ルーンファクトリー4×ウルトラマンタイガ ルーンの奇跡   作:ヴォーテクス

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迫る昆虫の大群(その1)

  西セルフィア平原に昆虫型甲殻怪獣【インセクタス】が出現。レストが西平原に単独で赴きタイガに変身して戦っており右キックをインセクタスの顔面に浴びせた。

 

『へァッ!』

 

 タイガが追撃で繰り出した左ストレートパンチが直撃、インセクタスは怯んで後退。更にスワローバレットを脚部に撃ち込んで追い討ちをかける。

 

『レスト、プラズマゼロレットで止めだ!』

「分かった!」

 

 タイガの指示に従ってレストはプラズマゼロレットを召喚して後部のスイッチを押して展開、タイガスパークを裏面に翳して赤いスイッチを一回押した。

 

《プラズマゼロレット、コネクトオン!》

『タイガエメリウム……ブラスターー!!』

 

 ウルトラマンゼロの幻像に包まれたタイガは額のビームランプから緑の稲妻を帯びた光線を照射。インセクタスの顎の部分に命中、あっさり倒れて絶命した。

 

『あいつは雌で卵を産んでいる可能性があるから念のため凍結しておくか』

『この星の生態系に大きな影響を与えるから最小限に留める必要があるな』

 

 タイガが注意深くそう呟いた。インセクタスは以前、メビウスが地球に滞在していた時期に出現した怪獣で雌の個体は卵を産卵している可能性がある。そこで彼はウルトラフリーザーで遺体や周辺を凍結させて宇宙まで死体を持ち運んだ。

 

『後は私に任せろ!』

 

 タイガはタイタスに交代して右掌から高熱を帯びた光線【ロッキングフレア】を放ってインセクタスの遺体を焼き払った。

 

『これで大丈夫だ。さぁ戻ろう!』

 

 地上に戻ったタイタスは変身を解いて街に戻った。しかし遺体を宇宙に運んでいた時、密かに幼虫が離れていた事に気付かなかった。

 街に戻ったレストは城の竜の間にいる神竜(セルザウィード)へ怪獣を倒した事を報告した。セルフィアの街の名物であるセルザは一時期、姿を消していたが色々な事情を経てここに戻ってきたのだ。

 

「ご苦労だったレストよ。いつも助かっておるぞ、この街を守ってくれているお主に感謝せんとな」

「いやぁ~……対したことはしてないよ」

『頑張ったのは俺達だけどな』

『レストの協力があってこそ、我々も戦えているからお互い様だ』

 

 セルザがレストを讃えると彼は謙遜、タイガは自分の手柄と強調するもタイタスはレストの協力があってこそとタイガを諫めた。因みにセルザはタイガとタイタスの存在に気付いていないようでレストが見えない誰かと会話しているように見えていた。

 

「レスト、何を一人で喋っておるのじゃ? 誰かそこにいるのか?」

「何でもない、只の独り言だよ。最近、何か変わった事は無いかな?」

「ここ最近、ゼークス帝国の過激派の連中がエゼルバードの研究データを盗んで失踪したという情報があったわ。アーサーを筆頭に王都からの調査隊とゼークス帝国の穏健派が合同で調査をしておるが……何やら嫌な予感がするのじゃ」

 

 ゼークス帝国のエゼルバードに忠誠を誓っていた一部の兵士達が独断で起こした行動である。しかもその連中は何者かの手引きによる物だと調査で判明しているが詳しい事は分かっていないのが現状だ。

 

「分かった。彼等の動きに気を付けるよ、それじゃあ」

 

 レストは返事をして竜の間から自室に戻る直前、畑仕事が途中だった事を思い出して城の裏庭にある畑に足を運んだ。その作業をしている途中でタイガが声をかけてきた。

 

『所でエゼルバードってのは一体どんな奴なんだ?悪い人かな?』

「あいつは大陸を支配して神になろうとした悪の皇帝。僕とセルザ、この街の人達の力を合わせて倒した奴だけど。あいつの残した傷痕は未だに……」

 

 タイガの質問に答えたレストは苦虫を噛み潰したような表情をしながら重い口を開いた。

 

『そうか、君も辛いことがあったんだな。心中を察する……』

『……』

 

 タイタスは彼の思いを汲み取って呟き、タイガは両腕を組んで見つめた。黙々とレストが畑仕事をしている光景を彼等は見ていた。

 

『畑仕事か……。桑で土を耕したり、ハンマーで石を叩いたり、枝を斧で加工したりと……中々良いトレーニングになりそうだな!』

『また始まったよ、タイタスの筋肉語り……』

 

 タイタスは彼が進めている畑仕事が自身の筋トレの参考になると呟くがそれを聞いたタイガは呆れた様に愚痴を溢した。タイタスは日頃から筋トレをしておりスクワットや腕立て伏せを欠かさずに行っている。

