「むーん・・・。」
何か声が聞こえるその部屋は・・・奇妙であった。
至る所には機械の部品とケーブルが所狭しとばら撒かれていて、
時折リス型のロボットがそれを齧っていた。
「おー、おー。」
そしてその声の主もまた・・・変な服を着ていた。
水色のワンピースとエプロンと背中にある大きなリボンからまるで・・・
『不思議の国のアリス』の主人公さながら(作者は実写版派)の様であった。
顔立ちは箒に似通っているが目の下には大きなクマがあったつり目である。
然しアリスと違うと言えば・・・その背格好であろう。
体はすらっと伸びており均整が取れたしなやかな曲線であるが・・・
やはり目を見張るのはその・・・胸であった。
箒よりも圧倒的に大きく存在感を露わにしたその胸部は・・・子供が
入っているのかと思うくらいに大きかった。
そう、彼女こそ箒の姉であると同時にISコアを造り、ISを造った生みの親。
『篠ノ之 束』その人なのであった。
「へえ・・・そういう風なんだ。」
篠ノ之 束は何かを見ながらそう言うと・・・携帯電話から
某マフィア映画の金字塔の曲が流れた。
「こ、この着信音は!!」
そう言いながら大ジャンプして取ると篠ノ之 束はこう言った。
「も、もすもす?終日(ひねもす)?」
そう言った瞬間に・・・ぶつっと切られた。
「わー!待って待って!!」
束はそう言ってこっちからリダイヤルすると電話の主は・・・こう答えた。
『・・・次ふざけたらこの電話番号政府に垂れ込むぞ』
「分かってるよ、ちーちゃん。」
そう言いながら電話の主・・・千冬に向けて答えると千冬はこう聞いた。
『今日は聞きたいことが2つある。』
「何かシラン?」
そう聞くと千冬はこう答えた。
『お前はVTシステムについてどこまで関与している?』
そう聞くと束はふざけ乍ら怒ってこう言った。
「え~~、ちーちゃん。束さんの事疑ってるの~~?ちょちショック!」
「あんな不細工な代物をこの私が作る訳ないじゃな~~い!私は完璧にして
十全の『篠ノ之 束』だよ?即ち!作る物も完璧に置いて十全でなければ
意味がないのだーーーーー!!」
それを聞くと千冬はこう続けた。
『それならもう一つあるんだが・・・先ほどドイツにいる私の教え子から
聞いたのだが』
「ああ、その事なら大丈夫!研究所にいた連中全員ぶっ殺しておいたから。」
「何せ束さんのISコアをぶっ壊しといただけでは飽き足らずあんな不細工な
ちーちゃんを造ったんだから寧ろ感謝して欲しいね。」
「束さんが直接殺しに行かなくてね♪」
そう言うと千冬は暫くして・・・こう言った。
『分かった、お前が関係ない事は理解した。それじゃあ』
「いやいや、私の時間はちーちゃんの為に使えれるのならいつでもどこでも
24時間フルオープンだよ!!」
そう言うと同時に千冬は電話を切ると暫くして束はこう呟いた。
「やあ、久しぶりにちーちゃんの声を聴けて束さんは嬉しいよ~~。
ちーちゃんは相変わらず素敵ングだけどどうして引退したんだろうなあ?」
そう言いながら束は考えていた。
千冬は未だ24歳。
年齢、実力ともにおいても今すぐ現役に戻って第一線で活躍出来て
第3回モンドグロッゾの日本代表確定なのに何故引退したのか
束は理解できなかった。
すると・・・今度は・・・某極道映画に出てくる台詞付き着メロが響くが・・・こいつそう言う仁義系が好きなのかと思いたいほどのラインナップである。
「!!これはーーーー!!」
そう言って束は直ぐに通話モードにすると束は上機嫌で電話の主に向けてこう言った。
「やあやあやあ!久しぶりだねえ!!ずっとずーっと待ってたよ!!」
そう言うと電話の主は・・・こう言った。
『・・・姉さん。』
そう言うと同時に束は電話の主に向けて・・・名前付きでこう言った。
「うんうん。用件は分かってるよ箒ちゃん!欲しいんだね?
君だけのオンリーワン、代用なしの専用機が!」
『それってつまり!』
「勿論用意してあるよ!最高の性能にして規格外使用で最強の第3世代機!!」
「白と共に並び立つその名は・・・・。」
「『紅華』」
そう言うと束は紅い機体を見てそう言った。
その機体は2種類の刀を両腰に装備されており、ビットらしき兵装を
保有した機体であった。
すると束はその電話の主・・・箒に向かってこう言った。
「それじゃあ誕生日の日に・・・じゃあね~~。」
そう言うと束は『紅華』を見ると・・・隣にいるもう1機の方も見た。
正に白1色。
一夏の『白銀』と同じような色であるが束はそれを見てこう言った。
「さあてと、君の出番はもうすぐだよ~~。その前に」
そう言うと束は映像データからある物を出した。
それは・・・嘗て一夏が『蒼狼』を空中換装した時の映像である。
「先ずはこいつを片付けて回収して調べなきゃね~~。」
そう言った束の顔はまるで・・・・・。
新しい玩具を見つけた子供ような顔であった。
次回は第3巻です。