ルーンファクトリー4×ウルトラマンタイガ ルーンの奇跡 作:ヴォーテクス
ある日の早朝、マーガレットは街中の至る所に捨てられているゴミを拾っていた。彼女は綺麗好きで小さな汚れが見過ごせないエルフの女性で音楽家でもある。そんな彼女はゴミに紛れていた銀色のキーホルダーを発見する。それはタイガやタイタスとは異なるがウルトラマンと思わしき顔が彫られたキーホルダーだった。
「これ……変わったキーホルダーねぇ~」
マーガレットはそれを少し眺めてボッーとした後にゴミ拾いを思い出して再開、それを終えて帰宅。因みに拾ったキーホルダーは落とし主がいるかもしれないという事で持って帰ることにした。
帰宅した彼女は音楽家の仕事として食堂で披露する新たな楽曲を作詞をするために机に向き合い書き始めるがキーホルダー越しにフーマが潜かにそれ見ている事を気付かなかった。暫くして歌詞と音楽が調和しているかどうか確かめる為に楽譜に書いた音楽を奏で始めた。
(音楽か……この姉ちゃんの曲は中々良いもんだな)
キーホルダー越しにマーガレットの作曲作業を見ていたフーマは心の中で呟くと突然、マーガレットが此方に注目する。
「今、誰かに見られている気がする。まさか……幽霊じゃないよね……?」
『俺は幽霊じゃねぇっ!!』
マーガレットは幽霊らしき存在に見られている事を感じて恐れるように呟くとフーマは怒鳴り声を上げてしまった。彼はとても短気な性格で挑発に弱くてすぐに怒ってしまうがそれが仇となる。エルフの聴力は人間よりも遥かに優れており人では聴けない音を聞き取る事が可能でこの声は彼女に聞こえていた。
「何、この声!? 何処から聞こえているの!?」
(ヤベッ……うっかり怒鳴っちまった)
フーマは怒鳴ってしまった事を後悔するが手遅れでマーガレットは周囲を見渡して声の発信源と思わしきキーホルダーを手にとっていた。
「ここから声が聞こえた気がする……」
マーガレットはキーホルダーを凝視するとフーマはその威圧に圧倒されて降参。彼女の前に半透明ながらも己の姿を見せる。それは海の様な青い肉体と忍び装束を彷彿させる装飾、鋭いトサカの形状が特徴的な青いウルトラマンだった。
『参ったぜ、姉ちゃんの聴力は対したもんだ……』
フーマは溜め息を吐きながらマーガレットの前に出るが彼女は唖然としていた。
『おっと、自己紹介がまだだったな。俺は風の覇者、ウルトラマンフーマ!』
彼は堂々とポーズを取って自己紹介をしたがマーガレットは未だに呆然としていたが直ぐに我を取り戻した。
「えっ……えぇっーー!?」
彼女の悲鳴が室内に木霊するが幸い、防音対策を施していたマーガレットの家の外に聞こえる事はなかった。それからフーマとマーガレットは自己紹介を済ませた後にフーマがここへやって来た経緯を彼女に話した。無論、タイガと話す内容は同じなので省略。
「つまり、フーマさんは悪魔の欠片を悪用しようとする存在を仲間と一緒に戦ってはぐれたってこと……だよね?」
『そう言うことだ。俺の
マーガレットはフーマの経緯をまとめると彼は納得、フーマは自分の事を呼び捨てでも構わないと彼女に伝える。
「その仲間はもしかして前に出たあの二人の巨人さん達の事よね……?」
『おっと今からそいつらの特徴を当てるぜ。一人目は銀の角を左右に付けた鬼の様な銀色の巨人。二人目は黒と赤の身体で頭と胸に輝く星マークのあるゴリマッチョな巨人……って所だな』
マーガレットが目撃した巨人の特徴をフーマは正確に当てた事に驚く。何故ならフーマは彼等と共にチームを組んで戦っているからだ。
『という事はあいつらはこの星に既に来ているってことか。変身している奴が誰だか知らねぇが怪獣が出たらタイガ達も出る筈だ』
「フーマさん、キーホルダーの持ち主を探す手伝いを私にさせて下さい!」
彼はタイガ達が何れにしても現れると予見するもそれを聞いたマーガレットはキーホルダーの持ち主を探す事を提案した。彼女は困っている人を放っておけない性格でそれが偽善だと分かっていても行動しないと気が済まないのだ。異なる星からやって来た存在であっても例外では無いらしい。
『手伝ってくれるのは有り難い。けど闇雲に探しても見つかる訳じゃない。それに俺はこの星に来たばかりで情報は全く無い。少し危険だがタイガ達が出てくるのを待った方が良い』
「それなら大丈夫。私はセルフィアに暮らして長いからこの場所の事はそれなりに知っている。それに例の
