記念すべき第一話、のはずが有志連合直前の時系列想定の話だからエグみMAXでとっても辛い……
次回以降はコメディ色強くなるはずなんで、はずなんで……
最上層部、起動
東京都 港区「グローリ・ーホークス・カンパニー㈱」本社ビル 社長室
「……それは本当か? アリカ。ユニとその友達たちがマスダイバーの襲撃に逢ったって。それでもって初ログインの友達がトラウマになってGBNやるの辞めるかもって聞いてユニがかなり落ち込んでるって」
「はい。ユニちゃんも無事とは言えずかなりマスダイバーに嬲られていたと助けて下さったチャンプ、キョウヤさんの証言もあります」
「そうか……」
日本一企業の多い地域港区、その高層ビルの一つ、巨大総合商社「グローリー・ホークス・カンパニー㈱(以下GHC)」の本社ビルの社長室にて、二人の男女が重苦しい雰囲気で会話をしていた。
一人は艶やかな長い黒髪を持つ女性、沈痛な表情でなければ十人中十人が振り向くであろう美しい女性だった。翡翠色の瞳の視線は目の前で報告を聞いている男性に注がれていた。
そしてその報告を聞く男性……見た目だけで言えば少年なのだがこれでも上記の通り娘を持つ年齢の男性なのだ。見る人間が見ればゲンドウスタイルと呼ばれる格好で顔の前に両手を組み俯いている。
ガラスケースに収められたガンプラや戦闘機・戦艦・戦車のプラモが並べられた社長室に長い長い沈黙が続くが、男性がその沈黙を破った。
「……ブレイクデカール。ここ最近に多数のダイバーに配布された違法チートツール。機体の異常な能力の上昇、その余波による尋常じゃないバグ」
「加えて使用したログも残らない隠蔽性によって追跡も難しいとの報告を受けています。このままでは、GBN全体に広がりバグと正常じゃないインフレによる衰退が発生すると思われます」
「だからこその、有志連合軍。それは僕たちの
そういうと組んでいた両手を解しオフィスチェアーから立ち上がると、その両手を机に思い切り叩きつけ前のめりになる。静寂な社長室に盛大な打撃音が鳴る。
「ユニやその友達に手を出されて、他の人間に解決を任せて仕事が出来るほど、人間出来てないんだよこっちは!! ふざけるな!」
男性、「クレダ・テイト」は秘書である「クシナダ・アリカ」に怒りを吐き出す。娘である「クレダ・ユニ」やその友に降り注いだ悪夢は、惨たらしいモノだった。
学校の友達がGBNを始めるとの事で父の影響で幼い頃からGBNをプレイしているユニが教えようとベースにてダイブし、その楽しさを教えていた。チュートリアルミッションを終え最後にちょっとしたミッションに挑戦した際、事件は起こった。初心者狩りを目的とした他のプレイヤーによる乱入である。
もちろん、ユニ迎撃はした。経験者として、そして父と母の才能を継いだ高い能力を以て。最初こそ優勢だったものの乱入者が劣勢になった瞬間ブレイクデカールを使用した。そこから一気に形成が逆転した。もはや勝負にもならない。
使用していた機体は四肢が狩り取られ、胴体と頭部のみが残った状態になった。残った頭部のバルカン砲で最後の足掻きをするもそれも潰される。ユニは友達にリタイアをして逃走するよう促したがその光景に怯えてパニックを起こし棒立ちになっていた。乱入者はユニの機体の耐久値をギリギリ残して捨て置き、友達に近づく。そして、見せつけるようにそのままコックピットを貫いた。悲鳴もなく爆散する友の機体、フィールドに鳴り渡るユニの慟哭。
自身もトドメを刺されそうになった瞬間、マスダイバーを探してパトロールをしていた「クジョウ・キョウヤ」にマスダイバーは瞬時に刈り取られユニは保護された。彼はその尋常ではない状況にユニの母であるダイバー「コンゴウ」、本名「クレダ・カレン」に連絡を取りベースまで直ぐに迎えに行くよう伝えた。到着したカレンとSPとして同行した「クスミ・フラン」が見たのは茫然としていたユニの友達に何度も泣きながら謝るユニの姿だった。
友達を送り、現在カレンとフランが自宅にてユニを慰めている。
丁度その頃テイトは席を外せない会議中だった為、秘書であるアリカがキョウヤとカレンからの連絡を受け取り今に至る。無論、アリカもユニとの付き合いは長くこの事件の詳細を聞き腸が煮えくり返る思いだった。しかし、自分だけが喚いてもしょうがないし一番辛いのはユニ本人とその両親であるテイトとカレンなのだ。
