ルーンファクトリー4×ウルトラマンタイガ ルーンの奇跡 作:ヴォーテクス
自室に戻ったレストはベッドに座り込んで考え事をしているとタイガに声を掛けられた。
『レスト、お疲れ様! 仮の王子とはいえ大変だな』
「こういう事には慣れているから大丈夫だよ。タイガも似たような事があったの?」
『そうだな、俺の父さんと祖父が光の国で有名人だからな……その息子の俺のプレッシャーが半端じゃないよ』
若干不満げな口調で語るタイガにレストは疑問を抱いて更に問いかける。
「どうして?」
『俺の父さんは宇宙警備隊の筆頭教官で祖父が大隊長という偉大な称号があるからな。俺個人を見てくれる人が少なくて……困っていた』
タイガは彼の質問に溜め息を吐きながら答えるがどこか吹っ切れたような感じに聞こえた。
『けど……今はタロウの息子という事に誇りを持っているぜ! 素晴らしい
「タイガは沢山の仲間と出会って絆を紡いで来たんだね。実は僕……記憶喪失にあって色々あってこの街に着いたんだ。最初は右も左も全く分からない状態だったけど街の人達が僕を支えてくれたから今の僕がいるんだ」
『そうかぁ……お前も大変だったんだなぁ~。俺や父さんも一回、敵の策略に嵌まった事があったけどその時も仲間達の力で助けてもらった事を思い出すぜ!』
「僕も色々な事があったよ。祭りに参加したり、アースマイトの才能を持っていた事が分かったのは驚いたよ。それだけじゃなくて帝国軍と戦ってセルザを連れ戻したりとかなり大変だったよ。特にタイガと遭遇した時が一番驚いたけど」
レストは苦笑いしながらタイガに言った。するとタイガも苦笑いしながら同調する。
『そうだな……。俺も色々な星に行ったけどここはかなり良い街だと思うぜ! セルフィアはいい所だ、今度は観光客として行きたい!』
「それなら大歓迎だよ!街の脅威が去ったら今度は客として来て欲しいよ!」
二人は笑いながら話をした後、自室を出て広場を経由して執事室に入るとこの城で執事をしている紫髪の女性【クローリカ】がこちらに手招きをしていた。
「あっ、レストくん。私の部屋でお茶しませんか~?」
彼女はレストにお茶をしようと誘いをかけるとレストはタイガにクローリカの事を紹介する。
「タイガ、彼女はクローリカだ。普段は眠そうな顔をしているけど寝ながら働ける凄い女性で料理が得意なんだ」
『へぇ……寝がら仕事かぁ~。かなり変わっているけど凄いな!』
「レストくん、どうかされましたか~?」
こそこそとレストが誰かと話している様に見えたクローリカが疑問を抱いて声をかけた。
「いえ、何でもないです。よろこんでお茶をしましょう!」
「それじゃあこちらへどうぞ~」
レストを自室へ案内したクローリカは紅茶と菓子のアップルパイを机の上に出した。
「今日はおいしいお茶を頂いたんです。だからレストくんにもおすそわけしたいなっ~て思ったんです」
彼女はどうぞと言ってお茶とアップルパイを彼の傍に差し出す。レストはお茶と一緒にアップルパイを貰ったのかどうか聞いてみた。
「違いますよ~。これは私が焼いたんです」
クローリカが自分でアップルパイを焼いた事に驚く彼だが彼女はその反応を見て機嫌が悪くなる。
「むっ、失礼な驚きです。レストくんが初めてこの街に来た時に渡したアップルパイを焼いたのは私ですよ~」
レストは弁明を試みるがクローリカはその前に矢繋ぎで口を開いて語った。この街に初めて来た時に食べたアップルパイの事を彼は思い出す。
「覚えてますよ。とても美味しかったです! あのアップルパイはクローリカが焼いた物だったのかぁ~。クローリカはお菓子が作れるんだね」
