魔王と救世主で世界最強   作:たかきやや

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兎とフォームチェンジと

    

 

 

 

 

「それじゃあ、お二人とも魔力を直接操れたり、固有魔法が使えると…?」

 

 大峡谷を疾走する二台のバイク。ハジメ達の乗る【シュタイフ】に、ウサミミの少女――『シア・ハウリア』は居た。ハジメが操縦し、その前にユエが座り、後に香織が座り、サイドカーにシア座っていた。

 

 

「あぁ、そうなるな。この乗り物や俺の武器はアーティファクトみたいなもんだが」

 

 それに、と

 

「俺よりも、ショウなんかそれ以上の存在だ」

 

 そう言ってハジメは視線を、隣を飛行するショウとアシストに向ける。

 

 

 ショウは桃色の羽のエフェクトを広げ、バックパックに取り付けた〝重力石〟で飛行している。

 

 

 アシストは〝ノイント〟が使っていた分解魔法の翼で飛んでいる。

 

 

「それってつまり、私と皆さんって――」

 

「魔物と同じ力を持つって点では同類だね」

 

「……そうだったんですね……」

 

 それを聞いてシアが泣き出す。自分だけじゃなった……泣かずにいられないだろう……

 

「そろそろです」

 

 アシストが目的地への到着を知らせる。

 

「魔物の群…ハジメさん! もしかしたら…!!」

 

「騒ぐな。わかってる 飛ばすから確り掴まってろ!」

 

 シアが慌て、ハジメはそう言うと【シュタイフ】のスピードをあげ、

 

 

 

 

 

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 全長3m~5mの、尾に刺付き鉄球の様な気管を持つワイバーン『ハイベリア』………コイツらが兎人族を襲っていた

 

 その内の一匹が子供を庇う兎人族の女性を尾で叩き潰そうとする

 

 

 

 刹那、ハイベリアは無数の鉛弾に頭をズタボロにされて死んだ

 

「……え?」

 

「はぁぁぁぁあ!!!!」

 

 彼女は見た

 

 

 

 ハイベリアの群を襲う、ヒトの形をした〝何か〟を

 

 桃色の羽を煌めかせながら、燃え上がる剣を鞭の様にしならせながらハイベリアを焼き切る蒼い髪の少年………ショウだ。

 

 

「ハァアアアアアアアア!」

 

 そう掛け声をあげながら蛇腹剣を振るうとどんどん伸びる伸びる。それがこのアーティファクトの特徴だ

 

 

 ―装着型蛇腹剣アーティファクト 

         アグレッシブ・ブレイド―

 

 刃の根本部分に小さな〝宝物庫〟がついており、そこに収納されている最大百キロメートルの長さの刃が魔力を注ぐことで自在に出し入れ出来るのだ。一見すると無限に伸びる蛇腹剣である。

 

 

 そこに[+魔力武装]で火属性を纏わせて斬ると同時に焼き尽くしている。

 

 

 

 それを振るうショウと共に、自分達の前に何かが止まり、白髪に黒い服装の少年少女……ハジメと香織が何かを持って、ショウと共にハイベリアの群を駆逐していく……

 

「みんな! 助けを呼んできましたよ!!」

 

少年と共に居たのは、シアだった

 

 

『シア!!』

 

 兎人達は、シアが連れてきた助けに安堵した。それと同時に、ハイベリアの群も皆死に絶えた………

 

 

 

 

 

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「ハジメ殿で宜しいか? 私は、カム。『カム・ハウリア』シアの父にしてハウリアの族長をしております。この度はシアのみならず我が一族の窮地をお助け頂き、何とお礼を言えばいいか…… しかも、脱出まで助力くださるとか……父として、族長として深く感謝致します」

 

 そう言って、カムと名乗ったハウリア族の男性は深々と頭を下げた。濃紺の短髪の初老の男性は、確かに何処と無くシアに似ていた 後ろには同じように頭を下げるハウリア族一同が居る

 

 

「礼は受け取っておく。だが、樹海の案内と引き換えって事は忘れるなよ?」

 

「勿論ですとも」

 

 ハジメとカムが話す間、ショウは魔物を解体して異空間収納に仕舞った。

 

「ハジメ、魔物の回収終わったよ」

 

「よし!グズグズしてっとまた魔物が集まってくる。此処を出るぞ」

 

 そう言ってハジメ達を峡谷の出入り口である峡谷の階段に誘導した

 

 

 

 

 

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 峡谷の出入り口である階段を登る中、シアが口を開く

 

 

「あの……ハジメさん。本当にいいんですか?」

 

「何がだ?」

 

「この先には帝国兵が居ます。このままだと同じ人間族と戦う事に……」

 

「それがどうかしたのか?」

 

 おずおずと言うシアにハジメはそう応える

 

 

「えっと……私達を守る為に同族と敵対する事になるのでは……と……」

 

「何勘違いしてるのかな」

 

「言っとくがな。お前らを守るのは樹海の案内が終わるまでだ。邪魔するヤツは魔物だろうが人間だろうが〝殺す〟!それだけだ」

 

 冷酷にハジメと香織は言い、腿のホルスターに仕舞っている〝ドンナー&シュラーク〟を抜いた。

 

 

 一方でショウは、

 

 

「早めに殺りたいから別のフォームになるよ」

 

 そう言いながらショウは〝フォームチェンジャー〟でフォームチェンジをする。

 

 

 黒いスーツから白いスーツに赤黒いコートをはおり、首にチョーカーのようなアーティファクトを装備。

 

 

 それでは新フォームの祝福をしてもらおう。

 

 

「祝え!邪神を駆逐し、ハジメ等を故郷へ導く我らがメシア!その名もアオイ ショウ 

ヴィランキングフォーム!悪党皇の救世主がこの地に降り立った瞬間です!」

 

『…………………』

 

 ハウリア一同は状況がわからず黙るしかなかった。

 

 

「恒例行事だ。気にするな」

 

「いや、今日から始めただろ!?」

 

「細かい事は気にするな。さ、行くぞ」

 

 とりあえずではぐらかし、先を急ぐように促す

 

 

「何だか、忙しい人ですね」

 

 シアの言葉に一部を除いた一同は賛成せざる得なかった。

 

 

清水どうする?

  • 殺れ
  • 助けて

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