【炎上】ポケ廃Vtuberさん、ポカをやらかして評判の悪いアイドルだったことが判明してしまうwwwww【にじライブ】
これはゴシップを特集している配信者が投稿した動画のタイトルだ。
レオの配信での事故から一夜明け、獅子島レオがシバタクだったという話はネット中を駆け巡った。
配信上での事故により本名が流出。本来ならばそれは最悪の場合、ライバー人生を絶たれかねないほどの大事件である。
しかし、今回に至っては話は別だ。
何故なら、レオはこれを意図的に行ったからである。
焦った振りをしつつも配信を終えたレオは、少しだけ時間をおいて配信のアーカイブを非公開へと設定した。
これにより、レオがシバタクであるという情報の信憑性は何倍にも跳ね上がった。
すぐに動き出したのはVtuber自体を嫌うアンチの者達だった。
レオの配信はマナーの良い視聴者が多く、そもそもアンチ自体が少ない。
今回の騒動で騒いでいるのは、その少ないレオのアンチと、Vtuber自体を嫌うアンチ、そしてVtuber業界で大きな影響力を持つにじライブのアンチの者達だったのだ。
アンチの者達は配信のアーカイブが非公開になることを予想して、すぐに切り抜き動画を作成した。
動画の多くは[おや:タクヤ]と出てきたステータス画面に集中線を入れたり、デデドン! という強調する際に使用するSEを使用したものばかりだった。
ただレオの本名が出た場面を切り抜いただけのものもあれば、批判的な意見を述べているものもあった。その他にもレオを擁護するものや、批判動画と見せかけて擁護しているものなど、様々な動画が出回っていた。
批判的な動画については、主に中身がシバタクだったということについて触れていた。
シバタクの当時の問題行動などを集め、彼がいかに性格の悪い人間だったかをアンチは熱弁していたのだ。
この手の〝シバタク批判〟については、彼と親交があった芸能人たちが軒並み動画を出したことで封殺された。
手越武蔵、カリュー・カンナ、その他にもレオを知る大勢の芸能人は擁護するようなコメントを残した。その中には、かつてレオに「俺達のバックダンサーができてラッキーだったな」と言われ悔しい思いをした当時の同期のアイドルもいた。
結局のところ、レオを貶めようとしたような人間のほとんどは芸能界で生き残れなかったのだ。それは逆説的に、今も芸能界で活躍している人間はレオを評価しているということだ。
ただのゴシップ系配信者と芸能人。どちらの方が注目度があるかなど、言うまでもないことだろう。
その他にも、炎上系動画と見せかけた擁護動画はレオの発言を一つ一つ丁寧に切り抜き、情報を照合してレオの設定に嘘がないことを冷静に述べていた。
元々ゴシップ系を取り扱う配信者だったこともあり、彼女達の動画は注目度も高く、検索でも上位に出てくる。これによって、レオの身バレ騒動について動画を見ようとした人間に悪いイメージが拡散することはある程度抑えられた。
「こんなことまで頼んで悪かったな」
『気にしないでー。餅は餅屋に、アンチはアンチにってねー』
レオは仕込みをしてくれた林檎へ感謝の連絡をしていた。
そうこのゴシップ系配信者は、かつてカリューのアンチをしていたカリューの中学時代の元友人、矢作紗耶香、弓弦香織、筒持凛だった。
彼女達は林檎からの連絡に、自分達がまた何かやらかしたのかと思い戦々恐々としていたのだが、内容を聞くと林檎の頼みを二つ返事で引き受けた。
今まで自分達の行っていた人として恥ずべきアンチ活動。それを正しい方向で利用できる機会が来たのだ。まともな人間になろうともがいていた三人にとっては、渡りに船だったと言えるだろう。
「本当に助かるよ。白雪には頭上がらないな」
『バカだなぁ、そんなこと言ったら私は一生あんたら二人に頭上がんないってのー』
林檎は心底楽しそうに笑った。
自分を救ってくれた存在の助けになれることは嬉しい。それに加えてこの炎上でのお祭り騒ぎ。それがレオにダメージを与える心配のないものと分かっている以上、林檎はこの空気を全力で楽しんでいた。
そんな混沌とした状況の中、レオは自身のツウィッターアカウントで[皆さん、俺の不手際でご心配をおかけしてしまい申し訳ございません! 現在問題になっている件については事務所と話し合った上で後日きちんとご報告させていただきます。それまで配信をお休みさせていただきます。この度はご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません]という投稿をした。
これに対して、良識のある袁傪達はリプライで温かい言葉をかけていた。
これがきっかけでレオがライバーを引退してしまうのでは? と、不安に思う者も大勢おり、レオの身バレ騒動はネットニュースでも特集されるほどの大事になっていた。
レオは袁傪達に心配をかけて申し訳ないと思いつつも、止まる気はなかった。
既に仕込みは全て完了しているのである。
事務所との打ち合わせは事前に終わっており、レオは丸一日ネットで自分の話題によるアンチや袁傪達の動向を窺っていた。
そして、頃合いだと判断したレオは身バレ騒動から二日後に配信を行った。
「皆様、こんばん山月。獅子島レオです」
[こんばん山月!]
