魔王と救世主で世界最強   作:たかきやや

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檜山達に慈悲は無い


軽い遊び(原作だと虐めの回)

 

 

 

 

 訓練施設に到着すると既に何人もの生徒達がやって来て談笑したり自主練したりしていた。どうやら案外早く着いたようである。ショウは、自主練でもしてハジメ達を待つかと、支給された西洋風の細身の剣を取り出した。

 

 

 と、その時、唐突に後ろから衝撃を受け、転びそうになったがそうでもなかった。顔をしかめながら背後を振り返ったショウは予想通りの面子に心底うんざりした表情をした。

 

 

 そこにいたのは、檜山大介率いる変態組(ショウ命名)である。訓練が始まってからというもの、ことあるごとにショウとハジメにちょっかいをかけてくるのだ。

 

 

「よぉ、蒼。なにしてんの? お前が剣持っても意味ないだろが。マジ無能なんだしよ~」

 

「ちょっ、檜山言い過ぎ! いくら本当だからってさ~、ギャハハハ」

 

「なんで毎回訓練に出てくるわけ? 俺なら恥ずかしくて無理だわ! ヒヒヒ」

 

「なぁ、大介。こいつさぁ、なんかもう哀れだから、俺らで稽古つけてやんね?」

 

 

 一体なにがそんなに面白いのかニヤニヤ、ゲラゲラと笑う変態達。

 

 

「あぁ? おいおい、信治、お前マジ優し過ぎじゃね? まぁ、俺も優しいし? 稽古つけてやってもいいけどさぁ~」

 

「おお、いいじゃん。俺ら超優しいじゃん。無能のために時間使ってやるとかさ~。蒼~感謝しろよ?」

 

 

 そんなことを言いながら馴れ馴れしく肩を組み人目につかない方へ連行していく檜山達。それにクラスメイト達は気がついたようだが見て見ぬふりをする。

 

 

 (まあ、人気の無い方が都合がいいか。さらっと倒してハジメと合流しよう。『偽装』解除)

 

 

 そうして肩にある檜山達の腕を払った。

 

 

「変態ごときが、俺についていけるとでも?」

 

「はぁ? 俺らがわざわざ無能のお前を鍛えてやろうってのに何言ってんの? マジ有り得ないんだけど。お前はただ、ありがとうございますって言ってればいいんだよ!」

 

 

 そう言って、脇腹を殴る檜山。だか、ショウは痛くも痒くもない。

 

 

 しかし、檜山達も段々暴力にためらいを覚えなくなってきているようだ。思春期男子がいきなり大きな力を得れば溺れるのは仕方ないこととはいえ、その矛先を向けられては堪ったものではない。ここらで一回シメとくか。

 

 

 やがて、訓練施設からは死角になっている人気のない場所に来ると、ショウは距離を取った。

 

 

「ほら、来いよ。特別に相手してやる。」

 

 

 そう挑発すると檜山、中野、斎藤、近藤の四人がショウを取り囲む。ショウは鼻で笑った。

 

 

「チョーシこいてんじゃねえぞ、テメェ、殺すぞ!」

 

「ハ、殺れるもんならやってみろ!」

 

 

 次の瞬間、背後から背中を強打された。近藤が剣の鞘で殴ったのだ。がしかし、ショウには効かない、更に追撃が加わる。

 

 

「ほら、なに突っ立ってんだよ? 焦げるぞ~。ここに焼撃を望む――〝火球〟」

 

 

 中野が火属性魔法〝火球〟を放ったがショウが瞬時に-の魔力で、張った膜に当たり魔法が霧散した。

 

 

「「「「ハァ!!?」」」」

 

「どうした?その程度か?」

 

「こ、ここに風撃を望む――〝風球〟」

 

 

 焦りながら斎藤が魔法を放った。風の塊が結界に当たり霧散する。

 

 

 魔法自体は一小節の下級魔法だ。それでもプロボクサーに殴られるくらいの威力はある。それは、彼等の適性の高さと魔法陣が刻まれた媒介が国から支給されたアーティファクトであることが原因だ。

 

 

 だが、ショウには全く効かない。理由はさっき張った-の魔力結界だ。-の魔力が普通の魔力にぶつかり、中和され霧散した。だから魔法が効かない。

 

 

「さて、こちらもぼちぼちやるか」

 

 そう言って、ショウは-の魔力を+に変え、重力魔法を発動。変態四人はその場に伏せた。

 

 

 

「ハハッ、いい格好になったじゃないか」 

 

 鼻で笑って煽った後、そのまま立ち去ろうとしたら

 

 

 

 

「何やってるの!?」

 

 

 その声に「やべっ」という顔をするショウと地面にひれ伏したままの檜山達。それはそうだろう。その女の子は檜山達が惚れている香織だったのだから。香織だけでなく雫や光輝、龍太郎そして、ハジメもいる。

 

 

「おう、ハジメ。白崎はん。八重樫はん。見ての通りだ」

 

「見ての通りって、状況がわからないんだけど……!」

 

「喧嘩を売ってきた変態に身の程を教えただけだ。」

 

簡単に説明をして、その場を後にしようとするショウだったがこの状況を見過ごさない男がいる。天之河だ。

 

 

「おい、蒼!いくらなんでもこれはやり過ぎだ!!」

 

「何を言ってんだ。死ぬよりはましさ」

 

「死ぬよりはって、殺す気だったのか!?」

 

「何を言ってるんだい、天之河。俺達は戦争をやるんだ、人殺しは当たり前だろ」

 

 でも、こいつには殺し合いの自覚はないか。

 

 

「だとしても、味方を殺すのは間違っている」

 

「先に手を出したのはそっちだ。でも実際死んで無いし話はこれで終わりな」

 

 めんどくなったので無理矢理話を切った。やっぱこいつと話していると疲れる。

 

 

「おい!ま‥」

 

「やめなさい!光輝」

 

 天之河がショウを呼び止めようとしたがそれを八重樫が制止する。

 

 

「ハジメ、行こう。もう訓練が始まる」

 

「うん。それじゃ僕とショウは先に行くから」

 

 ハジメを促して俺は訓練施設に戻る。

 

 

 

 

檜山いつ殺す?

  • ハジメを落とした後
  • 原作通り

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