ルーンファクトリー4×ウルトラマンタイガ ルーンの奇跡 作:ヴォーテクス
「フフフ……このルーンの結晶が集まる一帯から産み出した怪獣よ、セルフィアの街を破壊せよ!」
午前8時、エゼルバードはルーンクリスタルが大量に生えている所でゲートリジェクトで召喚したピンクドラゴンをベースに無数のルーンクリスタルを秘術で融合。全身が水色の結晶に覆われた怪獣ギラルスを召喚。
ギラルスは紅葉古道に生えているルーンクリスタルを薙ぎ倒しながら平原を我が物顔で闊歩する。その時、上空から黒い剣の様な四つの柱がプロレスのリング状に配置されてギラルスの周囲を囲む。
「ギャオオーー!!」
ギラルスは構わず進もうとするが高出力の電流に阻まれて先に進めない。それに戸惑うギラルスは爪や尻尾で破壊を試みるも無意味だった。遠目から見たレストは戸惑いを見せる。
『何だか分からないが……行くぞ、レスト!』
「分かった!」
タイガの呼び掛けに応じた彼はギラルスの近くに接近、タイガスパークを起動しようとする。しかしレストの前に黒衣の男が現れて此方を見る。その男は口の口角を上げて右手を空に掲げ、光に包まれると右手の甲にタイガスパークを装着していないウルトラマンタイガに変身。
目の前にいるギラルスと対峙した。それと同時にセルフィアの街の上空に謎の黒い円盤が三つ現れてタイガとギラルスの中継スクリーンが映った。
「なん……だと……!?」
『一体どういう事だ?』
突如レストの前に現れた目付きが鋭く足の爪先が反ったタイガ?(以後、ニセタイガ)はギラルスに挑発する仕草を見せる。それに反応したギラルスは爪で切り裂こうとするがニセタイガは軽く身体を反らして避け、腹に強烈な右回し蹴りを打ち込む。
『シェァッ!!』
「グォォォーー!?」
ニセタイガは余裕のある仕草を見せつけてギラルスを再び挑発する。それに反応したギラルスは突進するも身体を横にずらして回避と同時に後頭部に左チョップを入れた。
『ヌゥン!』
「ガォォォーーー!?」
そこからニセタイガはギラルスの背中に右ヤクザキックと左蹴りを連続で叩き込み、右手から紫色の光弾【ダークスラッシュ】を結晶に覆われていない尻尾に当てた。
連続攻撃を受けて怒ったギラルスは口から浴びた存在を結晶化させるガスを吐き出す。その攻撃に対してニセタイガは光の障壁【ダークバリア】を張って防御。自身に向かって吐かれたガスを押し返してガスを撒いたギラルスに浴びせた。
「グッ……ガァッ!?」
ガスを返されたギラルスはなす術もなく結晶化して身動きが取れない。ニセタイガは固まったギラルスに渾身の右ストレートパンチを叩き込んで粉砕、怪獣をあっという間に倒した。
「巨大モンスターを倒した……」
「ありがとう、ウルトラマン!」
ニセタイガは自身の勝利を自慢げにアピールした後、黒い円盤と共に空へ飛び去った。その場で呆然とするレストの前にニセタイガに変身した黒衣の男が姿を見せると飛び蹴りを繰り出す。
「くっ!?」
咄嗟に身体を屈めて避けるも今度は拳で殴り掛かってきた。レストは迫る拳を体術でいなしつつ距離を取る。黒衣の男は彼に飛び掛かろうとした時、目の前に迫る何かを感じて咄嗟に後方へ跳躍した。
「レストさん、大丈夫ですか?」
「フォルテさん!? 僕は大丈夫です」
「貴様、一体何者だ!?」
助太刀に来たフォルテがレストの前に立って問い掛ける。それを見た黒衣の男は口を開く。
「私はヘラクレス座M-16惑星グレゴール星から来た格闘家、グレゴール人だ。私の目的はただ一つ、ウルトラマンを倒して強くなる事だ!」
『何だと!? だったら何故俺の姿を使った。お前があの怪獣を呼び出したのか!?』
「いいや、あの怪獣が私が呼び出した訳では無い。お前の姿を借りた理由は私が侵略者であるとこの星の人々に誤解されないようにしただけで他意は無い」
「ではあの四つの柱は……まさか!?」
黒衣の男【グレゴール人】は自身がウルトラマンと決闘に来た事と侵略目的では無いと語った。フォルテは四つの柱が突き刺さった真意に気付いて呟く。
「そうだ。あのリングで私とお前、どちらが本当の強者であるか証明する場所として選んだ。お前は三人のウルトラマンを宿している様だが……私が戦うウルトラマンはタイタス、君を指名する!」
『私との決闘を望むか。良いだろうその挑戦、受けて立とう!』
グレゴール人は決闘相手にタイタスを指名する。その挑戦を受けたタイタスは承諾した。
「太陽があの柱の頂点に立った時が決闘開始の合図だ! 待っているぞ」
