魔王と救世主で世界最強   作:たかきやや

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メインヒロインの回みたいなのです。


解説と相棒

        

 

 

 ステータスプレートが配られた日から二週間が経った。

 

 

 現在、俺は自室で筋トレをしていた。

 

 

 なぜ、自室で筋トレをしているのか。それは、技能「成長補足」の効果により、周りより早く成長するが、ばれたらいろいろと不味いのでバレないいようにレベル上げをしていた。

 

 

 ちなみに、ハジメは、白崎と一緒に職人の工房で錬成の特訓をしている。一緒にいる間は檜山達にも襲われかねないし万が一のために八重樫にもお願いした。八重樫はたのみを聞いてくれた。さすがお姉さま、略してさすおね。そうして俺は自分の特訓に集中した。

 

 

『レベルが上がりました』

 

 

 と無機質で綺麗な声が頭の中に響いた。そして俺は筋トレをやめてステータスプレートを開いた。その結果がこちら。

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蒼 翔 17歳 男 レベル:〈50〉5

 

天職:救世主

 

筋力:〈5000〉20

 

体力:〈5000〉20

 

耐性:〈5000〉20

 

敏捷:〈5000〉20

 

魔力:〈-∞〉-20

 

魔耐:〈5000〉20

 

技能:〈全属性適性(+想像構成)(+複数同時構成)(+遅延発動)・回復魔法(+想像構成)(+遅延発動)・結界術適正(+想像構成)(+遅延発動)・全属性耐性(+魔法吸収)・物理耐性・状態異常無効・複合魔法・武器召喚(+瞬間装備)(+武器保管)・戦闘術(+我流流派)・天歩(+瞬光)・魔力変換(+衝撃変換)・気配操作(+気配遮断)(+気配関知)・魔力感知(+特定関知)・限界突破・成長促進(+アシスト)・偽装(+外見変化)(+力量操作)・重力魔法・空間魔法・再生魔法・魂魄魔法・昇華魔法・変成魔法〉・魔力反転〈(+魔力操作)〉・言語理解

 

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 これが、二週間の筋トレの成果である。〈 〉の中のステータスは『偽装』で隠しているものである。あと、『偽装』の派生技能に(+力量操作)とあるがこれは、『偽装』で偽ってる通りのことしか出来なくするいわゆるちょうどよく手を抜く能力である。ちなみにハリボテ勇者の天之河の成果がこちら。

 

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル:10

 

天職:勇者

 

筋力:200

 

体力:200

 

耐性:200

 

敏捷:200

 

魔力:200

 

魔耐:200

 

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

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 ざっと俺の偽装ステータスの十倍の成長率である。

 

 

 それと俺には魔法の適性があるらしい。

 

 

 魔法適性があるとはどういうことか。この世界における魔法の概念を少し説明してもらおう。

 

 

 頼むぞアシスト

 

 

 ―はい、皆様はじめまして。私は、技能『成長補足』の派生技能(+アシスト)です。所有者であるショウ様の成長記録の保存や効率上昇の手助けに技能や技、魔法の解説、第四の壁の向こうの皆様への解説を行います。以後お見知りおきを―

 

 

 ちなみにさっきのレベルアップの通知もこいつが行った。それにアシストはスゴい。声が綺麗なだけじゃなくて、朝起こしてくれるし、忘れてる事や知らない事があったら教えてくれるし、とにかく俺に尽くしてくれるし、控えめに言って最高だ。嫁に欲sゲフンゲフン。さて、脱線したな。じゃあ頼むぞ

 

 

 ―はい、まずトータスにおける魔法は、体内の魔力を詠唱により魔法陣に注ぎ込み、魔法陣に組み込まれた式通りの魔法が発動するというプロセスを経ります。魔力を直接操作することはできず(ショウ様の場合できますが偽装しています。)、どのような効果の魔法を使うかによって正しく魔法陣を構築しなければならないのです―

 

 

