「ショオウラアァァァァァッ!」
そう気合いを入れながら反魔法の巨大な剣を叩きつけるショウ。ベヒモスの頭が地面に沈む。
「ハジメ!今だ!」
ショウの声にあわせてハジメ君も詠唱した。名称だけの詠唱。最も簡易で、唯一の魔法!
「――錬成!」
石中に埋まっていた頭部を抜こうとしたベヒモスの動きが止まる。周囲の石を砕いて頭部を抜こうとしても、ハジメが錬成して直してしまうからだ。 ベヒモスは足を踏ん張り力尽くで頭部を抜こうとするけど、今度はその足元が錬成され、ずぶりと一メートル以上沈み込む。 更にダメ押しとばかりに、ショウは巨大剣でさらに地面にめり込ませ、ハジメは、その埋まった足元を錬成して固める。 ベヒモスのパワーは凄まじく、直ぐ周囲の石畳に亀裂が入り抜け出そうとするけど、これだけ時間を稼いでくれれば十分だ。
「死にな」
ベヒモスの頭に目掛けて空間切断を加えた剣で頭を絶ち斬る。
「坊主! 準備が出来たぞ!! 走れ!!」
振り向くと、骸骨の兵隊は消え、撤退時と判断した
「走るぞ、ハジメ!」
ショウとハジメは、殿を果たしてクラスメイト達の元に走る。
「今だ!! 魔法詠唱!!!」
メルド団長の掛け声と共にクラスメイトの魔法が一斉にベヒモスに撃ち込む
法撃の援護の中、二人は走る。
その時だった
法撃の一つがハジメに直撃し、ハジメが怯んで止まる。 刹那、もう一発がハジメの足元で爆発し、ハジメは崩れた橋と共に奈落の底に落ちていく。
「南雲君!!!」
香織がいつの間にかこちらに走ってきてそのままハジメを抱き締める。彼女は何かに突き動かされるようにハジメの元に走りそのまま彼を抱き締めて奈落の底に落ちていく
「ハジメぇぇええええええええええええええええええ!!!!!!!白崎ハアアアアアアアアアアアん!!!!!!!」
ショウの手は、虚しく空を切り、ショウはこの日、大切な幼なじみと自分と同じくハジメを大切にしてくれた友を失った。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ハジメと香織が、ベヒモスと共に奈落の底に消えた………
クラスメイト達が俯き、沈黙する中、ショウはファングの銃口をクラスメイトに向け、発砲した
「ぎゃああああ!!」
「「「キャアァァァ!!!」」」
撃たれて踞る一人と、悲鳴をあげる女子達
ショウはツカツカと撃たれた奴に近付く
「あ、蒼……!」
「何で………って言うまでも無いか。なあ、檜山!!」
ショウはハジメを撃った犯人―――檜山の前に立つと、ファングを振るった
「あああぁぁぁぁぁあ!!!」
右耳を切り、のたうち回る檜山の腹を、重力魔法で重くした足で蹴る。
「ち、違う! 手元が狂ったんだ!!」
「よくもまあ上手に手元が狂う魔法が撃てたな!?しかもハジメを的確に狙って!!」
尚も否定する檜山に、今度は顔面に蹴りを見舞い、黙らせる。
「俺の恩人を狙い、殺そうとした!テメェは……!ここで死ね!!!」
俯せに転がし、左手の甲を踏み、ファングで切る。
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁああぁぁあ!!!!」
斬撃と共に、檜山の左腕が飛んだ。
ショウが放った斬撃は、檜山の左腕を肩からぶった切った。さらに飛んだ左腕の切り口に弾丸を三発撃ち、回復魔法でも直せないようにぐちゃぐちゃにした。
目の前の凄惨な光景に、クラスメイト達が悲鳴をあげる。その内の数人はその場で嘔吐していた……
「楽には死なせない。さんざん苦しんだ挙げ句に、地獄へ堕ちろ──『黒食』」
魔法名と共に現れた黒色の球体の特に意味のあるブラックホールが檜山の体を足から飲み込んで行く
「ああああああああああああああああああああああああ!」
「『その汚い口を閉じろ』」
「ン───────」
『神言』の様な魔法で檜山を黙らせ、そのまま親指を下に向け──
「死にな。この世の汚物」
その一言を笑顔で送ったとたん
「すまない……今は眠ってくれ」
メルド団長の声が後ろからした直後、ショウの意識は途絶えた………
清水どうする?
-
殺れ
-
助けて