やはり15巻を映画化来ましたね!
〈生徒会室〉
早坂先輩に見送られ、生徒会室へと向かう。早坂先輩の話だと、如何やら今日の四宮先輩は普段と違うらしい……多分アレだろうなと、前回の様子を思い浮かべながら扉を開いた。
「こんちゃーす。」ガチャッ
「っ! いしがみくん、おはよ!」てってって
「四宮先輩、おはようございます。」ナデナデ
「石上……少しは今の四宮に疑問を抱け。
「きゃわわー! かぐやちゃんてば、もふもふでふわふわー! 家に飾りたーい!」ギュッ、グニュニュン
「……!」パァン
「あいたっ!?」
「……」
「もー、叩いちゃめーっでしょ!」グニグニ
「うーん……やっぱり貧乳の人って、巨乳の人に対して何かしら思う所があるんですかね?」
「貧乳言ったるな。」
………
「こんにちは。」ガチャッ
「あぁ伊井野か、お疲れ。」
「うゅ……」ウトウト
「……四宮先輩、どうかされたんですか?」
「あぁいや……大丈夫だ、問題無い。」
「四宮先輩、随分と眠そうですね……」
「まぁ文化祭の疲れとか残ってるだろうしな。藤原の過剰な可愛がりが原因な気もするが……」
「今日は大した仕事もありませんし……寝かせといてあげましょう。基本的に、寝てたら無害らしいので……」ファサ
「あぁ、そうだな。」
(無害?)
ソファで横になる四宮先輩に毛布を掛けながら……僕は早坂先輩が言っていた言葉を思い出していた。
………
「とりあえず……元気に遊ばせるかお腹いっぱいにすれば
「四宮先輩は小学生か何かですか?」
「うとうとし始めたら、子守唄とか背中ポンポンとかして落ち着かせてあげてね。一度寝たら、中々起きない筈だから。」
「幼稚園児ですか?」
………
「……」
(早坂先輩……この状態の四宮先輩をフォローするのに、相当苦労したんだろうなぁ……)
「ねぇねぇ石上くん、クリスマスイブの日って暇? その日ウチ来ない?」モジモジ
「……勘違いさせる気満々な所悪いですが、引っ掛かりませんからね。クリスマスパーティに誘うつもりなら、普通に誘って下さい。」
「石上、今のでよくわかったな。」
(騙す気満々の藤原相手にここまで淡然と出来るんだから、大したモノだな。)
「もー! 石上くんてば、全然可愛気ないんですけど! えーえー! そうですよ、クリスマスパーティのお誘いですよ! 生徒会の皆で集まってワイワイするんですよ、文句あるんですか!?」
「何でキレてるんだよ。」
「会長も来ますよね? かぐやさんは来るって言ってますよ!……そうですよねー?」
「うーん……」
「ほら!」ドヤッ
「いや、魘されてるだけじゃねぇか。」
「ふ、藤原先輩! その……私は友達からクリスマスパーティーに誘われてて……」
「僕も、彼女いるんでパスで。」
「えぇっ!? 石上って彼女居たの!?」
「あぁ、奉心祭の時にちょっとね。」
「そ、そうなんだ……」
「え、彼女なの? 彼氏じゃなくて?」
「何言ってんだ。」
「」チラ
「藤原先輩は頭沸いてんですか?……伊井野もそんな目で見て来るな、違うから。いつもの藤原先輩の妄言だから。」
「そ、そうだよね……!」ドキドキッ
「……ハッ!」
(そっか! 石上くんとハーサカ君の関係は、言ってしまえば秘するべき関係! あまり大っぴらに吹聴する訳にはいかないって事ですね!)
「……藤原先輩?」
「フッ……そういう事なら仕方ないですね。石上くん、私はちゃんとわかってますからね!」ポンッ
(よく考えたらハーサカ君は女側なんですから、彼女と言っても差し支えないですよね!)
「はぁ、そうですか……」
(よくわかんないけど、アホ面してるから絶対わかってなさそう……)
その日の夜、とある少女は頭を悩ませていた!