 ―そして、詠唱の長さに比例して流し込める魔力は多くなり、魔力量に比例して威力や効果も上がっていきます。また、効果の複雑さや規模に比例して魔法陣に書き込む式も多くなり、それは必然的に魔法陣自体も大きくなるということに繋がります―

 

 

 ―例えば、RPG等で定番の〝火球〟を直進で放つだけでも、一般に直径十センチほどの魔法陣が必要になる。基本は、属性・威力・射程・範囲・魔力吸収(体内から魔力を吸い取る)の式が必要とし、後は誘導性や持続時間等付加要素が付く度に式を加えていき魔法陣が大きくなるということです―

 

 

 ―この原則にも例外があります。それが適性です―

 

 

 ―適性とは、言ってみれば体質によりどれくらい式を省略できるかという問題であり、例えば火属性の適性があれば、式に属性を書き込む必要はなく、その分式を小さくできると言った具合です―

 

 

 ―この省略はイメージによって補完され、式を書き込む必要がない代わりに、詠唱時に火をイメージすることで魔法に火属性が付加されるのです―

 

 

 ―大抵の人間はなんらかの適性を持っているため、上記の直径十センチ以下が平均であるのですが、ショウ様の場合、全く適性がないことになっているため、基本五式に加え速度や弾道・拡散率・収束率等事細かに式を書かなければならなかった―

 

 

 ―ちなみに偽装を解いたら陣なしの詠唱のみで発動可能です―

 

 

 ―そのため、〝火球〟一発放つのに直径二メートル近い魔法陣を必要としてしまい、実戦では全く使える代物ではなかったのです―

 

 

 ―ちなみに、魔法陣は一般には特殊な紙を使った使い捨てタイプか、鉱物に刻むタイプの二つがあり、前者は、バリエーションは豊かになるが一回の使い捨てで威力も落ちます。後者は嵩張るので種類は持てないが、何度でも使えて威力も十全というメリット・デメリットがある。イシュタル達神官が持っていた錫杖は後者の方です―

 

 

 ―そんなわけで近接戦闘はステータス的に無理、魔法は適性がなくて無理、頼みの技能の〝魔力反転〟は使いものにならないと言うことで手軽な装備をもらっただけです―

 

 

 ―とまあこのようにクラスメイト達から無能のレッテルを貼られております―

 

 

 ―解せない。何故ショウ様が本気を出さないのか?何故無能のレッテルを受け入れているのか?はっきり言って理解できません―

 

 

 ―しかも、自分のことではなく、ハジメ様の心配ばっかり!確かに彼は強くなることは間違いないのに何故あそこまで気にかけるのでしょうか?理解できません!!―

 

 

アシスト。そのくらいにしてくれ。読者が困る

 

 

 ―私としたことが、失礼いたしました。お詫びとしては何ですがこの世界についていくつか説明させていただきます―

 

 

 ―亜人族と魔人族の説明をいたします―

 

 

 ―二つ前の話で出てきた亜人族と言う簡単に言えばケモミミ、ケモシッポの種族が存在します。亜人族は大陸の東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしいです―

 

 

 

 ―亜人族は被差別種族であり、基本的に大陸東側に南北に渡って広がる【ハルツェナ樹海】の深部に引き篭っている。なぜ差別されているのかというと彼等が一切魔力を持っていないからです―

 

 

 ―神代において、エヒトを始めとする神々は神代魔法にてこの世界を創ったと言い伝えられている。そして、現在使用されている魔法は、その劣化版のようなものと認識されており、それ故、魔法は神からのギフトであるという価値観が強いのです。もちろん、聖教教会がそう教えているのですが―

 

 

 ―これは余談ですがショウ様はその神代魔法を使う事ができます。しかも六つ。そのうちのひとつ、空間魔法で、第四の壁の向こうにある程度干渉することができます。さすがはショウ様!略してさすショウ!!………話を戻します―

 

 

 ―そのような事情から魔力を一切持たず魔法が使えない種族である亜人族は神から見放された悪しき種族と考えられているのであり、そのため、奴隷以外、まず外では見つからないらしいです―