[待ってた!]
[無事で良かった……]
レオの声を聞いたことで、袁傪達は安心したようにコメント欄に安心したようにコメントを書き込んでいく。
普段の配信でレオは身バレに気を使っていたため、今回のことは本気でまずい事故だと袁傪達は心配していたのだ。
「この度は俺のミスで皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしてしまい申し訳ございませんでした」
[あの状況はしゃーない]
[まさか、あんなことになるとは誰も思わなんだ]
[長時間配信で疲れてて頭回らなかったんでしょ]
「まず、詳細をお話する前に一つだけ皆様に言っておきたいことがあります。俺はにじライブ所属のライバー〝獅子島レオ〟であり、今後も獅子島レオとして活動していきます。そこについては変わることはありませんので、どうかご理解ください」
[理解した]
[了解!]
[これで卒業とかじゃなくて良かった……]
袁傪達はレオの発言を聞いて、このまま引退することはないと理解してひとまず画面の向こう側で安堵のため息をついた。
「今日は先日の配信で起きたことの内容について改めてご説明させていただきたいと思います。今後のことについてはその後お話しさせていただきます」
一拍置くと、レオは改めて今回のことについて話始めた。
「先日のランクマッチの耐久配信にて、俺は過去作で使用していたパーティの紹介を行いました。その際に、俺の過去作の相棒の親の名前が〝タクヤ〟だったことで、とあるアイドルの名前と一致していたこともあり、獅子島レオの前世は件のアイドルなのではないか、という話が広まったことが今回の騒動の始まりでした」
[タクヤなんて名前よくある名前じゃん]
[名前だけならな]
[他の情報も一致してるんだよなぁ]
「皆様のご指摘にもあるように今までの発言などを合わせると、確かに某アイドルと共通点は多いでしょう。ですが、言わせていただきますと、そもそも俺に前世なんてありません」
[ファッ!?]
[どういうこと?]
[あーなるほどね、完全に理解したわ]
レオの発言に袁傪は混乱しだす。
一部のアンチは見苦しい言い訳でもするのかと期待に胸を躍らせていたが、その期待は容易く裏切られることになる。
レオはにじライブの公式ページで、自分のページを開いて配信画面上に映し出した。
「俺の公式ページを見ていただければ理解していただけますが、俺は傲慢さが原因でアイドルをやめ、ライオンの獣人となって元に戻るために謙虚な姿勢で一から配信を始めた。これについては正真正銘真実です。初配信で言った通り、この名前もにじライブに拾っていただいた際につけた名前です。皆様の目の前にいるライオンの獣人、獅子島レオはアイドル時代から地続きの存在であり、転生など一度もしていないのです」
[えっ、それってつまり……]
[マジじゃん]
[待って、本当だったらこれすごいことなのでは?]
レオの言わんとしていることを理解した袁傪達は俄かにざわつき始める。
「にじライブでは契約の関係上、前に使用していた名義を使用することができません。そのため、俺からも事務所からも俺のアイドル時代の名前を公表することはできません。ですので、皆様にはこれだけ言わせていただきます。俺が過去にアイドル活動をしていた経験があったこと。これは事実です。あとはお察しください」
[了解!]
[察したわ]
[これは胸熱展開]
レオが事実上、自分がシバタクであることを認めたような発言に、袁傪達は盛り上がりつつも理解を示した。
「今後は今まで通り、ライバーとしての活動を続けていきます。予定していた配信など、延期することも視野に入れていたのですが、事務所と話し合った結果、予定通り配信を行っていくことになりました。迅速な対応をしていただいたマネージャーを含めた事務所の方々には感謝しかありません」
[さすがにじライブ]
[レオ君のマネも有能過ぎるんだよなぁ]
[三期生マネは化け物揃い]
「改めて今回の件で、皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。今回の件で温かい言葉をかけてくださった方や、ご心配をおかけしてしまった方へは今後の活動を通してお返ししたいと思いますので、今後も応援していただけると幸いです」
[当たり前だ! ¥50,000円]
[レオ君しか勝たん ¥50,000円]
[推す以外ありえない ¥50,000円]
[これからも楽しみにしてる! ¥50,000円]
こうしてレオの謝罪配信は無事に終了した。
配信後、カラオケ組を含む多くのVtuber達がレオの騒動について触れた。
芸能人とVtuber。両方に多くのコネを持つレオにとって、誰かが炎上した時にしか話題を提供することしかできないゴシップ系配信者など敵ではなかった。
アンチが騒ぐのなら、より影響力の高い人間達が集団で潰す。
こうして炎上に見せかけた花火大会は無事にお開きとなったのであった。