続くか続かないかは作者次第   作:安宅時雨

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前回までのあらすじ
暑くて仕方ない夏の日にアイスを食べながら歩いていたPは、声をかけたノクチルに不審者扱いされる!
アンティーカは恋鐘がいない4人体制となっており、さらには放クラには智代子の代わりに謎の女の子が!?

パラレルワールドに来てしまった(推測)らしいけど、どうなっちゃうの、P!


伏在

 

 

 

 

Pはスマホを取り出す。ロック画面を開き、ちょうど15:00と時間が出たのを見て指が少し止まる。アイスを食べなければ倒れそうだったくらいに熱かった、あの時から数時間しか経っていないことに気づく。いつから世界が変わっていたのか見当がつかないが、昨日はおかしなことはなかったように思われる。入れ替わり(仮)は今日からと考えるのが妥当だろう。

 

チェインのアプリを開き、一人一人に連絡を入れてみようとする。

 

「そういえばアルストロメリアはこれからレッスンだったよな…。千雪に電話でもしてみるか…?」

 

今度は千雪の個人チャットを開き、無料の電話ボタンを押す。だが…

 

……………………………。

 

「あれ?」

 

もう一度押してみるが、電話は繋がらない。

向こうの電波が悪いのかと思ったが、それならば「現在おかけになった〜〜」と音声がなるはずだ。しかし、それも鳴っていない。

 

よくよくスマホを見ると、「圏外」と表示されていた。こんな街中で圏外表示がでるわけがないのだが…。

 

「そうか、これは『元の世界のスマホ』…こっちの世界の電波と、俺のスマホが繋がらないのは当然なのかもしれない」

 

つまり、電話はこちら側の、例えば事務所の電話や、最近はあまり見かけないが公衆電話しか使えないことになる。

 

「なら…!」

 

Pは急いで283プロに戻る。中に入ってリビングのドアを開けると、ちょうどよく甘奈と甜花が仲睦まじく雑誌を見ていた。

 

「あっ、プロデューサーさん!」

「プロデューサーさん…えっと、おはようございます…」

「ああ、おはよう…いや、もうこんにちはの時間じゃないか?」

 

甜花と甘奈が「そうかな…?」と顔を見合わせる。Pはそこまで気にせず今日の内容を確認しようとした。

 

「アルストロメリアはこれからビジュアルレッスンだよな?千雪はまだ来てないのか?」

「…?」

「…えっ、えーっと?ごめん、もう一回言ってもらえないかな?」

 

「もうすぐ、ビジュアルレッスンだよな?アルストロメリアの3人で」

「プロデューサーさん…何言ってるか、わかんない…」

「アルストロメリアって、たしかお花の名前だっけ?」

「えっ、甜花、それ知らない…」

「……そうか」

「ひん…ご、ごめんなさい…」

「いや、忘れてくれ。ある意味、ホッとしているところだ」

 

『3人で、アルストロメリア』

千雪という名前に反応しない姉妹、アルストロメリアという名のユニットが存在しない事実。3人ではないアルストロメリアは、アルストロメリアというグループではなくなっているということだろう。それだけはPにとって救いだったのかもしれない。

 

(しかし、千雪のことも気になる。だがまずは…)

 

Pは真っ先に自分のデスクに向かう。パラレルワールドとはいえ、同じ人間なら持っているはずのものを探す。

 

「あった…!」

 

水色のカバーのメモ帳。アイドルプロデュースに関するいろんなことが書きとめてあり、使いこんだ跡が見られる。

 

「『ラナンキュラス』、双子座に幸運をもたらす花…。これが『甘奈と甜花』の、こっちの世界のユニット…」

 

メモ帳には千雪の名はやはりなかった。

 

「雑貨屋で働いているままのパターン…だな、おそらく」

「プロデューサーさん?大丈夫?」

 

ラナンキュラスの次の予定は、ボーカルレッスンと書いてあった。急に予定を変更したのか、紫の付箋が貼ってある。

 

「ボーカルレッスンか。いやあすまない、変更したのを忘れていたよ。ほら、もうすぐ始まるからいってらっしゃい」

「いやいや、ツッコミどころがいっぱいすぎるよー!」

「…プロデューサーさん、元気、ない…?お昼寝をいっぱいしたら、回復するよ…?」

「ああ、ありがとう!でも俺、仕事やらなきゃだからさ。その話は後で聞くよ。ほら、今日は外部のトレーナーさんが来てる(ってメモ帳に書いてある)。遅れちゃ失礼にあたるだろ?」

 

半ば強引に2人を送り出し、Pは事務所の電話を手にとって番号を打ち込む。

 

『はい、お電話ありがとうございま…』

 

声を聞いた瞬間、Pは言葉を遮ってしまう。まさかな出来事だったからだ。

 

「あっ、そのら……えっと、本当に不躾な質問で、気味が悪いと思ったらすぐにきってくれて構わないのですが」

『…はい?』

「あなたは今、幸せですか…?」

『––––––ええ、幸せですよ。自分の好きなことができる仕事をすることができて、それはとてもとても』

「そう、ですか。…今度そちらで何か買わせてもらってもよろしいですか?」

『ええ、もちろん。…何か、お困りのことがあるようですけど、そういう時は例えば、お花を見て心を落ち着かせて見てください。私はいつも…そうしてます』

「…ちなみに、どんな花か聞いてもいいですか?」

『アルストロメリアっていう花です。特に桃色は、花言葉が「幸い」って言うんです。うちの店にもそれをモチーフにした雑貨があるので、よかったらぜひ♪』

「ええ、ぜひ。…ありがとうございました」

 

(ぜひ、買わせてもらうよ。ありがとう…千雪)

 

ガチャ、と電話を切る。

 

「さて、とりあえず仕事するか…」

 

Pはデスクの上の書類を取った。ペンを取り出し、

 

「ひと仕事終えたら、あの店に行ってみよう…」

 

 

 

現状の問題を追うのをいったん止め、仕事をこなし始めるP。だがそれが逆に解決の糸口になることになるとは、思いもよらなかったPであった。

 

 

 





頭ハピリリとかいう状態になって書いたら文章力が目に見えて下がってて草
これがアルストロメリアをロクにプロデュースしなかった結果だよ!
ロクなプロデュースしたいのでpSSRをもっとよこせ。

それにしても千雪ぐう聖すぎませんかね
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