こう言う展開。
そして暫くして・・・。
「あ、来ましたね!どうぞ一番風呂ですよ!!」
「ありがとうございます。」
「いえいえ、お礼なんて。本来ならば教師たちが対応するべきところを織斑君と
アタラシアさん達が対応してくれましたのでこれくらい当然ですよ。」
山田先生はそう言うと一夏はこう聞いた。
「あれ?それじゃあベルの方はどうするんですか?」
そう聞くと山田先生はこう答えた。
「ハイ、そちらの方ですがそちらは前のクラス対抗戦で渡しそびれた
『スイーツ半年無料パス』をベルさん個人に渡しますので.」
「うわあ・・・なんつうご褒美」
それを聞いて一夏は少しばかりであるが羨ましいと思っていた。
本来ならばクラス全員に与えられる報酬が個人で賄えるとなると・・・
羨ましい限りである。
そして一夏が入ると山田先生は扉の向こうからこう言った。
「それでは・・・ごゆっくり~~。」
そう言って扉を閉めた。
恐らくは見張りに立つのであろう。
申し訳ないなと思いながら一夏は脱衣所に入ると服を脱ぎ始めたが・・・
位置が悪かった。
現在一夏が脱いでいる場所のすぐ裏側に・・・服がもう一着・・・
脱がれていたのだ。
然も・・・上下黒の下着。
「・・・うおー。」
一夏はそれを見て呆然と立ち尽くしていた。
何せ中が・・・広いのだ。
大浴場の中は以下の通りである。
大きな湯舟1
ジェットバス・バブルバスそれぞれ1つずつ
檜ぶろ1
サウナ及び全方位シャワー、打たせ滝
・・・完全に健康ランド其の儘移動したのかと思いたいくらいの充実した
ラインナップである。
一夏はそれを見て目をキラキラとさせているが・・・こう言った。
「まあ待て落ち着け、慌てる何とかは貰いが少ないってよく言うだろう。」
誰に向かって言っているんだ?
「先ずは体を流してカラダ・・・なんつって。」
ギャグニスラなってねえよ。
「わハハハハハ!!」
一夏は大声を上げながらボディーソープで体を洗っていた。
一般的には先ず打たせ湯してからが多いと思われるが一夏の場合は
先ずは体を洗ってから浸かり、また洗ってから浸かり、そして上がると言う
自分ルールを決めていた。
「?誰か来たのかな??」
サウナの中で誰かが・・・そう言った。
「ふううううううう~~~~。」
一番待望の大浴場に体を深く浸かりながら安堵した。
疲労と身体のこりが溶けていくような感じがし、熱気によって心地よい圧迫感と疲労感。
それら全てが交わって一つになるかのように只々無心で風呂を満喫していた。
「あー・・・生き返る~~。」
そう言う声が大浴場全体に響き渡った。
そんな中で一夏は先の戦闘によって疲労からか睡魔が襲い掛かってくるも・・・
チャプン。
「?」
何やら水の音がしたのだが何なんだと思って音のした方向に目を向けて
近づいて行くと・・・人影が見えて・・・露わになった。
その相手は・・・。
「・・・一夏君・・・?」
「ベル・・・?」
2人はお互いにそう聞いた。
今のベルはタオルすら巻かれていないため・・・上半身全部
見えてしまっているのだ。
少し火照った体。
柔らかくて弾力がありそうな大きい胸。
そんな胸とは対照的で細い腰回り
そして何よりも湯舟越しであるが安産型な・・・・。
「ウワアアアアアア!!!」
「あわわわわゴメン!!」
ベルが自分の体を庇うかのように湯舟の中に入るのを見て一夏も入った。
すると一夏はベルに向けてこう聞いた。
「どどど、どうしてここにいるんだ!??」
そう聞くとベルはこう答えた。
「ええええええとね、ボイラー点検が終わっているなあって思ってたから
少し前に入ってサウナから出てきたところなんだ」
そう言うと一夏はマジかよと思ってこう言った。
「じゃ・・・じゃあ俺先に出る」
「待って!」
一夏が出るのを見てベルはそれを止めてこう言った。
「もう少しだけ・・・ね。」
そう言われて一夏は・・・湯舟に戻って行った。
そしてベルは一夏に向けてこう言った。
「一夏はあの時さ」
「?」
「ボーデヴィッヒさんの機体が変貌した時・・・何で怒ってたの?」
そう聞くと一夏はこう答えた。
「あの時ラウラは千冬姉の姿で現れた時・・・
『千冬姉の真似事してんじゃねえ!!』って思ってたら居てもたってもさ。」
「そうか・・・憧れてるんだね、織斑先生に。」
「ああ、自慢の家族だよ。」
そう言うとベルはこう呟いた。
「私の家って・・・貧乏なんだ。」
「?」
「ISが使えるって分かった時にこう思ったんだ。」
「『これで両親を楽させることが出来る』って。」
「それで一時だけど私の出生でいじめられてたんだ。」
「酷いな。」
「だからさ、多分だけど一夏の気持ちも少しわかると思っているけどさ・・・
自分の事も大切にして。」
「え?」
「家族はさ、大切な人が傷つくと悲しくなる。それは織斑先生も同じ。」
そう言うとベルは一夏の背中にくっつくような感じでこう言った。
「だからさ・・・折角力を持ってるなら悲しませない様にしなきゃね。」
そう言うと一夏は・・・ある事を思い出した。
『力と言うのは所詮手段の一つにしか過ぎない』
『君の心がそう願い、そしてそれに相応しいかを努力して証明しなければいけないんだ。』
『お前に何かあったら・・・私は・・・・!!』
『良いか一夏。刀は振るう物だ。振られるようでは剣術とは言えない』
『重いだろう。それが人の命を絶つ武器のその重さだ。』
『この重さを振るう事がどういう意味なのかを考えろ。それが強さだと
言う物だ。』
「俺にとって力は・・・・。」
一夏はそう言いながらベルに向けてこう言った。
「ありがとうな、ベル。」
「・・・・ん。」
チャポーンと水音が再びした。
力とは何か。
本当の強さとは何か??
一夏はそれをずっと・・・考えていた。
因みに着替えは先ずは一夏が出てから着替えてベルはその後に山田先生が
目を逸らしたうちに出た。