「1マリ!」
「1マリ!」
「2マリ!」
「2マリ!」
「3マリ!」
「3マリ!」
「4マリ!」
「4マリ!」
「5マリ!」
「5マリ!」
「6マリ!」
「6マリ!」
「7マリ!」
「7マリ!」
「対よろですわ!」
「対よろ!」
オムナスが禁止された。きっと健全な環境になると、そんな期待があった。しかし、世界は滅んでいた。一周回って北斗ACのような面白さが出てきたMTGAをドリルとモノポリーは好きなように遊ぶと決めた。
つまるところ、深夜テンションだった。
「わたくしの先攻! 先攻はドローがないためハンドは0枚のままですわ! ターンエンド!」
「よし、後攻! ドロー! 土地じゃないから何もできないよ、エンド!」
マリガンを7回するということは、初期手札が0枚になるということである。今引き大会、ディスティニードロー祭り。そういうことだ。
2ターン目先手、ドリルのドローは《死者を目覚めさせる者、リリアナ》*1。4マナ必要だ。何もできない。
後手、モノポリーは《次元間の標》*2を置き、ターンエンド。
3ターン目先手、ドリルのドローは再び《死者を目覚めさせる者、リリアナ》。勿論何もできない。
後手、モノポリーは《島》を置いてターンエンド。
「いーまっひき! いーまっひき!」
「島最強! 島最強!」
この時、両者ともに素面である。
4ターン目先手、ドリルのドローは《大群への給餌》*3。マナが出ないので何もできない。
後手、モノポリーは《精神石》*4を唱えた。これで次のターンから3マナ出る。
「いーまっひき! いーまっひき!」
「マナアーティファクト最強! マナアーティファクト最強!」
5ターン目先手、ドリルのドローは《沼》。これを置き、ターンエンド。まだやれることがない。
後手、モノポリーは《島》を置き、《結晶の巨人》*5を唱えた。警戒カウンターが載り、ターンエンド。
「ぶん回りすぎハムスターですわよ!」
「観覧車乗りたい! 観覧車!」
6ターン目先手、ドリルのドローは《帆凧の掠め盗り》*6。マナが足りないので何もできない。ターンエンド。
後手、モノポリーの《結晶の巨人》に先制攻撃が載る。そのまま攻撃。ドリルは残り17点。
7ターン目先手、ドリルのドローは《残忍な騎士》*7。マナが足りないので何もできない。ターンエンド。
後手、モノポリーは《パラジウムのマイア》*8を唱えた。もうマナが止まらない。さらに《結晶の巨人》に飛行が載った。殴って残り14点。
「まだ勝てますわ! まだ勝てますとも!」
「まだまだいけるよ!」
「お楽しみはこれからですわ!」
8ターン目先手、ドリルのドローは《穢れ沼の騎士》*9。ようやく動ける。早速唱え、ターンエンド。
後手、モノポリーは《ザルファーの虚空》*10を置き、占術はボトム。さらに2枚目の《結晶の巨人》を唱えた。
「てめえイカサマしやがりましたわね!」
「デジタルで7マリしてイカサマできたらそれはもうTASなんだよなあ!」
「TASは金髪幼女、つまり貴様は金髪幼女ですわ!」
「自己紹介じゃん!」
「どうも、金髪幼女でしてよ!」
「お前は金髪幼女ではないが?」
「じゃあお前が金髪幼女!」
1枚目の《結晶の巨人》には呪禁、2枚目には到達が載った。1枚目で殴り、残り11点。
9ターン目先手、ドリルのドローは《死住まいの呼び声》*11だ。マナが足りないので何もできない。
後手、モノポリーは2枚目の《ザルファーの虚空》を置いた。占術はボトム。そして《精神石》を起動、1マナと生贄で1ドローだ。引いてきた《宝物の地図》*12を置き、起動して占術はトップ。
