三期生のコラボ頻度が減っているというネガティブな話題は家族てぇてぇによって流れた。
話題は現在V界隈を騒がせているバーチャルタレント候補生、英乃尋の話題になっていた。
「いや、マジで乃尋ちゃんというか実質にじライブ勢はバケモンだと思うんだよ」
[バケモンが何か言ってら]
[にじライブが誇る脅威の 未 デ ビ ュ ー ラ イ バ ー]
[ホントに意味わからんくて草]
コメント欄が瞬く間に盛り上がる。レオは苦笑を浮かべながらも、画面越しに真剣な眼差しを向けた。
「いやぁ、乃尋ちゃんに関しては初配信からヤバイとは思ってたけど、タマ先輩すら復活させたからなあの子」
[にじライブが誇る終身名誉サンドバック]
[不名誉で草]
[タマ先生なんだかんだで好きだわ]
かつて自身の引き起こしたことで大炎上をしたタマは乃尋とリンが逃げ道を塞ぎ、炎上先生という企画で表舞台に引きずり出すことに成功していた。
本人の固い意志によって自身のチャンネルは持っていないが、呼ばれれば顔を出す。そんな存在にタマはなっていた。
「タマ先輩があそこまで復活するとは正直思わなかったけど、乃尋ちゃん達がやったことは、ただタマ先輩を救っただけじゃない。あの一件で、二期生とか乙姫先輩とか、過去のことで引っかかってた人たちも少し肩の荷が下りたんだと思うんだよ。結果的に和装組でのコラボも増えたしさ」
[和装組記念枠は神]
[タマ先生、トーク力あるしな]
[ツッコミ兼サンドバックキャラだし、普通に需要ある]
「これが企画力と人間力の勝利ってやつだよな。乃尋ちゃん達、本当にやることがレベル高いんだよ」
[それな]
[のっふぃ、早く正式デビューしてほしい]
[全員にじライブに来たら盛り上がるだろうな]
[今残ってる子達なら全員デビューしても良さそう]
「落ちた子達は気の毒だけど、実際今残ってる子達はレベル高いからな。デスゲームみたいな空気だった学園も、システム崩壊してからはちょっと穏やかになったって話だし、今の子たちはのびのびやれてるっぽいよな」
[バーチャル学園系の切り抜き見たけど確かにレベル高い]
[にじライブで欲しい人材の宝石箱]
[今は蠱毒じゃなくてちゃんと育成してる感ある]
[のっふぃ、リンリン、タイガーでのコラボは鉄板]
[教育成功してるんだよなぁ]
「わかる。あの三人の掛け合いは、ずっと見てられる。特に乃尋ちゃんってまともそうに見えてだいぶアレだからな。リンちゃんも容赦なくボケるから鶫ちゃんがツッコミまくるし」
[あの二人放っておくと無限に脱線するからな]
[タイガーの存在は重要]
[ツッコミ過労死枠]
[鶫ちゃんの胃が心配……]
レオは熱心に語りながらも、ふと小さく笑った。
「いやぁ、候補生達のデビューが楽しみすぎて、つい熱くなったわ」
[レオ君からこういう話聞けるのレアだわ]
[こっちも楽しかった!]
[デビューしたら即グッズ購入]
「俺も先輩としてサポートしていかないとな」
コメント欄に広がる応援の声に、レオは満足げに頷きながら配信を続けた。
そう、レオは満足していた。
愛する者や大切な仲間と幸せな時間を過ごせる。
期待している者達もぐんぐん育っている。
だが、心のどこかでこうも思っていた。
まだ自分には、バーチャルタレントとしてもっとできることがあるんじゃないか……と。