[獅子島レオ@ShishijimaLeo
18:00からイベント開始です。
もうしばらくお待ちください。
いくつか重大発表がありますので、是非お越しください!]
[茨木夢美@IbaragiYumi
待機所はここだ。
ビッグニュースもあるから震えて待て]
[星野ミコNIJILIVEEN@MicoHoshino
Hey guys! Please come to YUMEHOSHIJIMA!]
レオ、夢美、ミコのツウィッターアカウントからイベントの告知がされる。
重大発表があるということもあり、待機所には既に十万人以上の人間が待機していた。
また待機中も視聴者を飽きさせないために、年始に行ったライブのレオや夢美が歌っているシーンも流れていた。
[重大発表気になる]
[本当にタダでええんか?]
[待機中もライブの映像流してくれるの神か]
[Vtuber界随一のてぇてぇ家族がいると聞いて]
視聴者達は期待に胸を躍らせる。
コメント欄には日本語以外にも英語のコメントが散見され、海外からもこのイベントが注目されていることが窺える。
レオと夢美に海外人気があるのはもちろんだが、これはいつの間にかVtuber界の登録者数頂点に立った海外ライバーであるミコの影響もある。
四天王であり、Vtuberの始祖であるアイノココロすら追い抜いたミコの勢いはいまだに衰える気配はない。
レオと夢美もミコほどではないが、ここ最近の伸びは相当なものだった。
[おっ]
[くるぞ……]
[ざわ……ざわ……]
配信開始の時間になり、待機所に流れていた映像が途切れる。
そして、画面は煌びやかなステージを映し出し、ポップな曲のイントロが流れ始めた。
この曲は〝Dream Star Land〟という夢星島のオリジナル曲だ。
「お待たせあたしが、眠れる森の美女♪ 清楚でパワフル、頼れるママで~す♪」
「Yeah! 流れ星に乗って~♪ 幸せをお届け♪ ワタシはポップでキュートな愛娘~♪」
「さあ、盛り上げていくぜ~♪ 猛々しく咆える、一家の大黒柱~♪」
[きちゃあああああ!]
[DSLだ!]
[最初からクライマックス!]
自己紹介のような歌詞をアップテンポなリズムに乗せて歌い上げ、レオ、夢美、ミコが登場する。
三人の登場にコメント数が爆発的に増え、コメント欄をコメントがあっという間に駆け抜けていく。
「お前ら! コールがわからない奴はいねぇよなぁ!?」
「イネーヨナー!」
「さあ、画面の向こうのみんなも一緒に!」
「「Twinkle Twinkle! 星が煌めく~♪」」
「夢の島へ~君を誘う♪」
[Twinkle Twinkle!]
[Twinkle Twinkle!]
[Twinkle Twinkle!]
[Twinkle Twinkle!]
コメント欄は星の絵文字と[Twinkle Twinkle!]というコールのコメントで溢れかえる。
中にはスーパーチャットの額を調整して、コメント欄を彩る猛者までいた。
「「「Dream Star Land!!!」」」
[88888888888]
[88888888888]
[88888888888]
[Foooooo!!!]
[いぇーい!]
[家族てぇてぇ……]
[最高だ……!]
配信は出だしから最高の盛り上がりを見せた。
曲が終わり、決めポーズを解くと、三人はMCを始めた。
「と、いうわけで始まりました! 夢星島へいらっしゃい! 最高の夏をあなたと!」
「「いええええええい!」」
[いえ――――――い!]
[うおおおおおおおお!]
[Yeah! Yeah! Yeah!]
レオがそう告げると、まずはいつものように自己紹介を夢、星、島の順番に行っていく。
「夢星島の夢! 茨木夢美でーす。みんな、こんゆみー!」
[こんゆみー!]
[こんゆみー!]
[こんゆみー!]
「「はぁっ……!」」
「おい、やめろやめろやめろ!」
[草]
[一年以上経つのにいまだに吐息擦られてるw]
[まーた娘がパッパの悪影響を受けてる……]
レオとミコが恒例の夢美の初配信イジリをする。
夢美に続いて、今度はミコが自己紹介を行う。
「夢星島の星! Hello! Appeared on a shooting star! I’m Miko Hoshino! ドウモ、ミコデース! ヨロシク、お願いシマース!」
[Hi Miko!]
[Hello!]
[かわいい!]
[ミコちゃーん!]
ミコが自己紹介をすると、海外勢、日本勢の両方が湧く。
一時期はアンチも活発化していた彼女だったが、Vtuber界の首領すらも超えて駆け抜けていく彼女の姿に、最近は沈静化しつつあった。
「夢星島の島! みなさん、こんばん山月! 獅子島レオです!」
[こんばん山月!]
[こんばん山月!]
[こんばん山月!]
[レオくぅぅぅん!]
[すげぇ、ガチライオンじゃねぇ!]
[珍しく普通の3Dモデルだ!]
レオに至っては、もはやガチライオンで登場しなかったことに感動されている始末である。
彼がいかに登場する度にガチライオンを愛用しているかわかるだろう。
「さて、自己紹介も終わったことだし早速重大発表行くか!」
「はえーよホセ」
[いきなりwww]
[さくさく進むなぁ]
[重大発表って何だろう?]
