ルーンファクトリー4×ウルトラマンタイガ ルーンの奇跡 作:ヴォーテクス
数日後の朝、傷が完全に癒えたレストはセルザウィードに呼ばれて竜の間に来て話をしていた。そこにヴォルカノンやアーサー達も同席している。
「大平風土記か……。妾も存在は耳にした事があるが実在していたとは」
「そうですね。しかし、かなり古い文献ゆえに解読に時間を要しています。レオンさんを中心に進めていますが……」
「う~む。何れにせよいつ敵が侵攻してくるか分からない状況なので直ぐに攻めて来てもいいように備えないといけませんな」
彼等の進捗状況を聞いたセルザは大平風土記が実在していた事に驚き、アーサーは解読に時間が必要である事を伝える。それらを聞いたヴォルカノンは敵の襲撃に警戒するように呼び掛けた。
『ガルドが攻めて来ようとも俺達が倒すから安心しな!』
『あぁっ。この街は俺達、トライスクワッドが守ってみせるぜ!』
『我々も協力は惜しまない』
フーマとタイガ、タイタスは自分達も戦う事を宣言する。そこにセルザが話を進行を再開した。
「これで情報は以上か。ならば各自、己のやることを引き続きしていくよう頼むぞ」
セルザは会議をそう言って締め括った。会議を終えたレストは雑貨屋に赴き、必要な品を買い揃えている途中にダグが声を掛ける。
「物騒な事になったもんだナ。ゼークス帝国を凌駕する敵が攻めてくるとハ……。帝国の残党ならまだしも残党がとんでもない戦力を持つ奴と手を組むとは予想外だったナ。俺がばあさんを守らねえト」
「そうだね。今度の敵の戦力は未知数だからどうなるか……」
「そう言えば最近、この街に来たタイタスっていう奴だが人当たりが良くて丁寧でとても良い奴だナ。タイタスは少し前に雑貨屋の手伝いをしてくれたから助かっているゼ」
彼は敵の襲撃を不安に感じておりレストもそれに同意した。そしてダグはこの街で住人達の手伝いをしているタイタスについて語り始めた。
彼が実体を取り戻して以降、街の手伝いをするようになり雑貨屋の荷物運びや食堂のウェイター、旅館の皿運び等の雑務を日々やっており評判も良好だ。因みにタイタスがウルトラマンである事を知る人は極めて少ない。
「これで買うものは揃ったよ。ありがとう」
「また来いよ!」
レストはダグに礼を言って店を出て、城の自室に戻り購入した物を収納箱に入れた。次に彼は裏口から出て畑に赴き作物や花の収穫、飼育しているモンスターのブラシ掛けをする。
「これで良し。そろそろ昼になるから食事を……」
仕事を終えたレストは昼飯を摂ろうとした瞬間、耳を貫く程の大きな爆発音が街全体に響いた。彼は敵が襲撃に来た事に気付いて広間に急いで向かう。
「遂に攻めてきた……!」
『敵さんのお出迎えって所だな』
『行くぜ!』
三人が城外の広場に到着するとタイタスが超人態に変身して迫り来る宇宙人達をフォルテ率いる城の兵士達と共に迎撃を始めていた。
「フォルテさん、危ない!」
フォルテの背後から烏人間の姿をした宇宙人【レイビーク星人】が飛び掛かった瞬間、レストは疾風ノ小太刀でレイビーク星人の背中を一刀両断。真っ二つになったレイビーク星人は爆散した。
「レストさん。すみません、助けられました」
「無事で何よりです。一緒に戦いましょう!」
フォルテは彼にお礼を述べると背中を合わせて広場で暴れる兵士とモンスター、宇宙人達を次々と薙ぎ倒していく。
レストは片手剣を槍に持ち変え、広範囲に及ぶ大きななぎ払いをする槍のルーンアビリティ【ストラグルリーパー】でモンスターを撃退。フォルテは自慢の両手剣を振るい兵士達を倒していく。そしてタイタスは迫り来る多数の宇宙人に対して身体をすさまじい速度で回転させて近づくモノを吹き飛ばす拳のルーンアビリティ【サイクロン】で返り討ちにした。
「鍛え方がなっていない! 日々の鍛練が足りんぞ。次だ!」
敵に叱責を飛ばすと同時に鍛え上げた肉体から百烈拳を繰り出して残っていたマグマ星人やナックル星人といった戦いに優れた宇宙人達を撃破する。
「お前ら、逃げている奴等を捕まえて人質にしろ!そうすればこいつらを黙らせられるぞ!」
ガルドが従えていた元ゼークス兵士の一人が発すると他の兵士とレイビーク星人が観光客や住人達を捕まえようと走り出す。それを聞いたレスト達は阻止しようと奮戦するも敵の数に阻まれて思うように動けない。
「くっ、そこをどけ!」
「卑劣な……!?」
『弱者を狙うとは卑怯な!』
三人は敵が卑劣な手段を用いる事に憤怒するがそれに構うこと無く彼等は戦う力を持たない人達を捕らえようと広場から離れる。しかし次の瞬間、兵士達は広場に吹き飛ばされ、気絶していた。
「レスト、助けに来た」
「観光客や住人達の避難は終わったゼ!」
「ディラス、ダグ!」
敵の数に苦戦しているフォルテの前方から闇の魔法が炸裂、彼女の前にいた敵達は一掃された。フォルテは闇の魔法が放たれた方向を見るとドルチェが姿を見せる。
