そして授業が終わり一夏達は昼ご飯の為に屋上に向かった。
本来屋上は生徒は立ち入り禁止なのだがIS学園に於いては認められており
四季折々の花々が咲き誇り欧州のような石畳が敷かれていた。
そしてその周りを円テーブルと椅子が用意されており晴れた日には
女子たちがそこでガールズトークするのだ。
そんな中で一夏と閃光は弁当を広げていた。
「ほら、お前のだ。」
「おお、サンキュー。」
一夏と閃光はお互いにお揃いの弁当を出していた。
メニューはこちら。
①塩サバの干物。
②豚肉の生姜焼き
③白菜の胡麻和え
④野菜バー(人参、キュウリ、ナス)
「「いただきます。」」
お互いにそう言って食事を始めた。
傍から見ればもう老夫婦かと言うくらいの感じであろう。
お茶を飲みながら食事をする中で・・・更に誰かが来た。
「へえ・・・ここってすいてるんだ。」
「「?」」
二人は何だろうと思って声がした方向を見るとそこにいたのは・・・。
「あれ、先客って一夏じゃないか。」
「おお、ベルか。」
ベルが何やらサンドイッチを持ってやってきたのだ。
「いやああ、食堂は満席だったから他の所探してたら丁度他の生徒が
来てるのを見て来てみたんだ。」
「ああ、それで。」
「ちらほらとだがいるのか。」
一夏と閃光はそれを聞いて周りを見た。
確かに何人かは円テーブルの周りで食事をしているのが見て取れた。
そしてベルは一夏達に向けてこう聞いた。
「それで何だけどここ良いかな?私ここに来たばかりでその・・・
気の許せる人がいなくて。」
そう言うと一夏はこう答えた。
「まあ、それなら構わないけど。」
「ありがとう!助かるよ!!」
一夏の言葉を聞いてベルはほっとした様子で座ると更に・・・声が聞こえた。
「一夏---!!見つけたわよー!!!」
「ここにいたのか。」
「おお、鈴、箒。」
すると今度は鈴と箒が現れたのだ。
そして本人たちも座ると閃光は・・・ため息交じりでこう言った。
「はあ・・・結局こうなるのか。」
そう言うしかなかったのだ。
すると鈴が一夏に向けてこう聞いた。
「はい、酢豚って・・・あんた弁当何であるのよ!!?」
「仕方がねえだろ?閃光が作ってくれたんだ。」
「何!!」
一夏の言葉を聞いて箒は閃光を睨みつけるが本人は素知らぬ顔で食事を
再開した。
そんな中で一番はある事を聞いた。
「そういやあ・・・アイツは?」
「アイツって・・・ああ、シャルル・デュノアならば今頃質問攻めであろう。」
「そうか。」
一番の言葉を聞いて箒がそう返した。
すると一夏が箒に向けてこう聞いた。
「そういやあ箒。一つ聞いて良いか?」
「・・・何だ?」
「そのもう一つの弁当箱って何だ?」
「!!」
それを聞いて箒はそれを後ろに隠すが鈴はこう答えた。
「あああ・・・一夏にやろうとしてたんでしょう~~?」
「貴様が言うか!!」
箒は鈴の言葉を聞いてそう返した。
いま鈴は自分のご飯と同時に酢豚も食べているのだ。
正直な所・・・カロリーが凄いとしか言いようがない。
すると一夏が箒に向けてこう言った。
「それじゃあ・・・ベル、食べてみるか?」
「へ?」
「どどど・・・どういう事だ!?」
一番の提案を聞いてベルは何でと思い箒は大声でそう聞くと一夏はこう答えた。
「だってさ、正直な所・・・そのサンドイッチだけで足りるのか?」
そう聞くとベルは・・・小声でこう答えた。
「ううう・・・・正直・・・無理だと思う。」
「だろ?だったら今のうちに栄養は摂っておいて損はないし
それに折角作ってもらったんだからさ。」
「し・・・然し・・・だな。」
そう言って箒は一夏を見ていると・・・ベルがこう提案した。
「それだったらさ、皆の弁当から一つずつ交換しない?」
「「「「????」」」」
それを聞いて何故と思っているとベルはこう続けた。
「ほらさ、皆で食べたほうが良いし、それに皆と話したいし。」
そう言うと取敢えず全員それを認めるとそれぞれおかずを1品ずつ出した。
鈴からは酢豚を何切れか。
一夏と閃光からは野菜バー、箒からはこんにゃくと牛蒡の唐辛子炒め。
それぞれベルに出した後に皆美味しく食べあった。
「それじゃあ今日は・・・『シャルル・デュノア』についてだな。」
閃光が部屋でそう言ってこう続けた。
「先ずは奴の背格好だがどう見てもだ。決定的なのは喉笛だな。」
「俺は言動だな。」
一夏と閃光はお互いにそう言うとこう続けた。
「目的は恐らく一夏の『白銀』のデータであろうな。
今後は気を付けなければいけないな。」
「ああ、おちおち寝られないな。」
そう言っていると一夏がこう言った。
「そう言えばあいつが今週の土曜日に模擬演習しないかって誘われたな。」
放課後にと言うと閃光がこう言った。
「良し、それならそこで奴の戦闘データを取得できるな。
簪達にも頼んでおこう。」
「助かるぜ、それにしてもあいつの部屋がなア。」
一夏はそう言って壁の向こうに目を向けると閃光がこう言った。
「それもそうだ、転校時期が今どきだし織斑先生も怪しいと思っているらしい。フランスの内情に詳しい人間に話しを聞きに行くそうだ。」
「そうか、まあ・・・ご愁傷さまだな。」
「まあな。」
そう言って閃光も壁に向かって目を向けた。
シャルル・デュノアの部屋は・・・ここである。
「えっと・・・宜しくね。」
「・・・・・・」
ラウラであった。
因みにベルは鈴と相部屋である。
次回は模擬演習です。