「……すまない。君に叫んでも意味のない事だった。忘れてくれ」
「いえ、社長のその怒りは私も分かります。可愛い妹みたいな子ですから、私たちにとっても。フランもきっと同じです」
「そう言ってくれるとこっちも、ほんの少しだけ晴れるよ。……すまない、コーヒー淹れてくれ。一服入れて後の事を君と共に考えたい」
「それでしたら、納めるべき業務は終えていますし家で皆で考えましょう。キョウヤさんにも改めてこちらから連絡を入れなければなりませんし」
「そうだな……そうしよう、すぐに帰るぞ」
彼らは直ぐに帰り支度を整えた。
港区 とある高層マンション
「すみませんカレンさん、アタシもユニ達についていけば良かったわ……」
「フラン、貴方は何も悪くないデース……。貴方はワタシのSPで、あの時はJobtimeで、間がBadだっただけデース……」
高級マンションのリビングにて、二人の女性がテイトとアリカのように暗い雰囲気でテーブルを挟んで会話をしていた。
一人は両サイドに団子を結った茶色のロングヘア―の女性「クレダ・カレン」、もう一人は金髪のショートヘアーに顔の左半分が火傷跡の目立つ女性「クスミ・フラン」。彼女の左目も白く濁り光を映していない。
二人は娘を連れて帰り慰め、泣いて疲れたのか寝てしまったのでそっとすることにして今後の話をする為にリビングに戻っていた。二人の前に置かれている紅茶はもう冷めているのか湯気が立っていない。
「まさかこんな事になるなんて……」
「それだけ楽に早くPowerもMoneyも欲しいという事デース。そのような方法で手に入れても、自分のPowerではないデース」
「ともかく、これからどうします? 恐らくテイトさんはウチの上級メンバーを派遣するつもりみたいだけど」
「そんなの決まってマス」
ドンッ
リビングに凄まじい打撃音が響きテーブルが真っ二つに砕け、ティーカップが割れ中身が床に血の様に広がっていく。音に反応して思わず目を瞑ったフランが目を開くとそこには瓦割の様な姿勢をしているカレンがいた。テーブルを真っ二つに砕いたようである。
「
「気持ちは分かりますけど、直接ヤると不味いですよ」
「ともかく、ワタシは参戦しマス。恐らくテートクも来ると思いマース」
「まあ、アタシは元々行くつもりでしたし、戦力は大いに越したことはないでしょう」
そんな会話をしていると玄関の方から鍵が空けられた音が聞こえてくる、二人が帰ってきたのだ。
「ただいま、こんな時に遅くなって……ってカレン。気持ちは分かるけどテーブル砕かないでよ、片付けるの大変なんだから」
「Sorry……」
リビングの惨状目撃したテイトには既に原因は分かっていた。伊達に11年も夫婦をしていないし、なんなら似たようなやり取りをしていたのだと推測する。今後の事について話す前に、片付けと新しいテーブルの発注をしなければとテイトは掃除道具を取りに行った。
「じゃあ、君達も連合に合流するってことでいいんだね?」
「Yes. ユニを傷つけた奴は、Search&Destroyデース」
「どこの誰に手を出したか、きっちり叩き込むつもりですよ」
「規模的に恐らくもう大多数が参戦しているでしょうし、今回はオペレーターとして皆をサポートするつもりです」
「では、討伐部隊以外にも本部から参戦する旨、連合本部に伝えといて、アリカ」
「了解しました、総帥」
マスダイバー達は世界的に権力とGBN内でもトップクラスの規模を誇る
ワールドランキング7位
艦隊総司令 アリカ
比翼連理 副総帥 コンゴウ
そして……
「今に見ていろマスダイバー共。どこに逃げても、隠れても、世界の果てまでお前たちを追い詰めて潰してやる。僕たちGHCと有志連合がな」
超巨大フォース連合体GHC総帥 人型兵器工廠 アトミラール
正しく、巨大な龍の逆鱗に触れてしまったのである。
今回のまとめ
・娘と友達がマスダイバーに初狩りされたよ
・チャンプ「マニアワナカッタ…」
・パパンママン秘書SPが激おこだよ
・マスダイバーがたとえ便所に逃げても追い詰めて潰すよ
※数分だとトラウマ通り越してPTSDになりそうだったのでチャンプの到着を早める修正をしました。なお、撃破優先のため顔を覚え忘れるチャンプ()