サイオニックの流れ星! 作:低浮上浮遊大陸
「うわああああああああああ!」
僕は猛烈な勢いで吹き飛ばされていた。何故そうなったのかということは思い出したくもないことだし、その後に訪れた一連の流れを含めて全てが一瞬のうちに終わったので自分でも何が何だかわからない。まず初めに全身を
◇ ◇ ◇
その日、森を災害が襲った。
空の彼方より一つの流星が飛来したのだ。その落下速度はあまりにも早く、森にいた何者もそれを知覚することはできなかっただろう。しかし、その衝突によって衝撃波が森全体を揺るがし、その後に舞い上がった粉塵によるきのこ雲は高度50キロメートルにまで達した。
そして、災害にはまだ続きがあった。流星の落下地点を中心に桃色の波のようなものが同心円状に広がり、森を覆い尽くしていったのだ。恐ろしいことに波に触れた部分は何十年何百年といった期日を早送りするかのように、一瞬のうちに枯れ果ててしまった。森に棲む生物たちには危険を察知し逃げようとしたものもいたが、あまりにも早い波に抗うことができた者はいなかった。やがて波は森全体を覆うほどに広がり……そしてぴたりと波が広がるのが止まった。次の瞬間には波はすっとその姿を消した。
後には枯死したような、真っ黒な森の残骸だけが残されていた。
◇ ◇ ◇
「けほっ」
血が出る。むせる。
完全に気絶していたのなんて何年振りか。そうだ。敵は? みんなは? 思わず飛び起きる。
痛っ。
全身あちこち動かすだけで痛い。特に心臓。まるで一度バラバラに弾け飛んだかのような不安定さだ。
痛みを押してなんとか辺りを見回すと、辺り一面に見えるのは何か真っ黒い森。敵の姿はない。味方も。
宇宙空間から地上まで落ちてきたのか? 極限状態のまま宇宙空間を彷徨うことになったら死んでいただろうから、僕は運がいい。
それにしても、僕は自分でいうのもアレだが相当狙われていた立場のはずだ。ここへ誰も追ってこないというのには違和感があるが、もう死んだと思われているのか? あれだけ用意周到な奴らが。
もう一度周囲を見回してみるとそもそもおかしい。地上に土がむき出しの場所なんてもう存在しないはずだ。二、三世紀前に存在したという自然保護区画だってせいぜいが縦横数キロメートルの壁に囲まれた箱庭だというし、枯死したような樹木であっても燃料としての利用価値は十分にあるはずだ。ここまで無造作に放置されているというのはありえない。
ありえない? ……まてよ?
不自然に枯れた森。死ぬほどのダメージがあったはずなのに、”かなり痛い”で済んでいる僕。
……。
僕がやっちゃったみたいですね、これは。
赤い。
ぐずぐずになりながらも鼓動を続けていて、なんというか破壊と再生を続けている感じだ。直視したらなおのこと痛いしかゆい。自分の身体のことなのによく分からないが、あまり
さて。いつまでもこんな格好をしていられないので、少しばかり身を清めよう。
誰も見てないし服を脱いじゃって、水の塊を呼び出して全身を流す。温風で全身の水分を適度に飛ばし、
脱いだ服はボロボロすぎるし燃やしておこう。
しかし改めて、ここは一体どこなのだろうか。不用心だとは思うが飛行して周囲を確認してみよう。知覚できる範囲では敵対者、どころかそもそも動くものの気配すらない。僕が
「うむ」
上昇していくにつれて森の大きさが明らかになる。そしてその全てが枯れている。一体どこまで吸収したんだ僕は。もしあの中に人間がいたらどうしよう。
「うむむむ」
ようやく地平線に黒以外のものが見えてきた。しかしそれは僕の想像していたものではなく、どす黒い雲に覆われた山という自然あふれる場所であった。
「何だこれは。僕は今、超能力による攻撃を受けているのか?」
僕は、今の地球上に開発されていない場所はないということを知っている。地面だけでなく、天候だって一切の被害が出ないように制御されている。それだというのにこの光景は……まるで幻覚を見せられているかのようで、全く現実感の湧くものではなかった。
気になったので山の方へ飛んでいってみる。近づいてみるとその雲は成層圏にまで到達していた。
突然、雲と
次の瞬間には、僕の身体は雷に打たれていた。