 

「ふぅ……今日はこんなものかな? お腹も空いた所だし夕食の料理を作るとするか」

 

 今日の畑仕事を終えたレストは夕食を摂るために裏口から自室に戻った。そこに青髪が特徴的な執事の青年であるビシュナルが慌てて彼の部屋へ駆け込んで来た。

 

「王子、大変です!ポコリーヌキッチンに来た客が暴れています。ダグくんとディラスさん、ヴォルカノンさんが今抑えていますが持ちません。手伝って下さい!」

「分かりました!直ぐに行きます!!」

 

 彼がポコリーヌキッチンで客が暴れている報告を受けたレストは急いでポコリーヌキッチンへ駆け付けた。現場に着くと暴れる男性客を取り抑えている青い長髪の青年【ディラス】が突き飛ばされて床に倒れていた。因みにこの店の歌姫であるマーガレットは裏手に避難している。

 

「ディラス、うワっ!?」

「うがぁぁぁぁっーー!!」

 

 ディラスが突き飛ばされて動揺した赤髪のドワーフの青年【ダグ】の隙を突いた男性客は彼を壁に叩き付けて気絶させた。

 

「こいつ、大人しくしろ!!」

「わあぁぁっーー!?」

 

 レストは男性の腰にしがみついて叫ぶも雄叫びを上げた客が抵抗している。このままではいつ彼が振りほどかれてもおかしくない状況だったが紺色のローブを着た青年が腕を掴んで後ろに回した。レストは何かを察知して腰にしがみついた客から離れると机に暴れていた客を叩き伏せた。

 

「うがぁぁぁぁっ……あっ……!?」

 

 暴れていた客は突然意識を失って倒れた。先程の行動が嘘の様に鎮まっており不気味さを感じたが取りあえず暴れていた客を止めた青年を他の客達は一斉に拍手する。少し遅れて事件を聞き付けたフォルテがやって来たが既に終わっていた。

 

「皆様、私の連れが大変失礼な行動をして申し訳ありません。私が彼を運びますので道を開けて頂けますか。それでは私はこれで失礼します」

 

 そう告げた彼はカウンターに代金を置いて暴れていた客を肩に担いで店を出る。一部始終を見ていた客は何事も無かったかのように食事を再開するがレストは青年の行動を見て怪しむ。

 

「この感じ……何か嫌な予感がする……」

『あぁ……何と無くだが俺もそう感じる』

『私も同感だ。あの青年はただ者ではない』

「王子、どうかされましたか?」

 

 三人は青年を警戒するがビシュナルに声を掛けられたが何でもないとレストは返事をする。それから店に来た次いでに料理を摂る事にした。

 

「レストさん、何かありましたか?」

「それが……」

 

 レストはフォルテから事件の詳細を聞かれてそれを説明すると彼女が浮かない顔付きになって呟く。

 

「怪しいですね……。レストさん、気を付けてください」

「分かりました」

 

 フォルテからの忠告を受けたレストはそれに同意。そして彼女も彼等と一緒に夕食を摂る事になった。

 

 

 

 

  その頃、店を出た青年は街の外へ出て暫く歩いて周囲を見渡して誰もいない事を確認。黒い靄に包まれると同時に異形の姿に変貌した。

 

「良いサンプルが取れましたね。これは私の実験に使えそうですな」

 

 メフィラス星人のガルドがそう呟くと左腕に着けた謎の装置を起動、テレポートで別の空間へ先程暴れていた客と共に移動した。はじまりの森と呼ばれる特殊な空間に着いた彼は担いでいた男性を乱暴に下ろした。

 

「ふふふっ……さぁ、始めましょう」

 

 彼はそう告げると左腕に着けた謎の装置を再び起動。装置が紫色の閃光が瞬き、漆黒の靄が形成されていくとそれは球体の様な形に変化する。

 

「エーテルリンク!」

 

 彼はルーンの魔力を闇に変換、男に寄生していたノープリウス状態のインセクタスの雄へ紫色の球体を注入、一気に成長を促した。エーテルリンクとはアースマイトの秘術の一つで術者とモンスターを融合させる魔法だ。

 ガルドはゼークス帝国兵士の過激派が盗んだ研究データから人間に寄生した怪獣の幼体を強引に成長させる実験を試みた。その結果、インセクタスは急成長。被験者となった男性の体を粉々に砕いて飛び出すとはじまりの森からゲートを通過。

 翌日の昼、セルセレッソ丘陵からインセクタスが侵攻を開始する。




はじまりの森に関しては怪獣墓場の様な扱いをしています。
ゲートから出る時間に関しては人間界とはじまりの森の時空が歪んでいる影響で出現する時間帯が異なる設定になっています。
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