて固まってました。
寝言でも言ってたのかなぁ。


天空より永遠に

「無理です!坂本さんにはもう魔法力が!」

 

その言葉にエイラ以外の飛行甲板にいたメンバーが驚いて宮藤を見た。

 

『知っていたか宮藤。そうだ、私には最早飛ぶだけの魔法力しかない』

 

そこに坂本少佐を追い抜いたミーナ中佐が銃口を向けた。

二人ともインカムの電源を切ったようでなにを話しているのか宮藤達が把握する事はできないが坂本少佐を止めようとしているだけは確かだった。

 

「バルクホルン、ハルトマン。まだ戦えるだけの余裕はあるか?」

 

「そう長くは持たないが…どうするつもりだ。今更少佐の援護に向かったところでなにもできないぞ」

 

「少佐が魔導ダイナモの起動に成功するにしろ失敗するにしろ後始末はする必要があるだろ」

 

坂本少佐が大和に向かい始めた時から艦隊は進路を変え再びネウロイの巣に近づこうとしていた。

 

「後始末…か」

 

そう言うとバルクホルンは頷いた。

 

「わかった。行くぞハルトマン」

 

それにシャーリーが待ったをかけた。

 

「私も行きます!」

 

宮藤がそう声を上げるのに続いて他のメンバーも名乗りを上げた。

 

「ダメだ。お前らは魔法力がもう限界だろ。

ここで待機しろ。これは命令だ」

 

エイラはそう言うとバルクホルンとハルトマンに声をかけ飛行甲板から離陸していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中佐、大和の様子はどうだ」

 

上空を飛んでいたミーナ中佐の元に辿り着いたエイラは開口一番尋ねた。

 

「少佐が大和に到着したのは確認したわ」

 

「なら後は魔導ダイナモの起動を待つだけか」

 

魔導ダイナモが起動するまで時間はかからなかった。

大和がネウロイ化すると主砲の仰角が上がり轟音を上げて砲弾が発射され大きな爆発と共にヴェネツィア上空を覆っていた雲ごとネウロイの巣を吹き飛ばした。

 

『ネウロイの反応、消滅』

 

魔導針で様子を伺っていたサーニャが言った。

 

「美緒…」

 

いくら大和が頑丈とはいえこれほどまでの爆発で無事だとは考え難く誰もが最悪の事態を覚悟していた。

 

「あっ!」

 

ハルトマンが何かに気付いて指差した。

その先にはネウロイの爆発によって生じた煙の隙間から僅かに見える戦艦大和の艦尾があった。

 

「やったぞ!」

 

「大和が無事なら少佐も無事だな」

 

皆がそう安堵していた時、ミーナ中佐が気付いた。

 

「…おかしいわ。ネウロイ化が解けてない」

 

本来ならとっくに解けている筈のネウロイ化が解けておらず大和はネウロイと化したままだったのだ。

 

『ネウロイの反応が復活!』

 

「なんだって!?」

 

「そんな…まさか…」

 

徐々に晴れてきた煙の先には真っ赤な、そして巨大なネウロイのコアがあった。

同時にコアの周辺では新たに無数のネウロイが生み出されつつあった。

そしてコアの周辺にいた6つのネウロイが赤く光ると巨大なビームを戦艦に向かって浴びせかけた。

 

「戦艦が一撃だ!」

 

コアから発射されたビームは戦艦を真っ二つにした。

 

『あ、あれは!』

 

『少佐!』

 

ネウロイのコアをよく見ると手足をコアに取り込まれた坂本少佐の姿があった。

 

『少佐を救え!主砲斉射!』

 

坂本少佐に気付いた艦が次々と主砲を発射したがそれらは全てコアの手前で止められることとなった。

 

「シールドだ!」

 

その正体に気付いたハルトマンが叫んだ。

 

「ネウロイがシールドを張った!」

 

「あのシールドは…」

 

『扶桑のシールド!』

 

国や地域によってシールドに浮かぶ文字ば少し違う。ネウロイのコアが使うシールドは宮藤にとって最も馴染みのあるシールドだった。

 

「間違いないわ!ネウロイは…少佐の魔法力を利用しているのよ!」

 

「…中佐、艦隊の撤退を援護するぞ」

 

「何を言っているのエイラさん!あそこにはまだ美緒があるのよ!」

 

