地底恋愛録   作:あんみつ姫

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 恋愛物って二パターンあると思っています。

 一つは心理描写を片方のみ、もしくはあまり書かないことです。
 これによって、登場人物の行動から推測するしかなく、自由に想像することができます。ここはどのような気持ちだったのだろう、と。そこが楽しくて読んでいる方。

 もう一つは両者の心理描写をしっかりと書くことです。
 これは、簡単ですよね。読んでその思いに悶えるだけです。キュンキュンすることを楽しんで読む方。

 何を伝えたかったか忘れましたが、要は今回の投稿は試し書きです。
 
 ストーリーとは関係ありません。




さとりの思い

 

 彼が現れた事に何の前触れもなかった。

 たまたま廊下を歩いていたら、外庭に彼が息も絶え絶えにしていた。

 

 

 私の方を見た方と思うと助けて欲しいと心の中で叫んでいた。

 

 

 言葉が出てくることはなかったが、心の読める私にとっては何が起きて追い詰められているのか等、すぐにわかった。

 

 

 見えただけの情報によると、どうも知っている限りの妖怪や怨霊によって引き起こされたわけではないらしい。

 

 だが、今目の前には気を失った人間が倒れている。放っておけば数時間と待たずに死んでしまう。

 

 

 

 

 彼を助けるか、助けないか。

 

 

 

 

 正直、助けるメリットなんてなかった。けれど、ストレートにあんなに助けを求められて手を放せるほど、性格が捻くれてもいなかった。

 

 

 倒れた人間を担ぎ、使われていない部屋に運ぶ。持っていたカバンは見たことがない材質や形・デザインであり、少し興味が惹かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼を助けてから丸一日が経った。半日が経っても目が覚めない時は死んだのか、とさえ思ったほどだ。人間、案外寝るものだ。

 

 

 目覚めた彼は本当に頭が働いていないらしく、まるで子供のような仕草だった。

 

 

 後で話したほうがいい

 

 

 そう考え、自分の部屋に来るようにと伝えて一人先に戻る。

 

 戻ってからしばらくして、そもそもここまで辿り着けるはずがないことに気付き、来た廊下を引き返す羽目になった。

 

 

 嫌でも一緒に来るべきでしたね……。

 

 

 「はぁ」

 

 

 ため息が自然と出てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人間が寝ていた部屋に戻ると、さっきまでいたはずなのにいなかった。すれ違ったわけでもないため、迷子になっていることが確定となった。

 

 

 「めんどくさいですね」

 

 

 かといって探さないわけにもいかない。

 

 どこに行ったのかと歩き回ること数分。

 なんと人間は縁側に腰かけ、うとうとしていた。

 

 

 「随分と呑気な性格です。少しぐらい、分けて欲しいですね」

 

 

 なんか、こういうのいいな

 

 

 ここまで気を許している姿を見ると、こっちまで気が抜けてしまいそうだ。

 

 

 「ここにいましたか」

 

 

 とにかく、今はやるべきことがあるため、人間を部屋に誘った。

 

 

 飾り?

 

 

 自身の象徴である目をそのように思われた時は流石に少し呆れ、その場で突っ込んでしまった。

 

 

 やりにくい人間かもしれない

 

 

 その時はそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 薄々心を読めることは感じていたらしいが、知った後でも嫌悪や拒絶といった心の防衛が一切なかった。

 

 

 それどころか、嘘を付かなくて良い分、隠し事をしなくて良い分楽だという。

 

 

 これには流石に驚きを隠せなかった。今まで会ってきた存在のほぼ全てから嫌われてきた身にとって、新鮮なものだった。

 

 

 そこで深く聞いてみると、どうも自分という種族の事を知らないらしい。だからそのような反応をするのだと推測した。

 

 

 

 

 

 久しぶりの人間であり妖怪の本分でもあったため、彼を恐怖させることに、つい舞い上がってしまった。

 

 

 

 

 

 かなりの恐怖を体験させたはずだった。が、彼からの評価は概ね変わらない処か、心配までする始末。

 

 

 優しい性格なのだろう

 

 

 優しさには優しさで返す。彼と話す中でそうしたいと思った。

 

 

 だから彼に選択させた。どっちに転んでも良かったが、心の中では地霊殿に居て欲しいと願った。

 

 

 

 

 

 例えいつかは心が変わってしまうかもしれない。死んでしまうかもしれない。

 

 

 

 

 

 今はまだ信じることなんてできない。それでも、どこか期待している自分がいて、求めている自分がいたからだ。

 

 

 だからこそ、残ると彼が決めたときは心が少し躍った。

 

 

 最後に、おそらく利き手を差し出しての握手(少なくとも自分)をした際、言葉で聞いてみたかった。この握手はどんな意味だって。

 

 

 けど、そんな心配をしなくてもよさそうだった。

 

 

 年相応に柔らかい手でもっとしていたい

 

 

 そんな感想だったのだから。

 

 

 妖怪をなんだと思っているのやら。たった一時間もないやり取りでここまで信を置くことに、理解ができなかった。

 

 

 でも、悪い気もしない。もしかしたら、もしかしたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、失望させないでくださいね?

 

 

 






 過去形、現在形、未来形が混ざっていてもどうにもできません。

 これが私の限界です。

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