1.その男、阿呆。
四月某日 時刻 一〇〇〇ぐらい 執務室
巧「突然だが諸君、指揮官の
と、巧は執務に両肘をつけ顔の前で手を組む。
隣には秘書艦のベルファストが不安げな顔で巧を見ている。
巧「君たちに昔話をしよう。そうだな....あれは今から三十年....いや三年二月二週三日と二時間三十四分二十一秒前だったか。私はこの対セイレーンの最前線に着任した。この最前線ではいろいろな個性を持ったKAN-SEN達と共に戦ってきた。そして一年ほど前にセイレーン達相手に勝利をもぎ取った。しかし!しかしだ!!!!私にはまだ悩みがある。そう、この母港には加賀が二人いる。ああ、そうとも。みなまで言うな。この二人の加賀だが....空母加賀と戦艦加賀だ。なに?加賀は空母だけじゃないか。だと?まあ、そういう反応は、正直言って正しい。しかし、この戦艦加賀は、もしも八八艦隊計画が実現していたら。のif艦である。まあ、空母加賀が姉と慕っている(裏では呼び捨てしている)のは赤城の姉である天城の部品を流用しているからのようだ。赤城と繋がりのない戦艦加賀は赤城を軽く扱っているようだが、天城の部品を流用していないからなのだろう。よくは知らん。踏み込んで聞くことでもない。まあ、天城は病弱でな...出撃はさせていない。倒れられてはこの母港の戦力がガタ落ちする....それでだが」
ベルファスト「....ご主人様?急に独り言を話し出したと思えば、加賀様や赤城様、天城様についてなぜそんなに虚空に向かって語っておられるのですか...?」
悪いものでも食べたのではないかと心配になったのであろうベルファストが不安げな表情でこちらを見つめている。
巧「ん?いや、ちょっとした気の迷いだ。心配かけてすまないな。」
ベルファスト「いえ、日々の執務でお疲れのようですので、今日の執務は私が致しますのでご主人様はお休みをしていただければ。」
巧「....そうか?わかった、今日は天城と将棋を指す約束でな...ベルファスト、本当に助かる。ありがとうな。」
そういってベルファストの手を握り、
巧「期待してるぞ。」
ベルファスト「.....!」
と声を掛けて天城の元へと向かう。
当のベルファストだが、巧の前では表情を崩さなかったものの指揮官が出て行ったあと握られた手を見て顔を赤くする。
ベルファスト「自覚してないってこういうことを言うんですよ、ご主人様....」
抱いていたその心は淡く儚いものなのである。この話はまた、どこかで....
時刻 一〇三〇 重桜艦寮
巧「天城、起きているか?」
天城「はい、起きていますよ...こほっ...こほっ...」
巧が重桜艦寮の天城の部屋(空母加賀と赤城達との相部屋)に訪れると天城が体を起こし巧を出迎えるがせき込んでしまう。
巧「天城、あまり無理をするな。体に障るぞ?」
天城「ふふ。やはり指揮官様はお優しいですね。」
巧「.....俺はそう言われるほどやさしい人間ではないよ。」
天城に微笑まれ少しドキッとした巧は紛らわすように目を逸らしながら答える。
阿笠巧にも過去にいろいろとあったのだ。
聡明な天城のことだ。多分理解しているのだろう。詮索してくることはなかった。
天城「それはそうと、指揮官様。私と将棋を指してくれますよね?」
巧「ああ、もちろんだ。約束だからな。俺はそこまでいい指し手ではないからお手柔らかにな?。」
そうして、巧は天城と将棋を指す。
二人の顔は真剣そのもので将棋を指した音が部屋の中に響く。
天城「指揮官様、王手です。」
そういって天城が駒を指すと巧は困った笑みを浮かべる。
巧「やられたな。流石天城だ。恐れ入った。」
天城「いえいえ、指揮官様もなかなかでしたよ?」
天城は嬉しそうに笑顔を巧に向けると巧はまたもドキッとして目を逸らす。
一局終わったところで空母加賀と赤城が入ってくる。
赤城「あら、指揮官様。いらしてたのですか?お越しになるのなら私もご一緒しましたのに。」
加賀「つれないな指揮官。私が誘っても将棋は指さないのに天城姉さまとは指すのか?」
あれぇ?おかしいなぁ?俺そんなこと言われてないなぁ?
巧「いや、何のことかは知らんが...いいだろう。そんなに俺と指したいなら受けて立とう。」
天城「あらあら...指揮官様も血の気が多いのね?」
赤城「まったくですわ。私がこんなにも指揮官様のことを想っていますのに...」
うるせぇ!そんなに慕ってるんだったら明石にでも好感度チェッカーを作ってもらって調べてやんよ!だがな、今は大事な時だ。口出しは無用。なに?そんなこと言ってないでとっとと始めろ?うるせぇ!今始めるとこだボケ!
加賀「それでは始めようか、指揮官?」
好戦的な加賀は舌なめずりをするように告げるが巧が一言付け加える。
巧「待て加賀。何も普通にするだけでは面白くない。お前が日ごろ口にしている通り、ここは
加賀「ほう?いいのか指揮官?」
赤城「......ガタッ」
赤城が何やら急に騒ぎ出したような気がしたが、天城がいるため変なことはしないだろ....多分...
巧「?ああ、男に二言はない。」
加賀「そうか。ならば私は全力でやらせてもらう!」
巧「こいッ!加賀ッ!!」
十数分後
加賀「馬鹿な....この私が負ける...だと?」
巧「....俺の勝ちだ!今日一日俺の言うことを聞いてもらうぞ!」
巧がはっはっはと大声で笑うと加賀は悔しそうにこちらを見て言った。
加賀「くっ!どんな卑劣な命令をする気だ!」
巧「いや、普通に一日暇つぶしに付き合ってくれればいい。......あれれぇ?もしかしてぇ、一航戦の加賀さんはぁ、僕がなんかえっちぃことでも命令すると思ったぁ?ざんねーん!お前と今日一日過ごすだけでしたァ!」
加賀『うぜぇ....』
苦虫を噛み潰したような表情をしている加賀に、巧は言い切った後、冷ややかな視線と押し潰すような圧力を受けてハッとなり視線と圧力の方へ冷や汗を流しながら顔を向けると、笑顔だが目が座ってる天城と赤城に視線が合う。
巧「は、ははっ....すまん加賀言いすぎた。なんで許してください!お願いします!何でもしますから!」
天城と赤城「「ん?今何でもするっていいましたわね?」」
巧「はっ!しまった!天城、赤城め!図ったな!?」
加賀は自分だけ取り残されて天城が赤城を使って逃げ出した指揮官を追跡したのをぽかんとした表情で見ているしかなかった。
加賀「なんだったんだ.....」
もうすぐUA10000突破しそうなので、突破記念誰がいい?
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大鳳
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赤城
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天城
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ベルファスト
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加賀二名