そして、かぐや様は告らせたいアニメ三期&OVAおめでとうございます。ヽ(´▽`)/
生徒会選挙で学園中を沸かした10月も終わり、秀知院学園は体育祭に向けて本格的に動き始めていた。そして、此処にも体育祭に向けて行動を開始した男が1人……
「もしかして赤団、アゲてっちゃうー!?」
「ウェーーイ!!!」
「……」
(正直言って調子に乗っていた自覚はある。だけど、2回目だからどうとでもなると思っていたし、応援団の皆と接点が出来るんだから入る以外の選択肢は実質なかった。だけど……)
「……って事で俺が団長、子安が副団って事で……オケマルーーー!?」
「オケ丸水産!!」
「」
(相変わらずこのノリきっつ……)
「ぇぇ……」
「……」
(隣に座っている小野寺が、大丈夫かコイツという目でこっちを見ている……)
凡そ1年と半年もの間、陽の者達との関わりが殆どなかった石上は……久しぶりの場の空気に圧倒されていた!
「ッ!」
(だがしかし、僕は既に経験済み! なんでもかんでもインスタ映え狙ってるんですよね? LIN○でインスタ送って、ストーリーでハイプ狙いの今日はクラブオフなんでしょう? 最近はそういうのが熱盛なんですよね? ちゃんと調べてるんですからね! お見通しなんだからね!!)
かなり必死だった。
「とりまLIN○でグループつくろっかー。」
「石上、何してんの? さっさと来なよ。」
「了解道中あざまる水産!」ビシィッ
「どしたんお前。」
「……あー! やっぱりそうだ! 夏休みに神社で会った子だよね?」
「つ…子安副団長……はい、そうです。」
「あの時はぶつかってごめんねー!」
「いえ、気にしないで下さい。」
「なになにー? つばめちゃん何かあったの?」
「なんでもなーい!」
「えー、気になるぅ!」
つばめ先輩は、友達とふざけながら笑っている。多分、僕とつばめ先輩の人生が交わる事はもう無い。応援団の副団長と平団員、先輩と後輩……それが、今回の僕とつばめ先輩の関係性だ。
「……」
「……石上?」
「ん、あぁ悪い。じゃあ、はい。」フルフル
「……よーし! 全員グループに入ったなー? 練習日の連絡事項とかあれば知らせるって事で……オケマルゥ?」
「イエーーーイ!!」
「それじゃ、各自本番までに女子は男子の、男子は女子の制服用意しとけよ? 」
「ウェーイ!!」
「」
(やっべ、地獄のイベントあんの忘れてた……)
………
「……」
(あー……どうしよう、そりゃ前の時と違って結構仲が良い女子は多いけど制服となると……)
多感な高校生、幾ら仲が良いとはいえそれとこれとは話は別……という可能性も十分ある。石上自身も多感なお年頃、同級生から借りるのは流石に躊躇する! 結果……
「うーん……」
(貸してくれそうなのは……マキ先輩、桃先輩、藤原先輩、四宮先輩だけど、マキ先輩はなんか……翼先輩に申し訳ないし、桃先輩は……)
……は? お前何言ってんの?
(最終的には貸してくれそうではあるけど、凄い目で見られそうだし、藤原先輩は……マウント取って来そうで嫌だな。やっぱり借りるなら……)
「四宮先輩しかいないかなぁ……」
「私がなんですか?」
「うわっ!? あ、四宮先輩……」
「何か悩み事ですか?」
「悩みという程ではないんですけど……」
………
「なるほど、女子の制服ね……私のでよかったら貸してあげますよ?」
「頼んでてなんですけど……男子に貸すなんて、抵抗感ありません?」
「全く無いと言えば嘘になりますけど……石上君なら別に構わないわよ。」
「四宮先輩……まじ卍っす。」
「……それ、どういう意味ですか?」
「僕も未だにわかりません……」
「……石上君は仲の良い女子が多いんですから、貸してくれる人くらいはいるんじゃないかしら? 例えば……伊井野さんや大仏さんとか。」
「伊井野は……なんか被害妄想発言されそうなのでパスしたいです。」
「確かにそうね、じゃあ大仏さんは?」
「えーと、大仏は……ちょっと、なんというか……借り難いと言いますか……」
(あら? もしかしてコレは……ふふふ、石上君も案外可愛い所あるじゃない。)
「仕方がありませんね、貸してあげますよ。」
「あ、ありがとうございます!」
「折角ですから、お化粧もしましょうか。」ウキウキ
………
「なんでまた悪戯なんてするんですか。」
「んふふっ、ごめんなさい。ちゃんと直しますから……ぷふっ。」
「笑わないで下さいよー。」
「……」ジーッ
(……いや、仲が良いのは結構だけど距離近くない? 石上、四宮狙いとかじゃないよな? )
〈中庭〉
チュンチュンと小鳥の囀りを聞きながら、僕と会長は芝生の上で寝転んでいた。
「……で、今度は何をしたんですか? 体育倉庫に閉じ込められて一線を越えそうになったとか、意中の人に背負い投げされたとか、そんな漫画みたいな事はないでしょうけど。」
「……ハハハ、マサカマサカ。」
「じゃ、どうしたんですか?」
「いや、今回は相談じゃなくて……雑談? みたいな感じだと思ってくれ。」
「雑談ですか……例えば?」
「そうだな……今の生徒会は加入メンバーも含めて女子が4人に増えただろう? 石上も年頃だ、その中に好きな人でも居ないのかと思ってな。」
「ははは、年頃って……父親みたいな事言わないで下さいよ。」
「偶にはこんな話もいいだろう? で、どうなんだ? 誰か居ないのか?」
「うーん、そうですね……」
「……藤原とかどうだ? ピアノも出来て、マルチリンガル系女子だぞ? 普段からよく2人でわちゃわちゃやってるから、付き合っても上手く行くんじゃないか?」
白銀は、石上の意識をかぐやから逸らす事に必死だった。
「……」
石上は、不動産屋で執拗に事故物件を勧められている様な錯覚に陥った。
「会長……心配しなくても、僕は四宮先輩の事なんて狙ってませんよ。」
「べ、別に俺はそんな心配はしてないぞ!? 」
「はは、そういう事にしときましょうか。あと、藤原先輩はお断りします。」
藤原はフられた。
「相変わらず藤原には毅然としているな……来月には奉心祭もある、意中の異性を誘うには絶好の機会だぞ? 文化祭マジックというモノもあるらしいからな。」
「ははは、なんですか文化祭マジックって……っ!?」
(ん? ちょっと待て、なんか忘れてる気が……)
んー知り合いっていうか、付き合ってる。
試しに付き合ってみる? って言われたから……
まぁいいかなって。
「あああああっ!!?!」
「うおっ!? いきなりどうした石上!? 何かマズイ事でもあったのか!?」
「はい! とんでもなくマズイ事に……気付いて……マズイ?」
(あれ? 何で僕はそんな事を思ったんだ?)
「……石上?」
「……何がマズイんでしょう?」
「いや、知らんけど……」
「……ん?」
(団長がドルオタになっちゃうから?……でも別に、そこまでマズイかって聞かれるとそうでもないと思うし……あれ?)