ジョジョの奇妙な冒険 琥珀の情熱   作:Daddy I

1 / 1
初めまして。ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンより原作では一巡した世界が展開されなかったストーリーを執筆しようと思います。
過去作品を読みながら矛盾点が無いようにしていますが、おかしい箇所があるかもしれません。
あくまでifの物語、よろしくどうぞ。


空条丞伊、起きる。①

 

『来いッ!プッチ神父』

 

迫り来る最強のスタンド「メイド・イン・ヘブン」とプッチ神父。

遠くなる徐倫の背中を見つめながら、まだ幼いエンポリオ・アルニーニョは涙した。

 

「うわああああ!!」

 

その刹那、己の横を通り過ぎて徐倫の元へ向かう"気配"を彼は感じた。

 

「ゴールドエクスペリエンス・レクイエム」

 

声の主の姿は見えず、ただあるのは凄まじい気迫と一体のスタンド像だけだった。

悠然と立つそのヴィジョンを確認するなりプッチ神父が狼狽える。

 

「なんだとッ!貴様、なぜ此処に居る!」

 

「貴方の事をずっと見ていた。世界を終わらせる訳にはいかない。この場で貴方を"始末"するッ!!」

 

「ふざけるなァァ!!新世界への進化を邪魔する気か!」

 

メイド・イン・ヘブンとプッチ神父が徐倫から標的を正体不明のスタンドへと変える。

スタンドとスタンドがぶつかるその瞬間、先に攻撃を仕掛けたのはプッチ神父だった。

 

「射程距離に入ったッ!加速した時間では貴様のスタンドも無力よ!」

 

「───射程距離に入ったのは貴方だ」

 

メイド・イン・ヘブンにゴールドエクスペリエンス・レクイエムの拳が突き刺さる。

ダメージにより顔面が歪むプッチ神父を見てエンポリオと徐倫は驚愕した。最速のスピードを誇るスタープラチナですら攻撃を与える事が出来なかったプッチ神父に一撃を見舞うスタンドを見て彼らは口を開け、見つめることしか出来なかった。

 

『オ前ハ、モウ"真実"ニ到達スルコトハナイ』

 

「何を、言っているッ…!はっ」

 

明らかに時間の"進み方"が緩やかになっていくのをその場の全員が理解した。スタンドがメイド・イン・ヘブンへ攻撃を与えたことによる影響をプッチ神父が悟ると、顔面から見る見る内に血の気が引いていく。

 

「貴方はもう時間を加速させるという真実へ到達することは無い。それが、ゴールドエクスペリエンス・レクイエム」

 

「馬鹿なッ!こんな!こんな事が!!」

 

「貴方は負けたのだ。彼女たちの"覚悟"に」

 

メイド・イン・ヘブンが徐々に塵になり消えていく。

 

「あぁああああああああぁぁぁ!!」

 

冷静さに満ちていたプッチ神父が最後の悪あがきと言わんばかりに無数のナイフをヴィジョンへ投げつける。

スピードは以前、エンポリオと徐倫達が反応出来るものでは無かったがゴールドエクスペリエンス・レクイエムは拳を構えた。

 

「『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!』」

 

全てのナイフをラッシュで叩き落とし、そのままプッチ神父へ攻撃する。

 

「ぐおおおぉぉおお……!」

 

崩れ落ちるプッチ神父は海へと落ち、ゆっくりと海底に沈んでいく。

メイド・イン・ヘブンも完全に霧散し、戦いは終わったように思えた。

 

「勝った…?あのプッチ神父を倒したの?」

 

徐倫はスタンドの主を探す。

やがてゆっくりと声の主がその場に姿を現した。

 

「貴方、いえ貴方達は一体?」

 

何も無い空間から男と女が現れる。

青年に見えるが幾つもの修羅場をくぐり抜けた凄みを感じさせる男と黒髪にダークスーツを着た女は徐倫よりも若く見える。

 

「名乗る程では無い。徐倫、あなたのお父さんからの頼みで僕達はここに来ました。彼女の能力を使って」

 

青年がゆっくりと徐倫に手を差し伸べる。

イタリア人を思わせる顔立ちだが、徐倫はその手に触れた瞬間に自分と同じ何かを感じ取った。

 

「空条徐倫、あなたの働きが無ければ世界は終わっていたでしょう。時間を稼いでくれなければ間に合わなかった」

 

「お姉さんは誰なの…?」

 

イルカから降りたエンポリオは女に訪ねる。

 

「私は徐倫のお父様、空条承太郎さんに助けてもらったことがあるの。彼から数日前に連絡が来て、ジョルノを連れてきてと言われたわ」

 

「事情を知った時には既に遅かった。僕達がネアポリスからここに来るまで、プッチ神父はすでに天国へ行く手段を遂行して貴方たちを追い詰めていた」

 

「ジョルノと私の能力なら倒す事が出来たけれど、その為には時間が必要だった。だから徐倫、貴女たちがいなければこの勝利は有り得なかったのよ」

 

「そう……。私たち、勝ったってこと?」

 

「そうです。今は休まなければ。間も無く、SPW財団のヘリがここに来ます。承太郎、エルメェス、アナスィも無事ですが治療が必要です」

 

遠くからヘリコプターがこちらに向かって来るのが見える。仲間たちの無事を知り、徐倫とエンポリオは安堵のあまり気を失った。

 

「ジョルノ、私達も行かなければ」

 

「えぇ、ですがプッチ神父は本当に再起不能になったのでしょうか」

 

「彼そのものは貴方の能力で永遠のループを彷徨う事にはなるけれど、彼の信奉者はまだ世界に散り散りになっているわね」

 

「だが、それもきっと……彼女たちの後の世代が立ち向かってくれるでしょう」

 

この戦いから世界は一巡すること無く、元通りの時間が流れて行く。

時は数年後、日本のS市より程近い小さな海の街から始まる───。

 

ジョジョの奇妙な冒険 琥珀の情熱

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。