石上優はやり直す   作:石神

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感想ありがとうございます(`・∀・´)
思い付いたので投稿。
前半は、四宮かぐやは相談したい(54話)の後。
後半は、偶には雨に感謝したい(53話)より少し前の話になります。
箸休め的なお話です……_:(´ཀ`」 ∠):


白銀御行は気が気じゃない(番外編)

〈白銀御行は気が気じゃない〉

 

夏休みを直前に控えたある日、1人の少女が生徒会室を訪ねていた。

 

〈コンコンッ〉

 

「あら、誰かしら?」

 

「あっ、僕が出ますよ。」

 

「そう? じゃあ、お願いね。」

 

「うっす……はい、どうぞ。」ガチャッ

 

「失礼致します。」

 

「えーと、中等部……?」

(あ、この子、会長の……)

 

「私は中等部生徒会の会計、白銀圭です。」

 

「僕は生徒会の……」

 

「石上先輩の事は存じています。」

 

「あ、そうなの? まぁ、立ちっぱなしで話すのもアレだから、どうぞ座って。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

(しろがねけい、白銀系……白銀!! この子、会長の妹ね! あるある! 面影ある!)

「私は生徒会副会長の四宮かぐやです。」ペコ

 

「あ、ご丁寧にどうも。」ペコリ

 

「紅茶です、四宮先輩もどうぞ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「あら、ありがとう。」

 

「あの、会長の白銀御行は留守でしょうか?」

 

「えーと、確か……」

 

「会長なら部活連の予算案会議に出席していますから、暫くは戻らないでしょうね。」

 

「部活連の会議って……アレですよね? 昔の外部入学の生徒会長が失礼を働いて、日本に住めなくなったっていう……」

 

「ふふっ、大分噂に尾ひれがついてますね。」

 

「あ、この話デマなんですか?」

 

「勿論ですよ。彼の父親の勤務先が……ちょっと遠くの国になっただけですよ。」

 

「それ飛ばされてますよね!?」

 

「……」

(まぁ、桃先輩も参加してるらしいし、妙な事にはならないと思うけど。)

 

「大丈夫ですよ……四宮の名にかけて、何があっても私が会長をお守りします。」

 

(四宮先輩もこう言ってるし、大丈夫かな? 書類チェックだけしたら、妹さんは四宮先輩に任せよう。女子同士の方が話も弾むだろうし。)

 

………

 

2時間後……

 

〈白銀家〉

 

「部活連会議どうだった?」

 

「まぁ、なんとかなったよ。そういや圭ちゃん、うちの生徒会来たんだって? どうだった?」

 

「どうって何が?」

 

「いや、一応兄として妹の立ち振る舞いが気になるというか……」

 

「過干渉キモっ。まぁ千花姉ぇはいつも通りだったし、石上先輩は書類チェックしてくれて、色々親切に教えてくれたし……」

 

「へぇ、そうなの?」

 

「四宮副会長とは……なんか緊張しちゃって、上手にお話出来なかった……」ボソボソ

 

「……え?」

(……えっ!? ちょ、圭ちゃん何その顔!? 石上の話でなんでそんなに顔が赤く……ハッ!? まさか……圭ちゃん、石上の事!?)

 

「け、圭ちゃん、よく聞こえなかったからもう一回言って……」

 

「うっさいしね!」

 

「」

(照れ隠し…… もう間違いない!!)

 

間違いだらけである。

 

「……ッ」

(そりゃ、石上は成績も良くて仕事も早いし、なにより良い奴だけど……)

 

お兄ぃ、私、石上先輩と結婚するね?

 

会長、妹さんは僕が必ず幸せにします!

 

「」

(……それとコレとは話が別だろうっ!!? いやそもそも、結婚とかまだ早い!! そういうのはもっとお互いを知ってからだ! 兄としてそんな簡単に許す訳にはっ……)

 

只のシスコンだった。

 

〈次の日〉

 

「い、石上は年下の女子をどう思うっ!?」

 

「はい?」

 

白銀は何も無い所に探りを入れていた。

 


 

〈藤原千花はまだ知らない〉

 

「……っていう事があってね!? 萌葉も酷いと思うでしょ!?」

 

「もー! 姉様は最近そればっかりじゃないですかー! 愚痴に付き合わされる私の身にもなって下さいよー。」

 

「石上くんが酷い事ばっかりするのが悪いんです! 文句があるなら石上くんに言って下さい!」

 

「石上先輩がねぇ……まだ中等部に居た時に圭ちゃんと見に行ったけど、そんなに酷い事言う人には見えなかったけどなぁ……」

 

「それは、石上くんが猫被ってただけです!」

 

「えー? そうかなぁ、石上先輩か……あの爆弾発言生放送事件の事なら、少しはイジれるんじゃない? 姉様には話したよね?」

 

「あー、その……それはちょっと、フェアじゃないと言いますか……」

 

「え? どういう事?」

 

「えぇと、悪い事してる人を糾弾する為に行動して、女の子2人を守る為に言った言葉ですから、イジるとか馬鹿にするのは……私的には違うんじゃないかなぁって。」

 

「姉様は変な所で常識的なんだよねぇ。」

 

「いいんですよ! そんな卑怯な手を使わなくたってギャフンッと言わせて見せますから!!」

 

このやり取りをした数日後、卑怯な手を使った事がバレた挙句、プラカード引っ提げて校内一周するハメになる事を……藤原千花はまだ知らない。

 

 


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