戦闘。1枚目の巨人には+1/+1カウンターが、2枚目の巨人には威迫が載った。両方で殴り、残り4点。
「見慣れた盤面ですわね!」
「見慣れた盤面だね!」
「勝ってる奴が言うんじゃありませんわよ! はっ倒しますわよ!」
「まあドリルちゃんは今から私に倒されるんだけどね!」
「ひん剥いてやる……!」
10ターン目先手、ドリルのドローは2枚目の《穢れ沼の騎士》。あまり意味はないがとりあえず唱えておく。
後手。絆魂まで載った《結晶の巨人》に腹パンされ、無事ドリルは死亡。南無三。
「対ありグッゲー! クソゲーをクソゲーにするのは気分がいいですわね!」
「対あり! クソゲーのことクソゲーって言うのやめなよ!」
クソゲーではない。環境が荒れているだけである。きっとそう。
「1マリ!」
「1マリ!」
「2マリ!」
「2マリ!」
「3マリ!」
「3マリ!」
「4マリ!」
「4マリ!」
「5マリ!」
「5マリ!」
「6マリ!」
「6マリ!」
「7マリ!」
「7マリ!」
「対よろですわ!」
「対よろ!」
2ゲーム目。
「私の先攻だよ! ドロー権がないからハンドは0のまま! エンド!」
「全裸ですわね!」
「裸の付き合い!」
「つまりセックス!」
「違う!」
後手、ドリルのドローは《沼》。置いてエンド。
2ターン目先手、モノポリーはドローしてエンド。
後手、ドリルのドローは《大群への給餌》。マナが足りない。エンド。
3ターン目先手、モノポリーはドローしてエンド。
後手、ドリルのドローは《沼》。置いてエンド。
4ターン目先手、モノポリーはドローしてエンド。
「あああ事故ったあ!」
「ざまあみそらしどですわ! 恨むならWotCをお恨みになって!」
「くっそー、うっあー!」
後手、ドリルのドローは《沼》。置いてエンド。
5ターン目先手、モノポリーはドローしてエンド。まだ0マナだ。
後手、ドリルのドローは《穢れ沼の騎士》。インスタントとして唱え、3マナで1ドローと1点ライフ喪失。引いてきたのは《死者を目覚めさせる者、リリアナ》だ。かなりいい引きをしている。ただしマナは足りない。
6ターン目先手、モノポリーは《草むした墓》*13をタップインした。つまり、1マナで動きが何もないのだろう。
「日頃の行いだよねやっぱ! 神様ありがとう!」
「その神様、このターンまで土地くれませんでしたわよ」
「エルドラージめ、滅べ!」
後手、ドリルのドローは《沼》。これを置き、4マナ出る。《死者を目覚めさせる者、リリアナ》を唱えた。早速忠誠度能力を起動。効果は「各プレイヤーはそれぞれカード1枚を捨てる。そうできなかった各対戦相手はそれぞれ3点のライフを失う」だ。
「あーっ! やってくれるじゃん!」
「オラッ、ハンドお捨てになって!」
ドリルは《大群への給餌》を、モノポリーは《イゼット副長、ラル》*14を捨てた。
7ターン目先手、モノポリーは《手付かずの領土》*15を置き、クリーチャータイプは「ハイドラ」を指定した。
後手、ドリルのドローは《ロークスワイン城》*16。これを置き、《死者を目覚めさせる者、リリアナ》を起動。ドリルは手札0枚のため捨てる必要がなく、モノポリーは《浄化の輝き》*17を捨てた。
そしてドリルは《ロークスワイン城》を起動。引いてきたのは《沼》。1点ライフを失い、ターンエンド。
「このレギュレーションでハンデスは禁止、禁止だよ!」
「じゃあカウンターも禁止ですわね!」
「は?」
「は?」