「はぁ……なんとか遣り過ごす事が出来ましたが、明日からどうすれば良いのでしょう……」
私は手元にあるノートに視線を落とし、思考を巡らせ続けます。理由は単純で、今日の早坂さんの発言に対する対応策を捻り出そうと躍起になっている所なのです。しかし、理由が理由なだけに有効な対応策が思い浮かばないまま……時間だけが過ぎてしまっています。
「も、もう、ポエムノートを偽造するしか!? で、ですが……歩み寄ろうとしてくれている早坂さんに、嘘を吐くというのも……」
紀ちんの書いたポエム……読ませてくれる?
「む、無理ですわーーー! あんな澄んだ瞳で微笑み掛けて来る早坂さんに嘘を吐くなんて、出来る筈がありませんわ!!」
早坂さんが此方側なら何も問題は無いのですが、その判断を下すには情報が足りなさ過ぎますし……
「いっその事、早坂さんを此方側に引き込む事が出来れば良いのですが……たとえ引き込む事が出来なくても、理解を得る事が出来れば或いは!」
その希望的観測とは裏腹に、私の脳内には……最悪の状況が浮かんでは消えて行きます。
うわぁ……紀ちんてば、同級生で妄想するヤバい人だったんだ……秀知院のネット掲示板に書き込んでバズっちゃお〜☆
ノートの写真撮って〜! イン◯タとTwit◯erに画像上げて〜! 紀ちんの写真も一緒に載せて〜!……はい! バズる3種の神器の出来上がり〜!
「」
(アカンですわ)
い、いえいえ! 早坂さんはそんな人じゃありませんわよ!? ありませんけど……とりあえずのピンチは脱しましたし、早坂さんと2人っきりにならない様にすれば暫くは大丈夫……ですわよね? エリカが一緒では心許ないですが、事情を知っている石上編集が一緒に居ればヤバい事態にはならない筈……!
かれんは問題を先送りにした。
………
〈四宮邸〉
「……」
その日の夜……私はかぐや様の制服にアイロンを掛けながら、今日の出来事を思い出していた。紀さんは私の発言に一頻り動揺する様子を見せた後、急用があると言って去って行ってしまった。まぁいきなりあんな事を言われても紀さんも困っただろうし、仕方ないと思う。今度は……優君が一緒に居る時にお願いしてみようかな? 優君から聞いてるから大丈夫だよって。それなら紀さんも、気を許して話してくれるかも……
かれんは全然ピンチを脱していなかった。
「早坂、ちゃんと聞いてるの?」
「……えぇ、聞いてますよ。」
先程までの思考から意識を逸らし、目の前で不貞腐れている主へと視線を向ける。午前中の面倒臭い状態から元に戻ったと思ったら、帰って来るなり会長さんは意気地が無いだの、手を繋いでくれなかっただのと愚痴を聞く羽目になっている。今は会長さんのヘタレ話から派生して、優君の話になっている。
「全く……石上君くらいよ。年下なのに、私に対して一切の気後れもせずに接して来る様な子は。」
「意識してるかはわかりませんが……優君には、その人の本質を見抜く能力がありますからね。」
「あら、惚気かしら?」
「別にそういうつもりでは……」
「本当かしら? まぁいいわ……私に気安く接して来た事は、指輪に免じて許してあげるわ。」
「指輪? かぐや様、指輪って何の事ですか?」
「あら、言わなかったかしら? 文化祭の初日に貰ったのよ……石上君からね。」
「は?」
………
「……ん? 早坂先輩からメッセ来てる?」
〈うわきものー!〉
「!?」
この後滅茶苦茶弁明した。
次の日……僕は中庭のベンチに座り、早坂先輩からの尋問を受けていた。
「優君、本当に本当に……かぐや様の事は、何とも思ってないんだよね?」
「思ってません! いや、マジで。」
「そ、それでも!
