ルーンファクトリー4×ウルトラマンタイガ ルーンの奇跡 作:ヴォーテクス
セルフィア平原に現れた銀色の身体を有する剛力怪獣シルバゴンが街に迫る。それを迎え撃つ為にレストは人目に付かない場所に移動しようとした時、上空を巨大な人影が飛ぶ光景を目にする。
「あれは……?」
『あのシルエットはもしかして……!?』
レストとタイガはそれを追ってみると赤と黒の筋肉質な身体が特徴的な巨人がセルフィア城門の前に降り立った。この巨人の名はウルトラマンタイタスでシルバゴンと取っ組み合いを始めた。
『デュアァァッーー!』
シルバゴンを突き飛ばしたタイタスは右拳に力を込めて
『ぐっ、うっ……!?』
シルバゴンが逃げた直後、タイタスは追いかけようとするが急に膝を着いた。それと同時に星形のカラータイマーが点滅し始める。それを見たレストとタイガは違和感を持つとタイタスの身体がいきなり消滅した。
「どうしたんだろう?」
『おかしいな。タイタスはさっき出てきたばかりなのにカラータイマーが点滅して消滅なんて……まさか!?』
不審に思いながらもタイタスが消えた場所に行くと肩を上下に大きく動かしているフォルテが何故かそこにいた。彼女の様子を見るとかなり疲れているように見えて呼吸が荒い事をレストは察知する。
「フォルテさん! 大丈夫ですか!?」
「レストさん! どうしてここに!?」
フォルテがレストの登場に慌てふためくも自身に憑依しているタイタスがレストに憑依している存在に気付いて声をかける。
『タイタスじゃねぇか! 無事で良かったぜ!』
『その声はタイガ!? 無事で何よりだ!』
タイガとタイタスは再会を果たして喜びの声を上げるがレストとフォルテが話に付いていけていない。それを知った彼等は改めて二人のいる所へ振り向いた。
『紹介するぜレスト、こいつはウルトラマンタイタス! U40のウルトラ戦士で俺のチームの一員だ!』
『フォルテ殿、紹介しよう。彼はウルトラマンタイガ、M78星雲の光の国から来た宇宙警備隊のウルトラ戦士でトライスクワッドのメンバーだ』
互いの事を紹介した
「つまり、大きな力を悪用しようする存在を止める為に追って来たという事ですね」
『理解が早くて助かる。しかし今の我々では実体化が難しく誰かの肉体を借りる必要がある。そこでフォルテ殿の肉体を借りたのだが……結果はこの通りだ』
フォルテはタイタス達の説明を要約するとそれが正解だとタイタスは返事をする。タイガとタイタスは敵との戦いで大ダメージを負って単独での実体化が困難なのだ。故にタイガスパークを介して変身する必要がある。
『それにしてもフォルテの肉体を借りたタイタスの実体化が異常に短かったのはどういう事だ? レストの時は制限時間以外はこれといった変化はなかったけど……』
『恐らく、彼女と肉体の同調が上手くいっていない可能性がある。私が原因なのか或いは何らかの資質が関与しているのかもしれないが……』
「それは僕がアースマイトだからと思います」
レストはここで自分がアースマイトだからタイガ達との同調が上手くいっている事を推測すると共にアースマイトに関する説明をした。
アースマイトはこの世界の神に相当する存在のセルザウィード曰く、モンスターや大地と対話することが出来る人間であり農作業を介して大地を潤すことができる者との事だ。彼はそのアースマイトの血を継いでいるのだ。
「アースマイトは古代の魔法、エーテルリンクというルーンと人を融合させる魔法が使えるのでその影響があると思います。僕とタイガが一体化した時は何も無かったので」
『エーテルリンクか……なるほど、それはあり得る。次に怪獣が出た時は私がレストくんの体を借りて変身しよう』
タイタスはレストの説明を聞いて同意するがフォルテはそれに激しく異議を唱える。
