「ラウラ」
千冬は痛々しい姿で然も体中にチューブで繋がれているラウラを見て
悲しそうに呟くと・・・保健の先生が現れた。
「織斑先生、来てたんですか?」
そう聞くと千冬はこう答えた。
「ええ・・・アイツは私の教え子なんですが・・・容体は?」
そう聞くと保健の先生は千冬を別室に連れて行ってCTスキャンで撮影した画像を
見せて・・・ある事を伝えた。
「正直言えばこんな状態は生まれて初めてヨ。」
「脳や心臓、肺、内臓類の内人間の生存に必要な臓器の殆どが
機能停止又は微弱、右腕部は欠損。特に脳については深刻ね。
眼球に迄浸食されているし特に右脳が絶望的よ。」
「どのように・・・ですか?」
千冬がそう聞くと保健の先生は・・・重く口を開いた。
「一生右脳の機能が停止した状態かもしれないわ。」
「!!」
それを聞いて千冬は目を見開くが保健の先生はこう続けた。
「貴方も知っていると思うけど右脳は感覚、直感など総合反応力に
長けているというのは知っているわよね?」
「・・・はい。」
「それが失われると理論の理解力が損なわれて・・・ISを動かすどころか日常的に・・・特に軍で生活することすら敵わないわ。」
「!!!」
それを聞いて千冬は頭を悩ませた。
何せラウラは軍以外で生活したことすらないのだ。
もしそうなれば彼女は今後どうすればよいのか・・・
全く見当が付かないどころか今後の彼女を引き取ってくれる病院があるのかどうか恐怖した。
然し保健の先生はこう締めくくった。
「正直今の彼女は植物人間そのものね。目覚める可能性は今のところ0。」
「・・・このまま一生起きないって事も覚悟しなさい。」
それじゃあって言って保健の先生は部屋から立ち去ると千冬も部屋から
フラフラと出て・・・ラウラのいる病室を強化ガラス越しから見てこう言った。
「済まなかったラウラ・・・私がもっと・・・もっと・・・もっと・・・
お前の心を汲んでおけば・・・。」
「力だけが全てじゃ・・・ないと・・・お前と同い年の・・・子供が・・・
何している・・・のかを・・・教えておけば・・・・。」
そう言いながら千冬は崩れ堕ちて・・・泣き始めた。
「ごめん・・・ごめん・・・ゴメンな・・・ラウラ・・・・」
一方その頃日室はと言うと・・・。
「千冬ちゃん遅いねえ。」
「それ織斑先生が言ったら殴られますよ日室さん。」
山田先生が日室の言葉を聞いてそうツッコミを入れると日室はある方向を見た。
そこにあるのは・・・・。
「それしてもこいつはまた・・・ボロボロって言うより・・・。」
「グチャグチャですねえ。」
VTシステムが解除され、泥と鉄の間のような形状をした・・・
『シュヴァルツア・レーゲン』のなれの果てと・・・罅が入って光を失った
ISコアがポンと置かれていた。
「遠目から見てももうコアは使えないしそれに機体なんて屑鉄だな。」
「こんな状態でドイツに帰しても嫌な顔しかしなさそうですねえ。」
お互いにそう言って山田先生はこう聞いた。
「それにしてもスミマセン日室さん。態々解析に付き合ってくれて。」
「いや、寧ろ俺からしてもVTシステムを使った機体の末路を触れるなんて
そうないから大丈夫!!」
「末路って・・・。」
それを聞いて山田先生はアハハと乾いた笑みを浮かべていると日室は罅の入ったコアを見てこう言った。
「それにしても何したらこうなったんだろうなあ。」
「・・・さあ。」
原因知っているでしょうと思うような表情で山田先生は日室を見た。
何せ隕石破壊用のメイスに加えて人工衛星破壊に特化した腕擬きを使われて
壊れたのではないかと思われるが日室は素知らぬ顔でこう言った。
「まあ、今回の事で如何やらIS委員会も重い腰上げて調査するんじゃない?
どう考えても千冬ちゃん以外にも他の国に対して何かしたかもしれないし。」
そう言いながら日室は傍に置かれていたコーヒーを飲んだ。
『トーナメント戦は事故により中止となりましたが今後の個人データ指標と
関係するため残りの1回戦は日時を変更して行われますので各自個人端末で
確認するように。』
何やらテロップが流れているのを見ながら一夏と閃光とベルは夕食を
摂っていた。
因みに一夏は海鮮塩ラーメン(餃子と半チャーハン付き)、閃光は月見うどん、ベルはスパゲッティを食している中で一夏はこう言った。
「・・・あの時はアアするしかなかったとはいえ4番はやっぱなあ。」
「うん、ちょっと威力高すぎだよねえ。」
「私も観客席で見ていたが後で報告書だな。」
うんうんとベルと閃光も同じ気持であった。
どう考えてもオーバーキルだろうと感じながら食べていた。
「それじゃあ一夏君、また明日。」
ベルはそう言って一夏に別れを告げて出て行った。
そして食べ終わると山田先生と共に日室と一緒に来るのが見えた。
「ああ!日室さん!!言いたいことが沢山!?」
「まあそれは後で報告書に纏めといて。俺はさっきまであれの情報整理で
疲れてるんだ。」
そう言いながら日室は目の周りをしばしばとさせていた。
すると山田先生が何かを思い出すと一夏に向けてこう言った。
「ああ、そう言えば織斑君。今日はボイラー点検の為に生徒たちが
使えなかったんですけど点検自体は終わってるんで今日は一人で入っても
良いですよ。」
「本当ですか!?」
一夏はそれを聞いて嬉しがっていた。
何せやっと風呂に浸かれるのだと思うとウキウキするのだ。
然し閃光は山田先生の耳元でこう聞いた。
「シャルロットについてですが・・・。」
それを聞くと山田先生はこう答えた。
「ああ、今日はホテルに泊まって明日改めて転入手続きするそうなので
大丈夫ですよ。」
それを聞いて閃光はそうですかと言って安心すると一夏は閃光に向けて
こう言った。
「それじゃあ俺着替え持って行くから!」
「ああ、じゃあな。」
そう言ってお互い別れた。
だがまあ・・・世の中・・・・何が起こるかわからんものである。
「あれ?お風呂が使えるんだ・・・今日は色々あったから丁度良いや!!」
次回はお風呂回。