夢星島からの重大発表と言われても、心当たりが多すぎて視聴者は答えを絞れずにいた。
ミコは発表を盛り上げるためにコメント欄へと問いかける。
「みなサンは何だと思いマスカー?」
[夢星島グッズ販売!]
[やっぱ結婚っしょ]
[夢星島、本当の家族になる]
[バラレオ結婚であってほしい]
[二つ目のオリジナル曲とか?]
[か、解散じゃないよね……?]
[とにかくいい知らせであることを望む]
コメント欄ではちらほらと正解が出てはいるものの、本気でとらえている者はいなかった。
それだけVtuber同士の結婚発表はあり得ない出来事なのだ。
「デハ、パパ! ママ! 発表してクダサイ!」
ミコの言葉に頷くと、レオはタイミングを合わせて夢美をお姫様抱っこした。
それと同時に背面の巨大モニターに〝バラレオ結婚!!!〟という文字が映し出された。
「「俺(あたし)達、結婚します!」」
[!?!?!?!?]
[!?!?!?!?]
[!?!?!?!?]
[ファッ!?]
[マジで!?]
願ってはいたが、本当にするとは思っていなかったということもあり、コメント欄は大混乱だった。
中にはいまだにイベント上での演出であり、ただのドッキリだと思っている者もいたくらいである。
そんな中、レオと夢美はしっかりと結婚が事実であることを伝えた。
「えー、にじライブのお前らのことだからドッキリだろと思っているそこのあなた!」
「これに関してはマジだぞ。今日、婚姻届出してきたしな」
[あ゛っ……(尊死)]
[待って無理尊い]
[我が生涯に一片の悔いなし]
[答えは得た……]
レオと夢美の結婚を待ち望んでいた者は多く、コメント欄では尊死者が続出した。
それほどこの発表は視聴者にとっては衝撃的な発表だったのだ。
「改めまして、私、獅子島レオはこの度以前からお付き合いさせていただいている同期のライバーである茨木夢美さんと入籍いたしました」
「今朝、二人で区役所に婚姻届を提出し、あたし達は正式に夫婦となりました」
[こりゃめでてぇ……]
[ご祝儀 ¥50,000円]
[ご祝儀 ¥50,000円]
[ご祝儀 ¥50,000円]
[ご祝儀 ¥50,000円]
結婚報告を受けた視聴者達は、一斉に限度額でご祝儀と称したスーパーチャットを投げまくる。
今までにないほどコメント欄は真っ赤に染まり、あっという間にスーパーチャットの合計額はとんでもない額へと膨れ上がっていた。
「正直、このことを公表するのには悩みました。俺達は心優しい皆様から割と受け入れられていますが、中にはVtuberという存在の生々しい部分を見たくないという人もいます」
「その他にも、カプ厨の人達が他の男女コラボにも結婚しろって突撃して迷惑をかけることも考慮して、なかなかこの決断をすることができませんでした。しかし、同期の林檎ちゃんや娘のミコ、先輩後輩、事務所の皆様の後押しもあり、この発表に踏み切ることができました」
[マジでよく発表できたな]
[おいおい、またにじライブが伝説作ってるよ]
[厄介コーンと厄介カプ厨の存在がネック過ぎる……]
[Vってもっと自由な存在のはずなのに枷が多すぎだろ]
[どの界隈にもそういう奴はいるもんな……]
レオ達が結婚発表を躊躇った理由を聞いた視聴者達は納得したように、思い思いのコメントを書き込んでいく。
「今、こうして夫婦として共にステージに立てることを誇らしく思います」
「これもいつも応援してくださる皆様のおかげです」
「「だから、これからもバラレオ、夢星島を宜しくお願い致します!」」
「Yeah!」
[当たり前だぁぁぁ!]
[これからも推し続けるに決まってるだろぉ!?]
[むしろ一生推す覚悟が決まったわ]
[ここがカプ厨の聖地か……]
レオと夢美の結婚はあっという間にSNSで拡散され、トレンドも関連ワードが独占した。
もはや二人の注目度は業界内トップクラスと言っても過言ではなかった。
「さて、結婚といえばあの曲だよな」
「まあ、結婚といえばね。あの入場するときとかに流れるやつとかね!」
「あー、定番デスネ!」
レオ達三人は盛大な前振りをする。
そして、誰もが思い浮かべた結婚式で流れる曲とは違うイントロが流れ出し、レオはノリノリでその曲を歌い出した。
『ゴキゲンな蝶になって~♪ きらめく風に乗って~♪ 今すぐ君に会いに行こう~♪』
[草]
[最後までエンタメを忘れないライバーの鑑]
[ゴキゲンな李蝶wwww]
[こ れ は ひ ど い]
「そっちのバタフライじゃねぇよ!」
「キャッキャ!」
最後までネタをたっぷりと仕込んでいたレオは高々ともはや十八番となった曲を歌い終えた。
どこまで行ってもバラレオは笑いで〆てくる。
そのことを視聴者は改めて痛感するのであった。