ギルベルトの後も何度か絡んだことのあるライバーが白夜の配信を訪れた。
朝昼夜亭で定期的にコラボをしているハンプ。
ギルベルト以外の元二代目魔王軍メンバー。
みんな白夜の誕生日を祝福していた。
「さてさて次の凸者は、っと……」
Thiscodeの部屋を見てみれば、二人のライバーが祝いに来ているのが確認できた。
その二人は白夜もよく知る二人だった。
『こんにちはー、サンライズ家の人望ゲキアツお嬢様のレインです!』
『やっほー、お待たせ! 公式美少女魔法使いのリーフェ・テンペスト参上!』
「おお! レインにリーフェ、わざわざありがとう!」
[レイリーだ!]
[この三人で集まるの久々]
[シュベ学メンバーだもんな]
やってきたのは白夜の同期でもあるレインとリーフェだった。
魔王軍時代から苦楽を共にし、同期としてライバー活動を行ってきた二人がやってきたことで、コメント欄が盛り上がる。
『本当はサーラ先生とつばさちゃんも来たかったみたいなんだけど……』
『あの二人はVtuber歌謡ショーの方に呼ばれちゃってるから来れないって残念がってたよ』
「ああ、大丈夫だよ。お祝いのメッセージは事前にもらってるから」
[情報たすかる]
[あの二人は歌唱力つよつよだからな]
[今、メロウちゃんが大暴れしてるで]
[あんな外部のデカイイベントに参加するってすごいよな]
白夜の誕生日はちょうどVtuber全体を対象とした大型企画である〝Vtuber歌謡ショー〟の日と被っていた。
そのため参加者であるサーラとつばさは凸待ちに参加できなかったのだ。
『それにしても白夜君の誕生日を祝うなんて何か懐かしい気持ちになるね』
『去年は私らだけでお祝いしたもんねー』
「あれからもう一年経ったのか、早いな……」
[あんな大変な時期でもお祝いはしていたのか]
[てぇてぇ]
[マジで今の状況って奇跡だな]
ちょうど去年の今頃はサーラが魔王軍をやめて魔王軍の崩壊が始まった時期でもあった。
所属事務所が大炎上する中、あちこち駆け回っていたことは記憶に新しい。
そんな自分達がにじライブで再デビューして、こうして仲間と共に再び誕生日を祝えている。
それは何にも代えがたい幸せだった。
『あっ、そうそう! 今日は白夜君にある人からビデオメッセージが届いてるんだよ』
「ある人?」
『白夜君との関わりが深かった人だよ。一応、私も関わりは深いから動画もらってきたんだ』
レインの言葉で白夜はまさか、と息を呑んだ。
白夜とレインがまだサタンとウェンディだった頃、彼らのプレイするゲームには担当プレイヤーが存在した。
『はいどうもこんにちはポンバーです!』
「ポンバーさん!」
[ポンバーニキきちゃ!]
[やりたい放題じゃねぇか!]
[にじライブよく許可したなw]
ポンバーがサタンのプレイヤーを担当していたことは、一部の上位プレイヤーが立ち回りから予想はしていた。
ポンバー自身も、自分のチャンネルを作ってからはその話を動画内でしたことがあった。
しかし、騒動から一年経った現在の白夜の視聴者達がポンバーの存在を知っているわけではない。
そんな中、ポンバーの動画での出演を運営側は快諾した。
むしろ、マネージャーである阿佐ヶ谷は出演を懇願していたくらいである。
『いやぁ、白夜君。本当に誕生日おめでとう!』
「ありがとうございます! ……やばい、これめっちゃ嬉しい!」
[ポン白てぇてぇ]
[これは予想してなかった]
[俺達も嬉しいよ]
古参のファン達は白夜がサタンだったことも知っており、ポンバーがプレイヤーを担当していたことも知っている。
ポンバーからのメッセージは白夜だけでなく、ファンにとっても嬉しいサプライズだったのだ。
『今の僕があるのは白夜君がいたおかげでもあるから、元気そうで本当に安心したよ』
「ポンバーさん……」
ポンバーはバーチャルリンク炎上騒動での知名度もあり、注目度が上がったことは否めない。
レベルの高いプレイングで魅せていたこともあり、そのゲームのハイレベルプレイヤーとして名前を売ることができて、現在はチャンネル登録者数も二十万とかなりのものになっていた。
『あっ、もちろんレインちゃんもね!』
『ポンバーさん、今絶対私のこと忘れてたでしょ!』
『まあまあ……』
[草]
[ビデオメッセージにキレるなwww]
[そういえば、一番最初にコンビ組んでたのはレイン様だっけ]
魔王軍プロジェクトが始動した際は、ポンバーと組んでいたのはレインだった。
そういう意味では、この二人も久々の再会ということになるのであった。
一通り白夜との思い出について語り終えると、ポンバーはビデオメッセージを締めにかかる。
『機会があったらまた昔みたいに遊ぼうね! 今日は本当におめでとう――またな!』
「はい、是非また一緒に遊びましょう! ポンバーさんも登録者数二十万人突破おめでとうございます!」
動画が終わると、白夜は感無量といった様子でポンバーの登録者数二十万人突破を祝い、再会を約束した。
『って、感じでね。ポンバーさんからのビデオメッセージでしたー』
『レインに感謝しなよ? この子、人見知りなのに頑張ってポンバーさんに声かけたんだから』
「そっか……本当にありがとう」
白夜は改めて、自分にとっての半身ともいえる存在だったポンバーに声をかけてくれた二人に礼を述べる。
『喜んでもらえて良かったよ! それじゃ、これからも楽しく活動しようね!』
『またコラボしような!』
「ああ、そのときはよろしく!」
こうしてレインとリーフェのサプライズは終了した。
この場面は後日切り抜き動画が上がることになり、ポンバーのチャンネル登録者数は一気に増加することになるのであった。