「でも小指! 小指に嵌めるヤツですから! 勿論、早坂先輩には薬指に嵌める指輪をプレゼントするつもりです!」
「だったら良いけど……」
「いやホント、信じて下さい。」
「信じるよ、信じてるけど……」ムニッ
「へ、
「……優君の優しい所は大好きだけど、あまり私以外の女の子に優しくし過ぎてると……好き度下げちゃうからね?」ムニムニッ
「……
早坂先輩の言う通り、男の僕が女の四宮先輩に指輪を贈るという行為は些か迂闊過ぎた気がする……単なるお返しのつもりだったんだけど、早坂先輩の立場からすれば良い気はしないだろうなと反省する。
「……」ムニムニッ
「……」
早坂先輩は、むにむにと僕の頬を押したり引いたりし続けている……罰とかお仕置きのつもりだろうか? それなら、先輩の気が済むまで受けるのも吝かでは……
「ねぇ、かれん……共通の友達が結婚する時って、どっちの友達枠で結婚式に呼ばれるモノなの?」
「そうですわね……昔は男友達は新郎側、女友達は新婦側だったらしいのですが、近年ではそこまでキッチリ分けたりはしないそうですわよ?」
「へー、そうなんだ!」
「」
「」
「早坂さん、式には呼んでね!」
「記念写真は是非私達に!」
「こ、巨瀬ちんたら何言ってるし!?」
「そ、そうですよ、何言ってるんですか!」
「え? するんでしょ? 途中からしか聞こえなかったけど……会計君が早坂さんに薬指に嵌める指輪をプレゼントするって言ってたでしょ? もうそれって、プロポーズじゃん!」
「仲睦まじいですわねー。」
「あ……」
「あ……」
ガチ勢先輩のその指摘に、先程した発言が脳裏に蘇った……
でも小指! 小指に嵌めるヤツですから! 勿論、早坂先輩には薬指に嵌める指輪をプレゼントするつもりです!
……どストレートなプロポーズしてたわ。これ以上無いってレベルの発言してたわ……あれ? でも早坂先輩も受け入れてくれる感じだった様な……
「……」チラ
「はぁああぁっ……!!」ムズムズ
隣に座る早坂先輩に視線を向けると、真っ赤な顔を両手で隠しながら俯いていた……
「……ふーん、ふーん、ふふーん♪ あれ? 皆で集まって何してるんですか?」
「っ!?」
(げっ!? 藤原先輩!?)
「あ、藤原さん! カップルがプロポーズしてるだけだから気にしないで!」
「」
(エリカーーー!?)
「」
(ガチ勢先輩ーーー!?)
「え、プロポーズ!? 学園内でプロポーズするなんて、一体誰っ……」
「あ……」
「」
最悪だ……ガチ勢先輩を止める暇は無かったし、その直後に藤原先輩と目が合ってしまった。藤原先輩は、僕と俯く早坂先輩を交互にガン見している。コレを誤魔化すのは、中々骨が折れそうだ……そう考えながら、藤原先輩の反応を待っていると……
「えっ!? は、早坂さんが石上くんの恋人なんですか!? ちょ、じゃあハーサカ君は!? めくるめく男の子同士の友情(意味深)は!!?」ガビーン
……なんか思ってた反応と違った。
本日の勝敗、藤原の敗北
男の子同士の友情(意味深)が存在しない事実であると気付いた為。
これで完全に終わりですね。いやー思った以上に長くなった気がします。早坂√を書き始めた時は、四宮雲鷹が早坂愛の父親なのではないか?という考えがあったので、3話か4話くらいまでそのつもりで居たら本編で普通に父親出て来てシリアス展開を考え直す羽目になったのも、今では良い思い出です。
その場合は修学旅行まで話を引っ張るつもりでしたが、なんとか奉心祭辺りで終わらせる事が出来て助かりました_:(´ཀ`」 ∠):
もう書けないとは思いますが……万が一何か浮かんだら、また投稿します。万が一浮かんだらね、万が一ね……(´-`).。oOここまでお付き合いして頂きありがとうございました!