エイラの言葉にミーナ中佐は目を剥いた。

 

「わたし達には坂本少佐を救出するだけの魔法力はもうない。撤退を援護するくらいが精一杯だ」

 

「でも…」

 

「この艦隊が壊滅したらアドリア海の制海権は失われる。そうなるとロマーニャ全土を放棄しなくちゃならなくなるんだ。それだけは絶対に避けないといけない」

 

そう言われてもミーナ中佐は坂本少佐を見捨てることになる決断を下すことができなかった。

その間にもヴェネツィアの戦艦リットリオが撃沈されていた。

 

「中佐!」

 

「…わかったわ」

 

『何をしてるの芳佳ちゃん!』

 

『坂本さんを助けに行くの!』

 

突如聞こえてきた不穏な会話にエイラ達は天城の甲板に目を向けた。

 

「宮藤お前も残りの魔法力は少ないだろ!一体どうやって助けるって言うんだよ!」

 

『真・烈風斬ならあのネウロイも倒せます!』

 

『それは少佐の技でしょう』

 

ペリーヌが言った。

 

「それに烈風丸はもうないのよ」

 

ミーナ中佐の言うように烈風斬とは烈風丸だからこそ撃てるのであって通常の刀では撃つことができなかった。

 

「あります!あそこに、大和の上に!」

 

そういう言うと宮藤は魔法力を発現し飛行甲板を滑空し始めた。

 

「無理よ飛べるはずないわ」

 

「いくら宮藤でもあんだけ大きなシールドを張り続けたんだ、飛べるはずが…」

 

ミーナ中佐とエイラの言う通り、宮藤は右に左にヨロヨロとよろけてとても飛べそうになかった。

 

「飛んじまえ宮藤!」

 

「いっけ〜芳佳!」

 

「頑張って、芳佳ちゃん!」

 

シャーリー、ルッキーニ、サーニャが声援を送る。

 

「宮藤さん!思い出すのよ!」

 

「ストライカーと一つになるの!」

 

ペリーヌとリーネも声援を送る。

 

「うあぁあ!!!」

 

大きな声と共に宮藤は天城から飛び立った。

 

「何故宮藤さんは飛べたの…」

 

長く戦い続けてきたミーナ中佐達のように経験豊富な古参ウィッチならばどんな大きな戦闘でもその経験から多少の余裕を残して戦う。だから今ここで飛ぶことができている。

しかし宮藤のように経験豊富とは言えないウィッチが、間違いなく魔法力が枯渇していた筈の宮藤がこうして飛んでいることが信じられなかった。

 

「それが宮藤だミーナ」

 

ミーナ中佐の疑問にバルクホルンがそう答えた。

 

「宮藤だけじゃないかも〜」

 

そう言ってハルトマンが天城の飛行甲板を指し示した。

 

「貴女達!」

 

その先にはエレベーターから上がってくるストライカーを履いたウィッチの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『逃げろ宮藤!』

 

坂本少佐救出のため必死にコアに近づこうとする宮藤の耳に突如坂本少佐の声が聞こえ思わず宮藤は動きを止めた。

 

「坂本さん!?」

 

『無理だ宮藤諦めろ!ネウロイは私の魔法力を使ってシールドを張っている!倒すことなど不可能だ!』

 

「ウィッチに不可能はありません!坂本さんがそう言ったんじゃないですか!」

 

宮藤の前に立ち塞がるネウロイが突如爆発、四散した。

 

「え!?」

 

宮藤が振り返るとそこには501のウィッチたちが並んでいた。

 

「芳佳ちゃん!」

 

「私たちもいますわよ!」

 

「行くわよ!坂本少佐救出のため、宮藤さんを援護します!」

 

ミーナ中佐の号令の下、第501統合戦闘航空団は編隊を組んで突撃を開始した。

 

「貴女の可能性を信じるわ。ネウロイを倒して、宮藤さん!」

 

「さっさとやっつけちゃおうぜ、宮藤!」

 

シャーリーがネウロイを倒して宮藤のための道を作った。

 

「私達が道を切り開く。行け宮藤!」

 

バルクホルンが二丁のMG42でネウロイを薙ぎ払った。

 

「宮藤なら楽勝だよ〜」

 

ハルトマンもまたシュトゥルムで宮藤の障害となるネウロイを排除する」

 

