石上優はやり直す   作:石神

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秀知院体育祭!

体育祭当日……個人競技とクラス対抗戦、部活・委員会対抗戦で構成された秀知院学園体育祭。全校生徒約600人が赤組と白組に分かれて雌雄を決する一大イベントの開催である!

 

〈100m走〉

 

「おー、やっぱ石上速いねー。」

 

「うん、凄いね……他の走者は部活やってる人もいたのに1位だし。」

 

「……惚れ直した?」ボソッ

 

「も、もうっ、小野寺さん! 小学生じゃないんだからっ……!」

 

「あはは、そりゃそうだよねー。」

 

「……ッ!」ピョンピョン

(会長、頑張ってー!……はやい、はやい!)

 

………

 

「会長、流石の1位ですね。」

 

「そういう石上もだろう? 生徒会男子で出場競技1位総なめでも目指すか?」

 

「ははは、それもいいですね。会長はあと何に出るんでしたっけ?」

 

「残りは確か……午後の棒引きと部活・委員会対抗リレーだな。」

 

「僕は借り物競争なので、1位取れるかは運に左右されそうです。」

 

「そういえば、四宮も借り物競争出るって言ってたな……」タタタッ

 

「石上君! 二人三脚の相手が欠場してて、代わりに出てくれない?」

 

「つ…副団長? 僕は1年だけど良いんですか?」

 

「うん! 実行委員と先生には許可取ってるからお願い!」

 

「わ、わかりました……会長、ちょっと行って来ます。」

 

「おう、頑張れよ。」

 

………

 

「良く来てくれたな石上ぃ! 」ムキィッ

 

「どうも……」

(相変わらず筋肉の圧が凄い……)

 

「風野も石上君もがんばれー!」

 

〈借り物競争〉

 

「……よく少女漫画でさー、借り物競争で好きな人って書いてる紙が入ってたりするじゃん?」

 

「麗ちゃんそれ……実際にあったら大問題だし、風紀委員として取り締まり対象だからね。」

 

「まぁ、ミコちゃんの言う通り問題だよね。実行委員がちゃんと確認もしてる筈だし。」タタタッ

 

「大仏! 来てくれ!」

 

「えっ、私!?」

 

「あぁ、大仏以外じゃダメなんだ! 頼む!!」

 

「い、石上がそこまで言うなら……」

 

「よし、じゃあ行くぞ!」ガシッ

 

「あぁっ、石上もうちょっとゆっくりっ……!」

 

「」

 

「」

 

「はい、お題確認しました。」

 

「よし、1位ゲット!」

 

「はぁっ…はぁっ……い、石上……お題ってなんだったの?」

 

「え? 眼鏡女子。」

 

「……」ドスドスッ

 

「えっ、大仏? ちょっ、なんで脇腹をっ……」

 

「紛らわしいでしょ!」ゴスゴスッ

 

「……なんかゴメン。」

 

………

 

「またしても1位か、やるな石上。」

 

「あはは、お題に恵まれましたからね。」タタタッ

 

「石上君、一緒に来て!」

 

「四宮っ!?」

 

「あ、はい。」タタタッ

 

「……ッ!」

(四宮が石上を……何故俺じゃないんだ!? 確かに石上は、足が速いが俺だって負けてない筈……態々石上を選ぶなんて、お題は一体……でもココで気になっている事がバレたらっ……)

 

お可愛いこと……

 

「ぐうぅっ……!」タタタッ

 

「ふー、勝てて良かったっす。」

 

「い、石上……お題は何だったんだ?」

 

「後輩でした。」

 

「……なるほどな。」

(深く考え過ぎかーっ! 良かった……)

 

〈応援合戦〉

 

「かぐやさん、午後は応援合戦からみたいですねー。赤組の応援団は男子は女子の、女子は男子の制服を着てやるらしいですけど、石上くんは誰に借りたんですかねー?」

 

「それなら私が貸してあげましたよ。」

 

「ッ!?」

 

「へー、かぐやさんが……でも石上くんだったら、同級生から借りる当てくらいありそうですけどね。」

 

「ふふ、石上君にも色々あるみたいよ?」

 

