Fate/kaleid Apocrypha プリズマ☆イリヤ   作:超高校級の切望

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プロローグ

 願いを聞いた。

 (かたき)を求める願いを。

 平穏を望む願いを。

 盗賊を殺せ、怪物を殺せ、敵国を殺せ。

 邪竜を滅ぼしたその身に、力なき者たちが縋る。それで良かった。

 この身は英雄。この身は願望機。求められれば応えよう。死を望まれるのであれば、受け入れよう。

 

 

 

 

 

「起きろ、ジーク」

「トゥール………」

 

 赤い瞳の少年は、同じような赤い瞳に、髪の色をした女性に起こされる。

 無表情な女性と同じく無表情の少年は、姉弟のように見えるし実際そのような関係だ。

 

「体調に問題はないか? 魘されていたが」

「…………夢を見ていた。身体機能に問題はない」

「そうか……では、朝食を取り学び舎に迎え。遅刻は許さん」

「了解した」

 

 ジークと呼ばれた少年はそのまま目をこすりながらトゥールと読んだ女性とともに階段を降りて今に向かう。

 

「おはようございますジーク。今日の朝食は旦那様直伝のフワッフワのクロワッサンです」

「そうか。アルツィアの料理は、何時も美味しいからな。楽しみだ」

「当然です」

 

 無表情ながらどこか誇らしげにムフーと胸を張るアルツィアと呼ばれたツインテールの女性。ジークは彼女の用意した食事を取ると歯を磨き、着替え、学校に向かった。

 

 

 

「あ、おはようジーク君!」

 

 と、通学路を歩いているジークに声をかけるものがいた。処女雪のような白い髪にジークと同じく赤い瞳を持った少女。名を、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。

 私立穂群原学園初等部に通うジークの同級生だ。ちなみにジークのフルネームはジーク・ムジーク。覚えやすいと評判である。

 

「一緒に学校行こう?」

「構わない」

 

 イリヤと出会ったのは初等部に入学した頃。多感な年頃の男子というのは芽吹いた恋心をどういったものか自覚せず、その上女の気の引き方も解らず取り敢えず虐める。物を取って髪を引っ張って己を心に刻みこんで満足して己は相手の特別になったと思い込む。まあ特別だろうよ。悪い意味で。

 イリヤは身内びいき無しで美少女だ。だから、そんな馬鹿な行動を行う者がいた。しかもクラスの人気者だったせいでクラス全体がやっても良いのだと思いこむ。相手の心など考慮さず。

 それを救ったのがジークだ。次の年には4人組の女子達もイリヤの味方になり今ではそのようなことは起きてないがイリヤにとってジークは真っ先に己を救ってくれた大切な幼馴染だ。ちなみに二番目に助けてくれたのは彼女の兄だ。噂を聞いて、怒ってくれた。ジークと共に解決のために奔走した。兄とジークは年を超えた友情がある。

 

「あ、あのね。今日お兄ちゃん部活なくて、一緒に帰るんだけどジーク君も、一緒にどう」

「いいな。士郎さんとは、久しぶりに話したい事もあった。旦那様から秘伝のレシピを教えてくるよう、言伝も預かっていた」

 

 ちなみにジーク達の保護者は恰幅の良い男性で、料理が美味い。何故か士郎の師匠になってたりする。北欧、ルーマニアあたりの出身だ。元々イリヤ達の父とも面識があるらしく彼いわくイリヤの父は『私が調理してやらねばジャンクフードばかり食べるしヘタをすれば腐った肉も1日2日程度ならとふざけたことを抜かしながら食べる。まあ私がいる限りそのようなことはおこらぬがな!』とのことだ。

 

「そういう訳で、士郎さんには事後承諾にはなるが帰りの際はうちによっていくか?」

「ジーク君の家かぁ、なんか久しぶりだね」

 

 

 

 

 その日の夜。風呂から上がり身体を拭いていたジークは、ふと何かを感じ取り首を傾げる。

 音はない。空気の流れも。それでも、五感に何かを与える解りやすい感覚でなくとも、何かが起きたような感覚を覚えた。

 アルツィアは料理中。トゥールは槍の手入れ。

 ジークはそんな彼女達を一瞥したあと、後で怒られるのを覚悟でそっと家から出る。

 

 

 

 心臓が早鐘を打つ。疲れているわけではない。

 頭の奥がチリチリと痛む。やはり家に戻るべきだろうか? 先程感じた何かは、体調不良ゆえだったのかもしれない。そんな事を思いながらも足は勝手に進む。やがて辿り着いたのは、見覚えがある住宅街の一角。

 イリヤ達の家の近くだ。

 

「離しなさいってばッ!!」

「いや、だから離れないんだってば!!」

《諦めが悪い人ですね~》

 

 と、不意に複数人が言い争う声が聞こえてきた。一つの声には聞き覚えがある。イリヤだ。

 ジークは塀を飛び越えるとイリヤの家の敷地に飛び込む。

 

「イリヤ、どうし…………た? その、本当にどうした?」

「ジーク君!?」

「また部外者が!?」

 

 そこには見覚えのない黒髪の高校生ぐらいの女性と、魔法少女のようなフリフリピンクの衣装に身を包んだイリヤが居た。

 

「………取り敢えず、ええと……」

 

 と、ジークは困惑したように女性に目を向ける。

 

「え? ああ、名前? 私は遠坂凛よ」

「そうか。では凛さん………何故イリヤが持っている魔法ステッキを奪おうと? 貴方の年齢で魔法少女のコスプレは、流石に世間的に痛々しいと呼ばれるものだと認識しているが」

「んな!? なんですってえー!」

《おお〜、良いこと言いますねえ! もっとこの年増ツインテールに言ってやってください》

「………喋った」

 

 ジークの言葉に凜が激高し、()()()()()()()()()()()()()()()()




ムジークさんちのジーク君

本作主人公。ボーッとした性格で天然。たまにハッキリと物を言って相手を傷つけてしまうことも。申し訳ない。
フラグを立てても気づかない。申し訳ない。
日本に来る以前の記憶がない。

アインツベルンさんちのイリヤちゃん

ジークの幼馴染。魔法少女に憧れる今をときめく小学生

ムジークさんちのアルツィア様

家事担当。旦那様より料理を伝授されており、その腕はプロに匹敵する。セラと仲がいい

ムジークさんちのトゥール様

教育担当。何故か槍を持っている。ヒエラルキーが旦那様より上。使用人とは一体。リズと仲がいい

ムジークさんちの旦那様

料理が得意。言葉遣いは偉そうだが人の為に動く。一体どこの○○○ルフなんだ。士郎の師匠

ヒロインは誰?

  • 幼馴染ムッツリ属性イリヤ!
  • 小悪魔×天然無表情クロ!
  • 無表情カップル美遊!
  • 全員でハーレム!
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