「頼みましたわよ、宮藤さん」

 

ペリーヌがトネールで周囲のネウロイを撃破した。

 

「芳佳ちゃんなら大丈夫!」

 

サーニャが宮藤の正面にいるネウロイをフリーガーハマーで一掃する。

 

「宮藤、わたしについて来い。一番安全で一番早いルートで大和に辿り着かせてやる」

 

スッと背後から宮藤を追い抜いたエイラがそう言って宮藤の前に出た。

 

 

「いっけ〜芳佳!」

 

ルッキーニネウロイを倒しながら手を振った。

 

「頑張って、芳佳ちゃん!」

 

その声と共にエイラ達の正面にいたネウロイをリーネが射抜いた。

 

「宮藤進路を左にそれて大和の艦橋スレスレを通って艦首に向かうんだ」

 

エイラの言葉に従い宮藤が進路を変えると視界の隅でエイラがネウロイを一機倒したのが目に見えたがそれに構うことなく艦首に刺さる烈風丸に宮藤は向かって行った。

 

それを見送ったエイラはこの後宮藤から放たれる烈風斬の衝撃とネウロイ巣の破壊の衝撃に備えるべく大和の周辺より離脱を開始した。

 

「…宮藤には悪いけどこれ以上援護する魔法力はわたしには残ってないんだ」

 

本当ならば宮藤が烈風斬を放つ直前まで援護をしてやりたいが流石のエイラの魔法力も限界が近く巣を破壊する衝撃に巻き込まれた際上手く回避できる自信がなかった。

 

ネウロイの攻撃をスイスイと避けながら他の隊員の近くに退避していくエイラの背後で、大きな爆発が起こりエイラは空中で錐揉み状態になって吹き飛ばされた。

なんとか体勢を整えるとエイラの耳にサーニャの声が聞こえた。

 

『ネウロイ、完全に消滅しました』

 

『二人は!?』

 

『あそこ!』

 

真っ先に気付いたのはリーネだった。

コア破壊の衝撃により天高く築き上げられていた宮藤と坂本少佐が落下してきていた。そして宮藤の足からはストライカーユニットが脱げ落ちていった。

 

「芳佳ちゃ〜ん!」

 

リーネが勢いよく宮藤に飛びつき続いてペリーヌが坂本少佐に向かって飛びついた。

 

「美緒…」

 

ミーナ中佐がゆっくりと坂本少佐の元に近づく声をかけた。

 

「ミーナ、命令通りだ。私は帰ってきた」

 

その言葉にミーナ中佐の瞳から堰を切ったように涙が溢れ出しそのまま坂本少佐の胸元に飛び込んだ。

 

「おかえりなさい、美緒!」

 

「やった〜!!!!ネウロイが消えたよ!!!!ヴェネツィアが解放された!!!!ロマーニャが守られたよ〜!!!!!」

 

ルッキーニがネウロイの破片が舞い散る中はしゃぎ回る。

 

「終わったな」

 

その姿を見て坂本少佐が感慨深げに言った。

 

「ええ」

 

ミーナ中佐が頷くと言った。

 

「任務完了、第501統合戦闘航空団。帰投します!」

 

1945年7月。ヴェネツィア上空のネウロイの巣の完全消滅が確認された。

これを以って第501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズは解散することとなった。




ネウロイが張ったシールド、坂本少佐のシールドと言われてますけど個人的に魔法力は魔導ダイナモが元なのかなって思ってます。

一つ目の理由としてはそもそも坂本少佐は魔法力が殆どなくあれほど多くのシールドを展開する能力があったとは考えにくいからです。
初めて見た時は無理矢理搾り取ったのかなぁとか思ってました。だから坂本少佐の魔法力が完全に枯渇したのかなあなんてことも考えてました。

二つ目の理由としてはシールドの色です。
赤色のシールドを張るウィッチって現状いませんし赤と言えばネウロイ。そしてネウロイと同化していた坂本少佐、ネウロイ化した大和のうちどちらの方が魔法力を持っていたかと言うとそれは大和なのではないかと言う結論からあのシールドの魔法力は大和、坂本少佐はシールドを展開するための装置だったのではないかと思っています。
大和は水源で坂本少佐はシャワーノズルですかね。ちなみにその間にあるホースとかはネウロイのコア。
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