「はい♪ お菓子作り、好きなんです♪ さあさあ、それじゃあ早速食べてみてください。ジマンの自信作ですからっ!」
「それじゃあ頂きます」
クローリカに勧められたレストは彼女が焼いたアップルパイを一口食べて丁寧に味わうがそれをクローリカは真剣な眼差しで見つめる。かなり緊張しているようだ。
「これは……美味しい!!」
クローリカが焼いたアップルパイはとても美味しくてレストは舌鼓を打った。その反応を見た彼女は一安心すると彼はふと思った疑問を呟く。
「あれ?ジマンの自信作だったんじゃ?」
「あ……コホン。き、緊張くらい、誰でもしますよ」
その呟きを聞いたクローリカは誰でも緊張すると答えると彼は苦笑いした。そしてレストはおかわりを要求すると彼女はもう一つのアップルパイを彼の前に出すと直ぐに食べ始めた。
(レストくんってば、本当においしそうに食べてくれてる……。な、なんでしょう……この、フシギな気持ちは……)
クローリカはそんな事を思いながらレストを見ていると彼が急に口を開いてこんな事を喋り始めた。
「将来クローリカと結婚する人は毎日おいしい料理が食べられて幸せですね」
「けっけけけ結婚!?けっけけ結婚って!!!?!」
彼がそう言うとクローリカが戸惑うがその反応が良かったのか更にレストは彼女の料理を褒める。
「だってこんなにおいしいんですよ?未来の旦那さんが羨ましいですね」
「だんなさん……うらやま……っ……! おいしっ……えええっ!?」
彼の褒め言葉に顔を真っ赤に染めた彼女だがここでレストはトドメをさす言葉を投げつけた。
「クローリカはきっといいお嫁さんになります」
「お、オヨめさン……っ!?!?! えええええええええええええ……っ!?」
この言葉が決定打となったのかクローリカの顔から湯気が沸き立つように真っ赤に染まりきっていた。
「……クローリカ?なんだか顔が赤いですよ?」
「……な、なんだかヘンな気持ちで……。は、恥ずかしくて……。恥ずかしくて爆発しそうです~……!」
レストはそう言って顔面を近づけるが彼女の顔の頬は更に熱を帯びていき、クローリカもそれを感じている。
「えっ!?大丈夫ですかクローリカ!?」
「あ……あうう……。 もう、まともに顔が見れません~……!! さっ、サヨウナラッ!!!」
耐えきれなくなった彼女は執事室からもの凄い速さで走り去った。
「クローリカ、一体どうしたんだろう?」
『レスト……お前、自覚が無いんだな……。その内、刺されそうだ。あんな事、俺には恥ずかしくてとても言えねぇよ!』
レストはそう呟くとタイガは呆れたような口調で溜め息を吐いた。それから彼等は紅茶を飲み干してアップルパイが載っていた皿とカップを洗って棚に戻してから自室に戻った。
『レスト、セルザから貰った御守りを見せてくれないか?』
「良いよ!」
レストはタイガにセルザの御守りを見せて欲しいと頼まれて懐から御守りを取り出して見せた。彼はこの御守りを肌身離さず持ち歩いている。今は別のアクセサリを装備しているがリュックにこれを常時携行している。タイガはその御守りから暖かい光を感じ取って呟く。
『これが神竜の御守りかぁ~。神秘的で良いな。そうだ、この御守りに俺の力を込めよう!』
彼は右掌から淡い光を御守りに照射して自身の力の一部をセルザの御守りに与えた。その証としてセルザの御守りに飾りがほんのり赤い光を発している。
「タイガの光とセルザの光を感じる……。タイガ、君の力をこの御守りに与えたの?」
『そうだ。これを持っていれば光の加護がお前を守ってくれる!』
「タイガ……ありがとう!」
『良いってことよ!』
タイガの光を受けたセルザの御守りをレストは懐に戻した。
ラブ・クローリカというサブイベントと幕間を組み合わせました。