8ターン目先手、モノポリーは《ギルド門通りの公有地》*18を置き、ターンエンド。
後手、ドリルのドローは《虐殺のワーム》*19だ。《沼》を置き、これでちょうど6マナ。《虐殺のワーム》を唱える。もったいないが、軽量クリーチャーが出る気配もないし、温存していてもしょうがない。
そして《死者を目覚めさせる者、リリアナ》でハンデス。ドリルの手札は0枚、モノポリーは《ドミナリアの英雄、テフェリー》*20を捨てた。
「あら、テフェリー捨ててよろしいの?」
「テフェリー捨てるしかないんだよ! くっそー……勝ってやる……」
「楽しみですわね。罰ゲームとかありますかしら。全裸で盆踊り、ドジョウ掬い、コサックダンス……」
「罰ゲームに近いのドリルちゃんのほうだからね?」
「じゃあやめておきましょう」
「性格う!」
《穢れ沼の騎士》で殴り、1点ダメージを与えて残り19点。
9ターン目先手、モノポリーは《秋の騎士》*21を唱えた。選んだ能力はライフ4点ゲインだ。これで23点。
後手、ドリルのドローは《葬儀》*22だ。まずはこれを唱える。引いてきたのは《悪魔の抱擁》*23と《アガディームの覚醒》*24だ。早速《悪魔の抱擁》を《虐殺のワーム》につける。9/6飛行。
「あーもう最低! 最悪! 黒は性格悪い! あほ!」
「性格いいやつはMTGやらないんですのよ!」
「それはそう!」
「そしてわたくしは性格がいいんですのよ!」
「それは嘘!」
「は?」
「は?」
そして《アガディームの覚醒》を土地としてタップインし、手札を使い切ったところで《死者を目覚めさせる者、リリアナ》を起動。モノポリーの最後の手札、《ハイドロイド混成体》が墓地に落ちた。
「畜生……あんまりだよ……」
「勝ったながはは。風呂食って飯入ってきますわ!」
「お腹壊して死んじゃえ」
「無敵のポンポンを持っておりますのよ、わたくしは。便秘極まって手術してからめっちゃ快便ですの」
「今日はまだ排泄物ネタなかったのに! なかったのにさ!」
《穢れ沼の騎士》と《虐殺のワーム》で攻撃。ブロックはせず、10点ダメージして残りは13点。
10ターン目先手、モノポリーは《彩色の灯籠》*25を置いた。マナは出る。動きがない。《秋の騎士》で《死者を目覚めさせる者、リリアナ》を攻撃し、リリアナの忠誠度は残り5。
後手、ドリルのドローは《葬儀》。《帆凧の掠め盗り》と《スカイグレイブの災い魔》*26を引き、《沼》と《死住まいの呼び声》が落ち、そして2点ライフロスして残り14点。引いてきた2枚を唱える。これでドリルの盤面には《穢れ沼の騎士》、《虐殺のワーム》、《スカイグレイブの災い魔》、《帆凧の掠め盗り》が並ぶことになる。
さらに《死者を目覚めさせる者、リリアナ》を起動。
「さて、捨てるカードの準備はよろしいかしら」
「くっ、殺す!」
「違うんですわよね、そのネタは殺せって言うはずなんですわよね。まだ戦意喪失してないじゃありませんのその女騎士。オークの竿噛み千切りますわよね絶対」
「下品なのよくないよ、ドリルちゃん」
「糞が……かまととぶりやがって……」
手札を捨てられなかった対戦相手は3点のライフを失う。残り10点。
《穢れ沼の騎士》と《虐殺のワーム》を合わせて10点のダメージ。勝利である。
「対ありグッゲーですわ。このレギュでハンデスは禁止ですわね実際」
「対ありグッドゲーム。墓地が肥えないし、ハンデスできないし、よく黒使えてるね」
「わたくしは黒しか使いませんわよ」
「えっ」
「えっ」
「……もう一戦やる?」
「まあ、うん、満足しましたわ」
お祭り終了。