第二王女なので人生イージーモードだと思ってたら放逐された(笑) 作:山羊次郎
私は王女。……そう、王女である。
私の名はエルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ。……はいそこ、長いと思ったやつ、正直に名乗り出なさい。私も思ってます。
まぁ、ぶっちゃけると、私は普通の王女ではない。
なにしろ私には、前世の記憶があるのだ。
あれは、思い出すのも億劫な、過酷な日々だった。毎日戦いに明け暮れ(ネトゲ)、周りから畏れられ(気味悪がられ)、話しかける事も出来ない(只のコミュ障)。
私はいつの間にか、人生を一人で過ごすようになっていた(引き籠りend)。
そんなある日、私は、運命を自分の手で、未来へ、多くの希望を掴むために、人々の住む世界へと舞い降りた(パチ〇コ)。
しかし、私は絶望に負け、希望を失った。だが、この程度でへこたれる私ではない。私は生まれつき不幸である(それでなぜギャンブルをしようと思った?)。
なので、銀行強盗から通り魔に遭遇、挙句の果てには警察に事件の犯人と誤認されて逮捕、なんてことも常々あった。
そんなこんなで、メンタルが超強化されている前世の私だが、流石に納得できない事件が、私を襲ったのだ。
そう、私は死んだのだ。近年流行している新型ウイルスによって。……は?
まぁ、そんなこんなで、特効薬もなければ予防薬もない。あっけなく私の人生は終了を告げたのだった。……あぁ、せめて、来世では何不自由なく健やかに生きたい……そんな願いが通じたのか
生まれ変わったら第二王女様になってました。……マジで驚きましたねうん。
でもこれで人生イージーモードだヒャッフー!って思ってたら
……放逐されました(血の涙)。
ふざけるな!ふざけるなぁ!バカやろぉぉぉぉぉぉおう!(迫真)。どうしてこうなった?私はどこまで不幸なの?生まれ変わっても不幸とか意味分からんマジふざけんな。
しかし、そんな私の叫びは誰にも届かず(そもそも心の中で叫んでいるのだから聞こえるはずもなく)無慈悲にも我が母たるアルザーノ帝国女王、アリシア七世は――
「貴女のような存在は王家の汚点。早々に消えなさい」
――とか言ってくる始末。えっ、酷くね?さすがの私も泣いちゃうよ?まぁ、スーパーメンタルだから泣かないけど。
というか一応、彼女たちにも訳がある……というより、原因は私なのだ。
この世界には、『魔術』と呼ばれるものがある。
『原初の魂』が最初に発したという、「
小難しい理論が並べられれていて訳分っかんないけど、要は変な呪文唱えたら、なんかスゲ―ことが起きる魔法っぽい何かと思えばいい。
因みに、私も少し魔術が使えます。我が母が教えてくれた。
で、それとは別に、『異能』というものが、この世界には存在する。
魔術に依らない奇跡の力を、生まれながらに体現する特殊能力を異能。その総称を『異能者』という。
そしてここからが重要なのだが、私はその『異能者』なのだ。
異能の説明が難しい人は、『とある魔術の禁書目録』の『原石』系の能力とでも思えばいい。しかも、全員がレベル4からレベル5クラスの。
うん、普通にバケモノ。そして、『異能者』は、わが国、アルザーノ帝国では、
そして、私はその迫害の対象である『異能者』。そんなのが王家に生まれたとなっては、帝国政府、王家の威信にかかわる。
そう言う訳で、私は病死したとされ、放逐されることになった。
一見すれば、なんて酷い奴らだ、血も涙もないのか、と言いたくなるが、これでもだいぶ譲歩されているのである。
昔文献で調べたのだが、『異能者』を悪魔の生まれ変わりとして、人々の前で見せしめで火炙りにした、なんてこともあったらしい。
そんなやばい存在なら、内密に処刑したほうがマシだ。にも拘らず、私は放逐されるのだ。
これは、だいぶ温情を掛けられている。しかも、
……なんだよ、王家の汚点とか言いながら、愛してくれてんじゃん。ぐすん。嬉しくなんて、ないんだからね!(謎のツンデレ)
まぁ、そう言う訳で、私は放逐されちゃったのだ。居候先も決まっている。なんでも、フィーベル家という、貴族の家系らしい。
わお、貴族暮らしか。悪くないな。この世界は魔術の存在の影響か、科学が余り発達していない。なので、当然生活面で、現代日本との差が出てくるのだが、貴族、特に上流階層だとそうでもない。
家も結構広い、王室には及ばないが。新しい親、というより、フィーベル家の皆さんは滅茶苦茶優しい。何この人たち、めっちゃいい人なんだけど。
一応、フィーベル家の両親は私の素性を知っているのだが、『異能者』差別もしないし、普通に接してくれる。後スープ美味しい。
まぁ、二人のバカップルっぷりには呆れるを通り越して、いっその事清々しさを覚えている。
そして、私は(前世を含む)新しい、初めてのお友達が出来ました。
紹介します。シス……シス……シス何とかさんです。
「システィーナよ!なんで名前覚えてないの!?わざと間違えてるんじゃないでしょうね⁉」
ソ、ソンナワケナイジャナイデスカー。
そう言う訳で……システマさんです。えっ、違う?細けぇことはいいんだよ。
この子ね、いい子ちゃんなの。親御さんにぞっこんって感じだし、なんでも、死んだお爺様の夢である、『メルガリウスの天空城』の謎を解くという夢を継いでいるらしい。
あっ、『メルガリウスの天空城』について説明すると、この世界には、何故か空に城が浮いてるんだよね。それなんてラピュタ?的なのが。
で、何度も専門家がそれについて調べようとしたけど、空に浮いていること以外何も分からないらしい。えっ、やばくね?そんなもんの秘密解くの?
「そうよ!私はやってやるんだからね!」
元気がいいですねシステマさん。
「システィーナよ!いい加減覚えなさいよ!」
「もう地の文で会話するのも面倒くさいや」
「えっ、急に何?怖いんだけど」
あれ、し、し……白猫ちゃんが何か言ってるぞ。
「白猫!?それって私の事!?人の事猫扱いしないでよ!」
「いいじゃない。猫っぽいんだし」
「フシャー!」
あっ、こら!引っ掻こうとするな!
「で、どうするの?」
「……何が?」
「……何がじゃない!私たち、
はい、そういうことで、何故か誘拐されました。誰か助けて。
多分続かない。