「レストさん、待ってください! 貴方はタイガさんに肉体を貸していると思いますが大丈夫でしょうか? 肉体的な負担を考えると私がタイタスさんに身体を貸した方が良さそうだと思いますが……。それに街を守る事は私の仕事です。私の方が適任です!」
『彼の負担を考えてくれるのはとても有り難い。しかし今の様に偶々、怪獣が私の一撃で撤退したから良かった。だが次にまた同じ様な怪獣が出てマトモに戦える保証はあるか……?』
フォルテの異論に対してタイタスはそれを諭すように答えると彼女は黙ってしまった。
「フォルテさん、ここは僕に任せて貰えますか? フォルテさんは僕達が戦っている間に街の住人や観光客の避難誘導をしてくれた方が僕は助かります」
「ですが……」
レストの提案にフォルテは迷いを見せるが突然、地面が派手に揺れて大きな雄叫びが街全体に響き渡った。レストとフォルテは何事かと外へ慌てて飛び出すと先程、街を襲ったシルバゴンと思わしき怪物が再び姿を表した。
しかし、最初に出現した個体と違う部分があり目付きが鋭くなっており体型が大きくなり凶暴な顔付きをしている。この怪獣はシルバゴンが強化改造された個体【超剛力怪獣 キングシルバゴン】である。
「グギァァァッーー!!」
雄叫びを上げながら侵攻するキングシルバゴンは口から
『行くぞ! レスト!』
「分かった!」
タイガに促されたレストはタイガスパークを起動、ウルトラマンタイガに変身してキングシルバゴンに飛び蹴りを喰らわせて街から突き放す。フォルテはその光景を見て圧倒されていた。
『ここから先は行かせない!』
タイガは勇んで宣言すると共にキングシルバゴンの下腹部に接近してタイガブローを連続で撃ち込むが効果は殆ど無い。キングシルバゴンは全く効果が無いと言いたいのか右腕でタイガの左拳を軽く払い退けて頭突きと右蹴りで反撃する。
『うわぁっー!?』
右蹴りで押し出されたタイガは咄嗟にスワローバレットを発射するが青い火炎弾で相殺される。キングシルバゴンは地鳴りを立てながら走ってタイガとの距離を詰め、右手の鋭い爪で彼の身体を切り裂く。更にキングシルバゴンは頭に生えた鋭利な角をぶつけて追い討ちをかけた。
『ぐわぁっーー!?』
タイガはキングシルバゴンの剛力に追い詰められている。フォルテはタイタスに変身しようとタイガスパークを起動するもタイタスはそれを止めた。
『フォルテ殿、待ってくれ! 今の君が私に変身してもこの状況は打開できない!』
「しっ、しかし……ただ黙って見ている訳には!?」
『ならばこうしよう。フォルテ殿、私のキーホルダーをタイガに向けて投げてくれ。そうすれば後はレスト殿と私が力を合わせて怪獣を倒す! 今はそれしか手がない!!』
「わ……分かった」
タイタスの提案をフォルテは渋々と受け入れた。倒れているタイガの近くまで彼女は走ってキーホルダーを投げ渡す。
「レストさん! これを受け取ってください!!」
フォルテの手から離れたキーホルダーはタイガのカラータイマーに入るとレストがいる
『タイガ、待たせたな! ここからは私に任せてもらおう!私の名前はタイタス、力の賢者だ!』
『タイタス……頼む! レスト、交代だ!』
「分かった!」
《カモン!》
タイガスパークのレバーを引いた彼はタイタスの顔が刻印された星型の水晶が埋め込まれているキーホルダーを左手に持ってタイタスの異名を発する。
「力の賢者! タイタス!!」
右手に持ち変えたレストは右腕を掲げて思い切り叫ぶ。
「バディー……ゴォォッーー!!」
《ウルトラマンタイタス!》
荘厳な音楽と共に七色の光の奔流がマーブル状に変化、その中からウルトラマンタイタスが両腕を振り上げて飛び出すと同時にキングシルバゴンを渾身の力を込めて殴り飛ばした。
『ふんっ!』
タイタスは両腕を上に曲げ、上腕二頭筋を強調。
