チルノの学校生活   作:ヤングコーン

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2日前に手渡された作文用紙
来たる提出日、朗読発表が決定される
ななめ読みの小説、突貫工事の感想文
不安に曇る心を払いチルノは文章を読み上げる


8話 読書感想文、朗読

私はルーミアの手を握って一緒に飛んだ。飛翔速度は私の方がわずかに早いので私が引っ張るような形だ。寺子屋の庭に着くと私が先に着地した。よし、まだ先生は来ていない。

 

リグルが私達に気付くと窓とドアを開けてくれた。私は靴を脱いで窓とドアを抜け教室に入る。ルーミアも遅れて入った。靴はバッグに入れて隠した。

 

「これは貸しだからね、チルノ」

 

リグルはニヤニヤしながら手をひらひらした。

 

「はいはい」

 

「もう、2人とも遅いよ。こんな事いつまでも続かないんだからね」

 

みすちーは口をとがらせている。いつもの事だ。

 

「私が迎えに行こうか?」

 

大ちゃんがニコニコ笑う。嬉しい誘いではるのだけれど、大ちゃんが寺子屋に行くのは割と早い時間。先に行って予習したり質問する所を考えたり、先生の手伝いをしたりしている。私は何と言うかその…そこまで殊勝ではない。

 

それほど時間感覚がきっちりしてる風でもないリグルが遅刻する事がないのが不思議だ。

 

「ううん、やめておくよ。それで、皆作文はできた?」

 

それぞれがうなずく中、意外に微妙な表情なのはみすちーだ。

 

「あれ、みすちー終わってないの?」

 

「うん…、時間が足りなくて」

 

「あー。あれか。やめたいっていうアレ?」

 

みすちーが首を傾げた。

 

「ほら、みすちーがやってるあの屋台の仕込みとか…」

 

「私、やめたいなんて言ったかな…」

 

どうも会話が繋がらない。大ちゃんが手をポンと叩いた。

 

「チルノちゃん、やめたいじゃなくて八目鰻だよ。うふふ」

 

みすちーとリグルも笑い出した。ルーミアは二人が笑っているのを見て雰囲気で一緒に笑う。くぅ…何という屈辱。先生、早く来ないかなぁ。あんな風に書いてやつめうなぎって読むのね…。

 

そう思っているとすぐにドアが開いた。先生、グッドタイミング。すぐに点呼を取ってから授業を始める。作文が完成していないと言う事もあってそわそわしていた。そして、この読書感想文…朗読すると言う事になった。地獄かな?

 

他の生徒の発表の間、あまりに盛り上がらなかったので適当に茶々を入れたりしてみたが先生にチョークを投げられてしまった。皆退屈してるって。

 

リグルの番だ。発表は明るくはきはきと、可もなく不可もないと言った文章を読み上げていた。先生はにこやかに拍手していた。ちなみに読んでいた本は「バッタの生態」と言うもの。先生、小説かエッセイだったんでは…。

 

大ちゃんの番だ。いつも大きな声で話す事はないので、大きな声がとても新鮮だ。本のタイトルは「シャーリンソンは夜も眠れない」と言うもの。世界中のどこへ行っても追いかけてくる母の再婚相手の男を撒いて、途中で会った公爵と恋に落ちて…と中々アレな内容の様だ。先生も読んだ事があるらしく、当時の情勢を知らないと描写について誤解してしまったり混乱したりする難しい内容なんだとか補足してくれた。それにしても5枚も書き上げてくるなんて…。凄い。

 

私の番だ。なるようになれ。怒涛の引用と、~と思うの連発で、リグルは必死に笑いをこらえている。仕方ないでしょ、急ピッチで仕上げたんだもの。くそう、序盤のハードルが低い所で発表したかった。

 

「しっかり読んだんだろうな」

 

「読みました」

 

「再提出」

 

「ですよね」

 

私は座りながらリグルの頭を叩いた。リグルは笑い過ぎて苦しそうにしている。

 

私が座ると次の出番はみすちーだった。彼女は立ち上がるときまりが悪そうにしている。先生が首をかしげていると覚悟を決めた様に言った。

 

「すみません、間に合いませんでした」

 

「ちょっと見せてもらっていいか?」

 

みすちーは途中の作文用紙を渡す。少し眺めていたが頷いて返した。

 

「中身は非常にいいが、限られた期間内でこなせるようにならないとな。完成を楽しみにしている」

 

そう言ってそのまま返した。頭突きはなし、一体どんな内容なんだろう。

 

次はルーミアだ。とても自信満々だけれど…。彼女は元気よく作文を取り出した。しかし、いつまで経っても文章を音読しない。

 

「ルーミア、音読してくれ」

 

「言葉、言葉、言葉」

 

日頃の声からは想像できないほど凛々しい声で言い切った。

 

「ハムか」

 

「いえ、大根でございましょう。それとも何か、リンゴでも磨けばいいのか」

 

けーね先生はルーミアの元に行って頭突きをした。無茶しやがって…。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

下校時間。私はにとりの所に用事があって向かった。何か私に用があるらしくリグルと一緒だ。にとりは家の前で倒れている。私は駆け寄った。

 

「にとり、にとり!!」

 

「あうう…」

 

「死んでる…!!」

 

「生きてるよ」

 

チョップされた。何も叩かなくてもいいじゃん。

 

「水、水を…」

 

リグルは聞くなり走って水を取りに行き、持って来た。それを飲んで息をついた。…ちょっとだけ、頭にかけるんじゃないかと期待していた自分がいた。まだぼーっとしている様なので家の中に入れた。

 

ちゃんと話ができるまで時間がかかりそうだ。家の中は暑く、私の家まで連れて行こうと思ったがどうしてもここが良いのだと言う。返事も曖昧でそれからはまた眠ってしまった。

 

このままにしておく訳にはいかないし、起きるまでは傍にいる事にした。

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