石上優はやり直す   作:石神

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早坂愛は調査する

早坂愛! 四宮家に忠誠を誓う早坂家に生を受けた、四宮かぐや直属の近侍である。秀知院学園ではギャル風の少女に擬態し、人知れずかぐやへのサポート任務を遂行している。今回はかぐやの命により、石上優についての捜査をする事となった。

 

「あ、ねぇねぇ! 貴女達1年生だよね? ちょっと教えて欲しい事あるんだけど〜☆」

 

「え? はい、私達でわかる事なら……」

 

5分後……

 

「そしたら、昼休みに校内放送で……」

 

「へー、そうなんだぁ☆」

 

10分後……

 

「それで、荻野が脅しを掛けて……」

 

「うんうん、それでそれで〜?」

 

20分後……

 

「もう、スッゴイドキドキしちゃいました!」

 

「わかる! アレは女子だったら、絶対キュンキュンしちゃうよねー!」

 

「へー、そうだったんだ! 色々教えてくれてありがとね〜☆」

 

早坂は話してるうちに盛り上がりを見せ始めた女子2人と別れると、直ぐに廊下の角に身を隠した。

 

「……ッ」ハッハッハッハッ

 

早坂、 事件当時の校内放送の詳細(石上の恥ずかしいセリフ)を聞いてしまい、本日の任務続行不能。

 


 

〈四宮邸〉

 

「かぐや様、ここ数日の調査結果です。」

 

私はかぐや様の部屋を訪ねると、調査結果を纏めた資料をかぐや様へと手渡した。

 

「お疲れ様。早坂……貴女から見て、石上優という男はどういう風に映ったのかしら?」

 

かぐやはパラパラと資料に目を通しながら、私にそう訊ねた。

 

「……良くも悪くも一本筋の通った人間という印象です。ですが、正義感からああいった事件を起こす人間は、いずれ本物の悪人と対峙した時に潰されるでしょう。」

 

「辛辣ね……まぁ、私も其処は同意見だけど。」

 

「中等部で3年に進学すると人が変わったように部活と勉強に取り組み、風紀委員の仕事も無償で手伝っていたとありますが……何故3年になった途端、努力をし始めたのかは様々な噂も飛び交っており判断出来ません。」

 

「其処はそれ程重要視していないわ。」

 

「……かぐや様は件の男子が生徒会に入る事に否定的なのですか?」

 

「別に……そこまでは言わないわよ。ただ私は、会長程簡単に人を信用しないだけよ。」

 

「……重々承知しています。最後に1つ、去年の11月頃から四条眞妃様と懇意にしているようです。」

 

「……眞妃さんと?」

 

「はい、眞妃様もかぐや様程ではありませんが他者に対する警戒心は相当なモノ……その眞妃様が少なからず信頼を置いている人物、あまり警戒する必要は無いかもしれません。」

 

「……そう、話はそれで終わりかしら?」

 

「はい。」

 

「そう……今日はもう下がっていいわ、おやすみなさい。」

 

「はい、おやすみなさいませ……かぐや様。」

 


 

会長に生徒会室に呼び出されてから、数日が経過した。その間、陸上部からスカウトされたり、先輩の風紀委員から勧誘されたりと色々あったけど……未だに僕は何処にも所属していない。僕が前回生徒会に入れたのは、荻野の件で不登校になった僕を周囲の生徒から守る保護的な意味もあったのだろう。今回は保護する理由も無く、生徒会と関わりも無いので、今の状況は当然と言える。

 

「はぁ、どうすれば良いのかなぁ……」

 

生徒会役員は会長の指名制だから、そこをどうするか考えなければいけないのだが……いい考えが浮かば無い為、今日も授業が終わると真っ直ぐ帰宅する事になる。

 

「石上、今帰り? おっつ〜。」

 

「おう、小野寺は部活か……頑張れよ。」

 

「ん〜、じゃあね。」

 

教室を出て少しした頃……スマホがメッセージの着信を告げた。

 

〈中庭に集合〉

 

龍珠先輩からのゲームの誘いだ。伊達に1年間高等部で過ごしていないからか、風紀委員の巡回時間や巡回ルートを熟知しており、先輩の呼び出した場所で見つかった事は一度もない。今日も龍珠先輩と協力プレイの為に中庭へと向かう。下駄箱で靴を履き替えていると背後から声を掛けられた。

 

「お前が石上優か。」

 

名前を呼ばれて振り向くと、目付きの悪い男子が此方を睨み付けていた……中等部の頃に何度か見た事があるから、多分同じ1年なんだろうけど……話した事は無い筈だ。

 

「そうだけど……」

 

「此処で構わないから少し話がしたい。いいな?」

 

有無を言わせぬその眼光に……僕は頷く事しか出来なかった。

 

 

 

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