『はっ!』
続いて腰元へ手を持って行き、背中を広げる。
『ふぅんっ!!』
最後に手を組んで身体を捻りつつ、胸や腕……そして脚。全身の至る所の厚みをアピール。U40屈指の肉体を有する光の戦士、ウルトラマンタイタスがレストの肉体を借りて降臨した。
「この構えは一体……?」
セルフィア平原のど真ん中で突如として開始されたボディビル大会に、レストは苦笑する。これはタイタスの特技【ワイズマンズハッスル】で自分の肉体を一時的に強化できる技だ。
『私は筋肉を強調することで一時的に己の力を高める事ができる。行くぞ!!』
タイタスは右拳にエネルギーを集中させて賢者の拳をキングシルバゴンの頭部に叩き込んで頭を激しく揺さぶった。
「ガギャァァァッーー!?」
キングシルバゴンは頭部に強烈な衝撃を受けてよろめくが首を振って何とか態勢を整え、左手の爪を振り下ろして反撃する。しかしタイタスは片手でその攻撃を難なく受け止めた。
『やるな! だが……その程度では私は倒せん!』
タイタスは宣言すると同時にキングシルバゴンを両手で自身の頭上に持ち上げて街から離れた平原へ投げ飛ばした。倒れるキングシルバゴンに彼は跳躍、全体重を乗せたマッスル・フライングプレスで追撃する。
「グォォォォッーー!?」
5万トンの重さが全身にのし掛かかったキングシルバゴンは悲鳴を上げるがタイタスは立ち上がって自身の体重を乗せて右肘撃ちを鳩尾に叩き込んだ。
キングシルバゴンは強烈な打撃を立て続けに受けた事により既に満身創痍でフラフラとしている。辛うじて青い火炎弾を発射するがタイタスの手刀により呆気なく切り払われた。そのお返しとして右掌から強烈な
それを脆に浴びたキングシルバゴンは悲鳴を上げて逃げようとする。タイタスは逃がすまいと背を向けているキングシルバゴンの尻尾を掴んで激しく振り回し、ハンマー投げの要領で平原からより遠く離れた場所に投げ飛ばして地面に叩き付けた。
『セブンレットを、使いなさい!』
《カモン!》
ポーズを取りながら彼に指示を出す。レストはタイガスパークのレバーを引いて左腕を突き出すと
《セブンレット、コネクトオン!》
真紅の戦士【ウルトラセブン】の幻像がタイタスの全身を覆うと共にマッスルポーズを取りながら水色の光球を生成、それをウルトラセブンの武器であるアイスラッガーの形に変えて両手で挟み全力を込めて投擲すると同時に叫ぶ。
『ワイドスラッガァァッーー……バスタァァッーー!!』
変身を解除したレストはフォルテの近くに移動して頭を下げた。
「フォルテさん、タイタスと一緒に戦ってくれてありがとうございます!」
『私からもお礼を申し上げよう。ありがとう!』
「いえ……ただ私は街を守っただけなので。それにレストさんとタイタスさんが私達を守ってくれました。お礼の言うのは私の方です」
フォルテもレストが街を守ってくれた事に礼を告げる。すると側にいたタイタスはある物をフォルテに授けた。それは翡翠色をしている星型のクリスタルが埋め込まれたブレスレットだ。
「えっと……これは?」
『それは私の力がこめられたスターブレスレットだ。これを身に付けておけば邪悪な力から君を守る事ができる御守りだ。だから肌身離さず着けて欲しい』
タイタスは彼女に腕輪を効力を説明するとそれを左腕に装着した。フォルテは左腕を翳すと淡い優しい光がセルフィア平原を照らす。
「ありがとうございます!これを一生、大事にします!レストさん、今日はありがとうございました。これで失礼します」
彼女はそう言い残して街に戻った。フォルテの後を追うようにレストも街に戻り、城の自室に入ってベッドへ潜り深い眠りに着いた。
ワイドスラッガーバスターはセブンレットを使ったオリジナルの必殺技です。
タイタスとフォルテの出会いに関しては幕間で明かします。