グレゴール人はそう言い残して姿を消した。彼等の一部始終を見ていたフォルテはレストに呼び掛ける。
「レストさん……その、大丈夫でしょうか? あの人は相当な手練れと感じました。先程見せた余裕のある戦いをするあたりかなりの実力者だと伺えますが……」
「決闘を受ける事は正直、不安です。でもこれは僕がやるべき事です! 必ずこの街に戻りますので安心して下さい」
『フォルテ殿、ご安心下さい。私とレストの力を合わせれば勝機はあります』
フォルテの分析に対して不安を吐き出すレストだが自身の使命を思い出して気持ちを奮い立たせる。タイタスはそれに加える様に勝つ可能性があると説明した。
「そうですね……。取り敢えず、時間まで私と軽くトレーニングをしませんか?」
『準備運動か……丁度良いな。レスト、フォルテ殿と一緒にやるぞ!』
「今から!? ……分かった。本当に軽くだからね」
フォルテは決闘開始の時刻まで一緒にトレーニングをしようと提案する。タイタスが反応して承諾すると、レストは二人のトレーニングに渋々付き合う事にした。軽いランニングを始めた二人にダグが声をかけた。
「あの巨人、かなり強かったな! あの強者の余裕ぶり、流石だナ!」
「……」
ダグはニセタイガの戦いぶりを称賛するがフォルテはそれを黙って聞く。グレゴール人の実力は本物だが何処か自身の強さをアピールしている感じにフォルテは違和感を覚えているからだ。
走っている途中で旅館前で宣伝する灰色髪の女性【シャオパイ】に遭遇して呼び止められた。
「こんにちは! レストくん、フォルテとトレーニングしているか?」
「はい、軽く走っているところです」
「そうか。先程、平原に出た巨大モンスターを銀の角が生えた巨人がみたいだが……。あの戦い、最初に見た時と戦い方がかなり違うように見えたが気のせいか? 上手く表現できないが」
「普段の彼とは違う戦い方でしたね……」
「あの戦い方は誰かに自身の強さを見せつける様な感じだが、何時もの彼なら一生懸命戦っているが」
彼女がニセタイガの戦い方が普段のタイガとは異なるという指摘を本物のタイガは無言で頷く。その後、シャオパイとの雑談を終えた二人はトレーニングを再開すると鍛治屋の前に人だかりができていた。
「グレゴール人とタイタス。どちらが勝つか……予想しよウ!」
「俺はグレゴール人に賭ける!」
「私はタイタス!」
鍛治屋を営むドワーフの男性【バド】がグレゴール人とタイタスの勝敗を予想する賭けをしていた。彼は武器や農具を作っているが楽して金を稼ぐ事を目的に商売をしている。どうやらグレゴール人とタイタスの決闘の勝敗の予想で一儲けする事を企てているみたいだ。
「コラッ!何をしているのですか!? 戦いを見せ物にして一儲けしようなんて!!」
それを目撃したフォルテはバドに怒鳴った。グレゴール人とタイタスの決闘は己の名誉と誇り、強さの証明をする為でその事情を知るフォルテが怒るのも無理はない。
「おっと、賭けは中止。店じまいダ!」
フォルテの怒鳴り声を聞いたバドはそそくさと退散、フォルテは逃げるバドの後を追った。
「あははは……」
『うぅむ……我々の決闘をギャンブルの題材にするのは感心できん』
『全くだ。俺達の戦いは命懸けだ』
『そいつは同感だな』
その光景を見たレストは苦笑い、タイタス達は苦言を呈した。
「誰だ……?」
レスト達がトレーニングに励んでいる頃、背後からの魔法攻撃による不意討ちを弾いたグレゴール人は低い声で問いかける。すると彼の前にエゼルバードが姿を見せた。エゼルバードはグレゴール人によってギラルスが倒された事に怒りを露にする。
「貴様、私が呼び出したギラルスを倒すとは……どういうつもりだ?」
「お前があの怪獣を呼び出したのか。悪いが俺のパフォーマンスとして利用させて貰った。安心しろ、ウルトラマンは俺が倒す。言っておくが私はお前がやる事に興味は無い。あくまでも己を強くする事が目的……それだけだ」
エゼルバードの質疑にグレゴール人は吐き捨てる様に返答して姿を消した。平原に取り残されたエゼルバードは苦虫を噛み潰したような表情をして呟く。
「おのれぇ……。アースマイトだけでなく余の産み出した怪獣すらもコケにする愚か者とは……この屈辱、どうしてくれよう」
プチ解説
結晶怪獣ギラルス
ピンクドラゴンをベースに大量のルーンクリスタルを融合して産み出した怪獣。全身に生えているクリスタルは光線を跳ね返す能力があるが尻尾にクリスタルは無い。
口から吐くガスは浴びせた物を結晶化させる効果がある。しかし自身もガスを浴びると結晶化してしまう。