「ドルチェさん。ありがとうございます!」
「こっちも負傷者の手当てが終わったから手伝いに来たわ」
『私達も戦いますの!』
彼女と幽霊のピコが参戦、形勢は徐々にレスト達の方に傾いていた。戦況が思わしくない兵士長はガルドに次の一手を打つべきかどうかと尋ねる。
「この状況は想定内です。ご安心を……間もなくあれが来ます」
ガルドが兵士長に告げた瞬間、上空に黒いワームホールが出現。そこから頭部の角がV字で赤いバイザーの目と黒鉄のボディ、両腕に青いガンポッドが装着された二機のロボット【帝国機兵レギオノイド】がセルフィア平原に降り立った。
「レギオノイドよ。この周辺を焼け野原にしてしまえ!」
ガルドの指示を受けた二機のレギオノイドは両腕のガンポッドから高出力のビームを平原に撃って周囲を無差別に破壊。草原や周辺にあった木を燃やし、バイザーから真紅のレーザー【レギオビーム】を発射して平原を彷徨くモンスター達を容赦なく殺害した。
『巨大戦力を投入してきたか……レスト殿、私はあのロボットを倒しにいく』
「分かった。こっちは任せて!」
『こっちの敵を片付け次第、俺達も援護に向かう』
『そっちは頼んだぜ、旦那!』
タイタスはレストにレギオノイドの対処をすると告げて広場から飛び出して巨大化。レスト達はゼークス兵や宇宙人軍団と戦いを再開、迫り来る敵達を迎え撃っていった。
『賢者の拳は全てを砕く!』
タイタスは周囲の地形を無造作に破壊するレギオノイドへ背後から右拳を振り下ろす。後頭部に強烈な一撃を貰ったレギオノイドの首が吹き飛び、地面に倒れた。しかしそれに気付いたもう一機のレギオノイドが右腕のビームガンを撃った。
『なんのっ!』
正面からのビームを筋肉バリアで弾き、アストロビームで反撃してレギオノイドを怯ませる。更に頭部を失ったレギオノイドを持ち上げ、先ほどビームを浴びせたレギオノイドに狙いを定めたタイタスは力を込めて投げ付けた。
「「ーーー!?」」
頭部を失ったレギオノイドの下敷きになったレギオノイドは立ち上がろうとする。頭を失ったレギオノイドのセンサー部は頭に集中していたが故に平行感覚が喪失、思うように動けず足をジタバタと動かしていた。
『ブラニウム……バスタァァッーーー!!』
タイタスはその隙を見逃すことなく
「ふむ……タイタスさん、中々やりますね。今のはほんの小手調べ……では次はこれです!」
二機のレギオノイドが倒されたガルドは動揺する子となく次の一手と謂わんばかりに自身の頭上にワームホールを出現させた。
『これは……!?』
「なんだ!?」
ワームホールから膨大なエネルギーが彼の肉体に降り注ぐと巨大化、そこからガルドは禍々しい黒い鎧を纏い右手に闇のオーラが出ている直剣を装備した彼の戦闘形態【アーマードメフィラス】に変貌した。
「この力……最高だ! 早速あそこにいる巨人で切れ味を確かめよう!」
ガルドは歓喜の声を上げながら剣を振り回してタイタスに斬りかかる。タイタスは鍛え上げた自慢の肉体で防ごうとしたが闇の力を纏った剣で身体に深い切り傷が入った。
『ぬっ……!? この力は不味い!』
剣に宿る危険な力を察知した彼は回避を試みるが動きが遅いタイタスにとっては極めて相性が悪い。彼は紙一重で躱し続けるがいつ攻撃が当たってもおかしくない状況に追い込まれていく。
「くっ……援護に行きたいけどこのままじゃ」
レストはタイタスの救援に行きたい所だが目の前に宇宙人やゼークス兵が妨害している。その時、一陣の風が吹き荒れると宇宙人やゼークス兵達が足を止めて上を見始めた。彼も顔を上に向けるとこのセルザウィードが空から舞い降りてレストに告げた。
「レストよ、この場は妾が引き受ける。窮地に陥った仲間……タイタスを助けるのじゃ!」
「セルザ……ありがとう!」
彼は敵達をセルザに任せてタイタスの元に駆け付けた。ゼークス兵達はレストを追い掛けようとするもセルザが風の刃を発射して妨害する。
「レストの邪魔はさせんぞ……!」
『行くぞ、レスト!』
「おう!」
セルフィア平原を駆けるレストはタイガスパークを起動、タイガに変身してタイタスのもとへ全速力で急行した。
『ぐっ、ううっ……』
「どうやらここまでのようですね……さらば!」
タイタスの身体に沢山の切り傷が刻まれてカラータイマーが赤く点滅している。ガルドに止めを刺されようとした時、タイガの槍がガルドの剣を受け止めた。
『タイガ……!』
『待たせたな、タイタス。後は俺達に任せろ!』
タイガがそう告げるとタイタスは肉体をキーホルダーに変わり、タイガホルダーに装着された。
「来ましたか……タイガ。ここで貴様を倒してこの世界を掌握する!」
『お前の野望はここで終わらせる!』
「僕達の世界を好きにはさせない……!!」
ガルドはタイガを倒して世界征服を宣言するがタイガとレストはそうはさせまいと毅然と反論、両者の本格的な戦いが幕を開けた。