「えっ、 かぐやさん、なんですかそれ!? 」

 

「秘密です。」

 

「えー!? 教えて下さいよー。」

 

「……ッ!」

 

………

 

「会計君、ちょーっとツラよろしいかしら?」

 

「……なんか面倒な気配がするので嫌です。」

 

「いーから!」

 

「えぇ……僕これから応援合戦あるんで、手短かに頼みますよ……」

 

「ちょっと質問するだけだから……その制服がかぐや様から借りた物って本当?」

 

「えぇ、そうですけど……」

 

「なるほど、なるほどね……とりあえず、抱きしめても?」キリッ

 

「先輩……四宮先輩フリークも大概にした方がいいですよ。」

 

「お願い! きっとこんなチャンスもう来ないと思うの! 少しで良いから私の意を汲んで!?」

 

「ヤベェ先輩に絡まれた僕の逃げ出したい気持ちも汲んで下さい。」

 

「じゃあせめて写真だけでも! 体しか撮らないから!! 顔には全然興味ないから!!!」

 

「言い方癪だなこの人。」

 

「こんな所にいましたのね、エリカ。」

 

「あれ、かれん?」

 

「あら、石上会計……ふふ、その御姿大変お似合いですわよ。」

 

「女装を似合ってるって言われても嬉しくないっすよ……」

 

「あらあら、うふふ……別に照れなくてもよろしいんですのよ?」

 

「……次女装ネタでイジったら、会長達の前でナマモノ音読しますよ。」

 

「」

 

〈応援団の皆さんは入場門に集合して下さい。〉

 

「あ、じゃあ僕はコレで。」タタタッ

 

「……ねぇかれん、ナマモノって何?」

 

「良いですか、エリカ……世の中、知らない方が良い事もありますのよ?」

 

「えぇー、気になる……」

 

〈団体対抗リレー〉

 

「石上、ちょっと来て!」

 

「え、小野寺? どうしたんだよ。」

 

「いーから、来て。」グイグイッ

 

………

 

「……いやーまいった、まいった。スカートって忘れて柵飛び越えようとしたら、思いっきり引っかかって足首やっちまってよ。」

 

「アホだ……」

 

「あほがいる……」

 

「悪いけど石上、俺の代わりに団体対抗リレー出てくれないか? アンカーなんだけど、走れそうにないからさ。」

 

「僕で良いんですか?」

 

「おう、1年の100m走見たぞ。石上、かなり速いだろ? 陸上部からも勧誘されたって聞いたぞ。」

 

「まぁ……わかりました。団長の無念を晴らして見せます!」

 

「石上、そこまで気負わなくてもいいから。」

 

〈TG部さん、立ち止まらないで下さい!〉

 

「またなんかやってんな、TG部……」

 

〈TG部さん走って下さーい!〉

 

「ま、TG部がこんだけ遅れたなら団長でも負けるだろうし、石上もあんま気ぃ張り過ぎんなよ?」

 

「……いや、勝つよ。」

 

………

 

「……ッ!」

(前の人生は失敗と敗北だらけだった……でも、今回の僕は違う。少しくらい勝ちに貪欲になってもいい筈だ。それに……負けた事が只々悔しかったから……今度は負けたくない!)

 

〈少し遅れて赤組アンカーもバトンを受け取りました! 果たして、TG部が作った遅れを挽回する事が出来るのか!?〉

 

「「「名指し!?」」」ガビーン

 

「行け、石上ー!」

 

「石上くん頑張れー!」

 

「石上君も中々速いわね。」

 

「速い……石上コレ、イケんじゃない?」

 

「うん、頑張れ石上!」

 

「……ッ!」

(あと少しっ……走り抜けろ!!)

 

〈団体対抗リレーを制したのは……赤組ー!!〉

 

「っし!」グッ

 

「石上君、スゴイスゴイ!!」

 

「流石は俺が見込んだ男だな!」

 

「……団長はもうちょい自分の不注意を反省してよー。」

 

「ハッハッハッ! まぁ、勝ったんだからいいじゃないか!」

 

「おい、みんなー団長反省してないぞー。」

 

「ハッハッハッハッ!!」

 

本日の勝敗、赤組の勝利。

 


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