フーマはこの場所の事に関して知らないと答えるがマーガレットはその心配は無いと説明する。その人物が誰なのかフーマは考えるも全く分からなかった。
昼から演奏をする為に食堂へ赴くとカウンター席の端にレストがひっそりと座る光景が見えた。
(エルフの姉ちゃんが言った通りだ。あの兄ちゃんから仲間の気配を感じる。問題はどうやってこの状況を伝えるかだが……)
その時、マーガレットの耳に激しく吹き荒れる風の音が聞こえた。それと同時にレストが店の外に飛び出す光景を目にすると後ろから自分の同族と思わしき小人が飛んでいた。
『やっぱり、あの兄ちゃんから仲間の気配を感じた。姉ちゃん、あいつの後を追うぞ!』
「分かった!」
マーガレットはフーマの言葉に従ってナンパしに来た男性のヒロニーを押し退けてレストの後を追い始めた。彼女が追い付く前に街の外へ飛び出したレストはタイガスパークを構える。
『レスト、行くぞ!』
「分かった!」
彼はタイガに変身して暴風を巻き起こす白い羽毛で覆われた猛禽怪獣グエバッサーと対峙する。タイガは先制攻撃と謂わんばかりに大地を蹴って走り右ストレートパンチを繰り出す。
「グェーー!!」
右パンチを顔面に喰らったグエバッサーはよろめくが即座に鋭い嘴をタイガの胸部に突き立てて反撃。それを受けたタイガは痛みで怯むと自身の翼を刃の様に振り回して胴体を切り裂いた。
『ぐわぁっ!? このやろう!』
タイガは負けじと右蹴りを叩き込もうとするがグエバッサーが自身の翼を羽ばたかせて強烈な暴風を発生させた。その暴風に動揺したタイガは咄嗟に右足を地面に下ろして踏ん張るがその力は圧倒的で立っているのが精一杯だ。
一方、タイガとグエバッサーの戦場に駆け付けたマーガレットは暴風に巻き込まれており身体が吹き飛ばされそうになる。
「なにこの風! 強すぎる!!」
『グエバッサー、面倒な風を……!』
タイガは誰かの声が聞こえた事に気付いて振り向くと木にしがみついている女性を見つけるがそれを見たレストは驚いて声を発した。
「マーガレット!? どうしてここに!」
『この気配……フーマも一緒なのか!?』
互いの仲間がここにいる事に動揺する二人だがグエバッサーはその隙を見逃す事なく翼から大木を切り裂く風の刃を射出してタイガを切り裂こうとする。
『「マズイ!?」』
風の刃が迫っている事に気付いた二人は咄嗟に背を向けてマーガレットを庇った。
『「ぐわぁぁぁっーー!?」』
「ウルトラマン!?」
背中を真空波で斬られた激痛がタイガに強烈な痛みを与えるがそれを堪えて彼女に大声で伝える。
「マーガレット……君が持っているキーホルダーを渡してくれ!」
『お前の持っているフーマの力が必要なんだ、頼む!!』
マーガレットは二人にフーマのキーホルダーを渡してくれと告げられた事に動揺するがフーマが直に彼女へ頼み込む。
『このままじゃ皆、お陀仏になっちまう。あの暴風に対抗できるのは俺だけだ……。頼む、あいつにキーホルダーを託してくれ!』
「……分かった!」
マーガレットが決心した瞬間、しがみついていた大木が吹き飛ばされて空中へ投げ出された。
「ひぇぇ~~高いぃぃーー!!」
マーガレットは高所恐怖症で高い所が苦手で気を失いそうになりかける。タイガは吹き飛ぶ彼女を慌ててキャッチ、フーマのキーホルダーとマーガレットを自身の体内に取り込んだ。
『待たせたな、タイガ!』
「うそ、レストくんがウルトラマンだったの!?」
再開を果たして喜ぶフーマに対してマーガレットはレストがタイガに変身していた事実を知って驚愕。
『待ちくたびれたぜ、フーマ……て何でこの子がいるんだよ?』
「マーガレットがフーマのキーホルダーを持っていたの!?」
『驚いている場合じゃ無いぜ、三人とも! 俺の事はこう呼べ……風の覇者、フーマってな!!』
《カモン!》
フーマと一緒に入って来たマーガレットに疑問を抱くタイガとレストはフーマに促されてタイガスパークのレバーを引く。彼女からキーホルダーを受け取った彼は左手に持って叫ぶ。
「風の覇者、フーマ!」
キーホルダーを右手に持ち変えるとタイガスパークの発光部と背景が青色に変化。レストは青く光るタイガスパークを掲げて叫ぶ。
「バディー……ゴォーー!!」
《ウルトラマンフーマ!》
氷の結晶の様な光から生じる旋風の中からフーマが左手を上に伸ばして飛び出す。突如発生した強烈な閃光に怯んだグエバッサーは後退。光が収まると自身と同じ大きさとなったフーマが目の前に姿を表した。