 

 

 ―じゃあ、魔物はどうなるんだよ? という声が聞こえてきますが、魔物はあくまで自然災害的なものとして認識されており、神の恩恵を受けるものとは考えられていない。ただの害獣らしい。なんともご都合解釈なことですね―

 

 

 ―なお、魔人族は聖教教会の〝エヒト様〟とは別の神を崇めているらしいのですが、基本的な亜人に対する考え方は同じらしいです―

 

 

 ―この魔人族は、全員が高い魔法適性を持っており、人間族より遥かに短い詠唱と小さな魔法陣で強力な魔法を繰り出すらしいです。数は少ないのですが、南大陸中央にある魔人の王国ガーランドでは、子供まで相当強力な攻撃魔法を放てるようで、ある意味、国民総戦士の国と言えるかもしれないようです―

 

 

 ―人間族は、崇める神の違いから魔人族を仇敵と定め(聖教教会の教え)、神に愛されていないと亜人族を差別し、魔人族も同じだそうです。亜人族は、もう放っておいてくれといった感じでしょうか? どの種族も実に排他的であります―

 

 

 ―次に海上の町エリセンの説明です―

 

 

 ―【海上の町エリセン】は海人族と言われる亜人族の町で西の海の沖合にあり、亜人族の中で唯一、王国が公で保護している種族らしいです―

 

 

 ―その理由は、北大陸に出回る魚介素材の八割が、この町から供給されているからであります。全くもって身も蓋もない理由ですね。「壮大な差別理由はどこにいった?」と、この話を聞いたときショウ様は内心盛大にツッコミを入れたものです―

 

 

 ―ちなみにですが、西の海に出るには、その手前にある【グリューエン大砂漠】を超えなければならないのです。この大砂漠には輸送の中継点として重要なオアシス【アンカジ公国】や【グリューエン大火山】がある。この【グリューエン大火山】は七大迷宮の一つです―

 

 

 ―七大迷宮とは、この世界における有数の危険地帯を言います―

 

 

 ―ハイリヒ王国の南西、グリューエン大砂漠の間にある【オルクス大迷宮】と先程の【ハルツェナ樹海】もこれに含まれます―

 

 

 ―七大迷宮でありながらなぜ三つかというと、他は古い文献などからその存在は信じられているのだが詳しい場所が不明で未だ確認はされていないからです―

 

 

 ―一応、目星は付けられており、大陸を南北に分断する【ライセン大峡谷】や、南大陸の【シュネー雪原】の奥地にある【氷雪洞窟】がそうではないかと言われています―

 

 

 ―次にこの世界の帝国の説明をいたします―

 

 

 ―帝国とは、【ヘルシャー帝国】のことで、この国は、およそ三百年前の大規模な魔人族との戦争中にとある傭兵団が興した新興の国で、強力な傭兵や冒険者がわんさかと集まった軍事国家らしいです。実力至上主義を掲げており、かなりブラックな国のようです―

 

 

 ―この国には『亜人族だろうがなんだろうが使えるものは使う』という発想で、亜人族を扱った奴隷商が多く存在しています―

 

 

 ―帝国は、王国の東に【中立商業都市フューレン】を挟んで存在してます―

 

 

 ―それでは次に中立商業都市フューレンの説明をいたします。

 

 

 ―【フューレン】は文字通り、どの国にも依よらない中立の商業都市です。経済力という国家運営とは切っても切り離せない力を最大限に使い中立を貫いています。欲しいモノがあればこの都市に行けば手に入ると言われているくらい商業中心の都市であります―

 

 

 ―以上で、説明を終わります―

 

 ―はいご苦労様でしたっと。ではそろそろハジメに頼んだ武器ができてそうだし行きますか―

 

そう思い俺は、支度を整え、訓練場まで歩き出す。

 

 

檜山いつ殺す?

  • ハジメを落とした後
  • 原作通り

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