波乱のダブルデートから数日後、生徒会が事務処理に従事していた時の事……
「……そういえば石上、この前のダブルデートはどうだった?」
「ダブルデート……まぁそう言えなくもないですか。そうですね、良い感じで終わりましたよ。」
「あら? そういえば眞妃さんもデートだと言ってましたけど、もしかして?」
「はい、マキ先輩とその友達2人と水族館に行って来ました。」
「そう、問題なく終わったのなら何よりね。」
(まさか、本当に恋愛マスターだったなんて……)
「……」プルプルッ
「……ん? どうした藤原?」
「この……ぼっけなすーー!!!」
「藤原先輩、今度はどうしたんですか?」
「そんな面白イベントがあったなんて、どうして教えてくれなかったんですか!?」
「いやだって……教えたら隠れてついて来ようとするでしょ?」
「……っするよ!? 悪いっ!?」
「だから嫌なんですよ。藤原先輩が来ると成功するものもしなくなりそうですし。」
「……」
(石上って堅実な判断するよなぁ……)
「……」
(賢明な判断ね。)
「もうーー!! 石上くんは私の事をなんだと思ってるんですか!?」
「強欲と自己愛に塗れたアホな先輩。」
「〜〜〜っ!? 言ってくれましたね! 勝負です! このラブ探偵チカが石上くんに恋愛偏差値テストで勝負を挑みます!」
「恋愛……」
「偏差値……」
「テスト……ですか。藤原さん、それはどういった内容なのでしょう?」
「そうですね、折角ですから会長とかぐやさんも一緒にやりましょう。ランダムに選んだこのサイトから出題します。いいですか? 今から順番にこのサイトの問題に答えてもらい、全員が答え終わったら結果発表して一番恋愛偏差値が高い人の優勝です。」
「恋愛偏差値なぞ……実にくだらんな。」
(よし、コレで高得点を取り四宮に格の違いを見せつけてやる。)
「本当に藤原さんはそういうのが好きですね……」
(コレで会長より高得点を取れば、これからの学生生活を優位に進められる……ふふ、藤原さんにしては妙案ね。)
「まーたアホな事言い出したよ、この人は……」
(そんなサイトで恋愛偏差値なんて測れる訳ないでしょう。)
「……石上、気持ちはわかるが本音と建前は間違えないようにな。」
「余裕でいられるのも今の内ですよ! 順番は会長、かぐやさん、私、石上くんで行きましょう!」
「……いいだろう。」
白銀御行
Q.好きな人が出来ました、告白する? しない?
(そんなもん、しのっ……向こうから告ってくるのを待つに決まってるだろ!)
四宮かぐや
Q.友達と同じ人を好きになってしまいました、どうする?
(……女同士の友情なんて脆いモノよね、さよなら藤原さん。)
「ん? どうしました、かぐやさん?」
「いいえ、なんでもありませんよ。」
「……」
(四宮先輩、また藤原先輩を睨んでる……)
藤原千花
Q.恋人との初デート! 行き先は?
(初デートという所がミソですね、答えは遊園地です!)
石上優
Q.好きな人に言ってもらいたい言葉は?
(言ってもらいたい言葉か、この中だと……コレかな。)
〈結果発表〉
「さあ、お楽しみの結果発表です! 皆さん心の準備はいいですか? いきますよー!」
〈恋愛偏差値・70以上〉
藤原千花・石上優
あなたはかなり恋愛の達人。もうすでに、恋愛経験が豊富なのではないでしょうか?相手の気持ちを読み取る能力があり、咄嗟の判断もうまく出来るようです。無理せず、普通に、リラックスして付き合うのが、恋愛を長く続けるコツ。
〈恋愛偏差値・50前後〉
白銀御行・四宮かぐや
あなたの恋愛指数は平均並といった所、まだまだ勉強する余地がありそうです。頭の中だけで恋愛をしているような面があります。理想の恋を追い求めるのはいいけれど、概ね現実と理想の間にはギャップがあるもの……経験値をもっと稼ぎ、たくさんの体験を重ねていけば、きっといい恋ができるようになるでしょう。もう少し頑張りましょう(笑)
((はあああああっ!? 恋愛偏差値50前後っ!? そ、そんな……))
「あ、私と石上くん恋愛偏差値一緒ですか。残念ながら引き分けですねー。」
「まぁ、こんなモノは気休め程度に思っておくのが普通ですよ。」
「……っていうか、なんだこの最後のもう少し頑張りましょう(笑)って! 完全に煽ってるだろ!?」
「この私をここまで侮辱するなんて、サイト運営者は覚悟が出来ているんでしょうね……」
「2人共落ちついて下さい。気休め程度にって言ったじゃないですか……そもそも、藤原先輩が恋愛経験豊富で、相手の気持ちを読み取る能力があり、咄嗟の判断もうまく出来るなんて信じられます?」
「それは……」
「確かに……」
「3人共、失礼って言葉知ってますか!?」
本日の勝敗、藤原の敗北
なんやかんや恋愛偏差値でエンペラー童貞と同点だったが、生徒会メンバーからの評価が著しく低かった為。