『俺の名前はフーマ。銀河の風と共に参上!!』
「よし、これで戦える!」
「えっ、どういうこと!? た、高いぃ~~!!」
レストはフーマに変身して気合いを入れるが姿が変わった事にマーガレットは戸惑う。彼女はウルトラマンの体内に初めて取り込まれた上に自分が高い場所にいる事に気付いて悲鳴を上げる。
『エルフの姉ちゃん、静かにしてな! 舌噛むぞ!』
「ごめん……」
フーマがマーガレットに注意すると彼女は少ししゅんとした表情をして口を閉じた。グエバッサーはフーマに吼えて威嚇するが当人は右手を前に出して挑発する。
「グェェーーー!!」
挑発に怒ったグエバッサーは両翼から羽を矢の様に射出して牽制するがフーマは両腕から無数の光刃で羽を相殺。更にフーマはグエバッサーの懐に間髪入れずに素早く飛び込んで右手刀による鋭い一撃を腹に撃ち込む。
『遅い!』
そこから左肘撃ちと右回し蹴り、左蹴りと右ストレートを激流の如くグエバッサーの腹に叩き込んで追撃をする。グエバッサーはたまらず空中へ飛んで戦況を変えるべく何度も旋回を繰り返して風を巻き起こす。
『竜巻か……だが俺にその技は通じねぇ!』
フーマは自身よりも数倍大きな竜巻を前にするが恐れることなく竜巻とは反対方向に旋回して逆回転の竜巻を生み出して相殺した。
『お次はこれだ!』
彼はグエバッサーの周囲を飛び回りながら光波手裏剣を翼や腹を中心に連続で発射してダメージを与える。更にフーマは残像が生じる程の速さで動いて撹乱、光波手裏剣を鋭利な刃状にして投げ付けて傷をより深く刻み込んだ。
『レスト、エースレットを使え!』
「分かった!」
レストの左腕に顕現したブレスレットは男女両性的なイメージを湛えた戦士の胸部を象ったブレスレット【エースレット】をタイガスパークでリードした。
《エースレット、コネクトオン!》
ウルトラマンエースの幻影がフーマに重なるとタイガスパークにエネルギーを込めて解放、右手でピースマークを突き出して堂々と宣言。
『これはピースマークじゃねぇ! お前はあと二秒で終わりってことだ!』
フーマは周囲を飛び回りながら月型の光刃を連続で発射。放たれた光刃は途中で多数の刃に分裂してグエバッサーの全身を切り裂く。無数の切り傷が刻まれたグエバッサーは満身創痍だ。
『月星光波手裏剣!!』
タイガスパークにチャージされたエネルギーを解放。拳を作って胸の前で交差して気合を溜めて一気に腕を上下に開く。そこから半月型の大きな光刃を発射、光刃はグエバッサーを真っ二つに切り裂くとその場で倒れて爆散した。
『終わったぜ!』
彼はグエバッサーを倒して空の彼方へ飛び去った。
『セイヤッチ!!』
変身を解除したレストはマーガレットの側に立って頭を下げた。勿論、フーマも彼と同様に頭を下げる。
「フーマがお世話になりました。えっと……君を戦いに巻き込んでごめん」
『姉ちゃんのお蔭でこいつらに会えたからな。俺からもお礼するぜそれから姉ちゃんを戦いに巻き込んじまってすまねぇ!』
「良いのよ、私は気にしてないから。困った時はお互い様だからね」
二人からお礼を言われて謙遜するマーガレットを見たフーマがある事を思い付いた。彼は精神を集中させて大気にある周囲のルーンを少し集めて結晶を生成。そのルーンは水色の水晶が飾られたペンダントに変えた。
『こいつは俺からのお礼だ。そのペンダントは俺の力がこめられている。そいつを着けていれば闇の力を遠ざけてくれる御守りだ』
「ありがとう! 大事にするね!」
フーマは自分が作ったペンダントの説明をしてマーガレットに渡した。それからレストはマーガレットを店に送った後、自室に戻った。
「これで仲間が揃ったね」
『あぁっ! トライスクワッドのメンバーが揃った!』
『うむ、我々は三人で一つだからな!』
『うっしゃ! そんじゃ、あれをやりますか!』
レストはトライスクワッドが全員再会を果たした事に安堵する。そして彼等はチームを結成した時の誓ったあることを始めた。
『生まれた星は違っていても』
『共に進む場所は一つ!』
『我らーートライスクワッド!!』
三人は右拳を突き出して互いの拳に軽く当てた。するとタイガスパークが各々を象徴する色に輝く。それをレストは暖かい目で見ていた。
トライスクワッド、ここに集結!
次回はアースマイトに恨みを持つ皇帝が出ます。