渡辺曜と浮気した話 作:人体列車
夏の脂っこい日差しが上から降り注ぎ、下からはコンクリートによる都市的な照り返しの光が暑く照り返す中、浦の星女学院のスクールアイドル、Aqoursは屋上で練習の真っ最中であった。
汗を垂らしながら、音楽に合わせダンスをする。
終わったら互いに良かった所、悪かった所を指摘しあい、直していく。
高校の青春を送る日々。
その青春のお手伝い役として、僕、春は居た。
今も水筒の中にスポーツドリンクの粉を入れ、水を適量入れたら振り混ぜる。
それを九つ用意する。
タオルもついでに置いておいた所で皆が暑い、暑いと言葉を漏らしながら、水筒を手に取り喉を嚥下させながら飲んでいく。
「春くん、ありがと」
「僕に出来る数少ない事だからね。」
その太陽に照らされ光り輝いている水を拭き取りながら、僕の彼女、高海千歌がすとんと隣に座った。
太陽に照らされた彼女の姿はとても眩しい。
「もぅとっても暑いよぉ……」
「今日は中々最高気温も高いみたいだしね。ちゃんと水分は取るんだよ?」
「はーい。」
そして、彼女はくぴりと1口飲む。
その横顔から僅かに見える白いうなじに、コクリと動く細い喉に少しドキリと胸が高鳴った。
目を逸らし、みかんがプリントされている彼女のタオルを取って投げる。
「春くん、汗拭いて~」
身体をだらけさせる彼女をついつい、甘やかしてしまう。
末っ子だからなのか甘え方が上手いというか狡猾というか。
「自分で拭きな。そのくらいは」
え~と不満を漏らす彼女
そして、そういえばと前置きをしてからこう言った。
「ねぇ、春くん。明日練習休みだしさどこか遊びに行かない?」
「明日?別にいいけど。どこ行くの?」
「うーん、沼津の方にお買い物にでも行こうっかなぁ~」
「ショッピングね。了解」
楽しみにしてるよ!と言って彼女は練習へと戻って行った。
その後ろ姿を眺めていると、違う人影がこちらに来ていた。
「千歌ちゃんとお出かけするの?」
「曜……聞いてたのか」
やけにニマニマとした笑みでこちらを見つめる曜。
同じ千歌と幼馴染であるのだが、やけに距離が近い。
今も隣に寄り添う様に腕にしがみついている。
暑苦しいから離せと言ったって彼女は聞かない。
「曜ちゃんがアドバイスしてあげよっか?ファッションとか」
「別に大丈夫」
千歌と付き合うことになって、デートに行く時にファッションについて勉強はしてある。
抜かりはない。
「千歌ちゃんと毎日毎日イチャイチャしちゃってさ。」
「僕の好きな人だからね。」
「ねぇ、何処まで行ったの?手を繋ぐ?キス?それとももっと進んじゃった?」
「別に曜には関係ないだろ。」
そんなバカ正直に恥ずかしい事を言える訳ない。
「ふ~ん、あ、そうだ。相談したい事あるからこの後ちょっと残ってくれる?」
「それは別に大丈夫だけど……」
千歌の方に目をやる。
腕の高さや動きをあーでもないこうでもないと動かす彼女。
僕には彼女がいる身。
あまり他の女の子との一対一で会うのは浮気を疑われるので避けたい。
千歌は案外嫉妬深いし。
「千歌ちゃんに私から言うから大丈夫。」
そう言うと曜は千歌の方に走って駆け寄り、話し掛け、それを聞いてなのか千歌はぷく~と頬を膨らませていた。
話が終わったのかまた走ってこちらに駆け寄ってきた。
「少しなら。だって。愛されてるね」
「分かった。なら練習が終わった後、教室で。」
「すいません、春さんこちらに来ていただけますか?次のライブについてなのですが……」
「はーい、今行きます。」
曜にそう待ち合わせを決め、ダイヤさんに呼ばれた為離れようとした時に曜は奇怪とも取れるくらいに、笑顔を浮かべていた。
もう一度見てみると、普通の顔に戻っていた。
あれはなんだったのか。
◆
日もすっかり海に沈みかけ、赤い日差しが窓に差し込み、自分のクラスの教室に向かっていく。
それまでに、話とはなんなのかを考えながら人気のない廊下をコツコツと音を鳴らし歩いていく。
彼女には衣装を任せている。
デザインの事だろうか、それとも布か資金が足りないのか。
扉の取っ手に手をかけガラガラと音を立て、開いていく。
いつもは軽く開く扉がなんとなく重く感じた。
中に入ると机に座り、携帯を弄りながら待っている曜の姿があった。
「それで、話って?」
携帯から目を離し、机から降りて彼女はこちらを見る。
「まずはこれを見て欲しいんだけど……」
携帯に画像か何かを表示して見るように指示をする。
その画像を見ようと彼女には近づいて行き、あと二、三歩くらいの時にぎゅっと手を引っ張られ僕は床へと押し倒された。
次に感じた感覚は唇に甘く柔らかい感覚。
そして、目の前には曜の顔がいっぱいに映し出された。
次に、ニュルりと何かザラザラとした物が口の中に侵入し、口腔内を蠢き歯等を丁寧に舐めとる。
離れる。そんな考えが浮かばない程呆気に取られていた僕は、ただ彼女の蹂躙を受けるしか無かった。
脳が段々甘く蕩けていく様な感覚を覚えた。
離れた時には互いに息が絶え絶えになっていた。
銀色の橋が掛かっている先には彼女の艶めかしく輝く唇。
僕は彼女とキスをしてしまったのだと、今なって気づいた。
僕は声を荒らげた。
「曜!!」
「えへへ、これが春ちゃんのファーストキスだと嬉しいな。ちなみにこれが私のファーストキスだよ」
頬を赤く染め、上目遣いでそう言ってくる曜。
ペロリと唇を舐める様は何とも蠱惑的で、通常ならドキリと胸が揺らぎすぐに惚れてしまいそうなものだが、今はなぜ、キスをしたのかという疑問や千歌への申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「千歌ちゃんは多分こういうのには疎いからどうせまだなんでしょ?きっと手を繋ぐくらい。私の心と身体にいっぱいの気持ち、受け取ってね?」
もう一度顔を近づけて来る。
それを手で制した。
「曜、なんで………」
「千歌ちゃんの物が欲しかった、気になったって言うのもあるけど、一番は貴方を愛してるから。いくら私でもこんなのは好きな人にしかしないよ?」
制服のボタンを二個ほど外し、少しはだけさせる。
水色の下着がそこからは見えていた。
目を逸らそうとしても、彼女の手が無理やりに曜へと視線を戻させる
そのまま僕は手も足も出ないまま、彼女とひとつになった。
しかし、僕も彼女がいると言うのに曜と浮気をし、身体を重ねる
その背徳感を楽しんでいたのは確かであった。
渡辺曜には、千歌ちゃんが持ってるものを全て欲しがって欲しいし、彼氏すらも奪い取って欲しい(歪んだ性癖)