『GHC』活動記録   作:笑う男

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[壁]‥) チラッ


[壁]゚д゚)<ダレモミテナイヨネ?

| 壁 |(っ'-' )╮ =͟͟͞͞[最新話]

|彡サッ!


| 壁 |<オマタセシマシタ





連合集結.1

 GBNには【戦闘狂のラストリゾート】【チンパンの楽園】【無法地帯】【隔離施設】【上位ランカーの実験場】【GBN動物園】などと呼ばれているディメンションが存在する。

 

 ──ハードコアディメンション・ヴァルガ

 

 通常ならお互いの合意がなければ出来ないフリーバトルを、合意無しに行う事のできるようにして欲しいダイバー達の要望に対する運営の答えがこのディメンションである。

 

 そのため普段対戦することの出来ない圧倒的な格上とも戦う事も出来なくもないが……実態はスポーンキル不意打ち裏切りリンチなど全ての手段がまかり通る魔境とも呼ぶべき場所となっている。

 

 今日も今日とて不意打ちリスキルその他様々な理不尽がダイバーを襲っていると思ったが、今回は少々様子が違うらしい。

 

 

『クソったれガァァァァ!』

 

 怨嗟の叫びと共に肩の上辺り毎斬り飛ばされ宙を舞うキャノン仕様へ改造されたドム・トローペンの頭部。地上に残された胴体は切断面からショートを起こし瞬く間に爆発四散する。

 

 残ったのは過去のGPDレジェンドの装いに似た両腕に改造型のシールドを搭載したドムのカスタム機のみとなった。既に十数機はいた仲間を全てなます切りにされた恐怖から狂乱し、ただただマシンガンを近づいてくるソレ・・に撃ち続けるだけだった。

 

 灰色のソレ、肩の主翼を大きくしジェットエンジンが増設されたアスタロトオリジンの改造機らしきものは両手に持っていた二刀に付いたオイルや残骸を振り払いながらそれを一瞥すると推力を全開にし向かっていく。

 

 地面擦れ擦れに突進する中で最小限の平行移動で躱しつつ、当たる弾は角度を付け機体に施されたナノラミネートコーティングにより跳弾させて直撃は避けている。

 

 盾に搭載されている火器の他にMMP-80マシンガンを撃ち続けるものの怯む事無く突っ込んでくるソレに恐怖心が募り、引き金に力が入りすぎて照準は定まらなくなっていった。

 

 弾幕の雨をかいくぐり、さらに身を屈めたアスタロト──アスタロト・ファルケはブースターの出力を上げダンッと音を上げながら更に再加速しドムに迫る。

 

 ──刹那、ドムはファルケの左腕の刀でマシンガン毎両腕を切り上げられ、そのままの勢いで回転し右腕の刀でコックピットの上半分から両断された。声をあげる暇もなく爆発四散、アスタロト・ファルケのパイロット──ブルムフランメははつまらなそうにそれを見下ろし、オイルと残骸を振り払い納刀はせずその場で周囲を警戒する。振り払われた刀身には何も付着されていなかった。

 

 ──こいつらもハズレ……大体の場所は探したけれどこれ以上奥に行くなら少なくともSランク以上の面子が必要ね……

 

 ユニとその友人がマスダイバーに襲撃されてから数日、フォース連合体【GHC】総帥・アトミラールの勅命により人海戦術を用いた襲撃犯の捜索が行われ、様々なディメンションにてGHC傘下のフォースの面々が散見され掲示板などて話題にあがっている。

 

 それは本部直属であり、一桁の現人神とも言えるワールドランキング現7位。GHC最強と呼ばれているブルムフランメも例外なく、というよりは身内が傷つけられ命令されなくとも下手人達にそれ相応以上の報いを与えるべくこのヴァルガにて捜索をしていた。

 

 捜索兼討伐隊を率いてヴァルガの山狩りを現在進行形で行っているものの、成果はあまり上げられないでいた。

 

 ──マス共も多少はいたけど全部ハズレだったし、癪だけどアイツ(変態)に情報を貰うのも止む無しね……

 

 ブルムフランメが思考していると、レーダーに味方を示す青い光点が3つ映し出される。3つの光点の向かう方向は同じらしくはかなりの速度で自身に向かっているのが分かる。

 

(あね)さぁぁぁん!』

 

 大声が木霊し、その方向に視線を向ければ空に溶け込むような青色に塗装されたグラハム仕様のオーバーフラッグが地面に突っ込む勢いで急降下しつつも綺麗に着地した。その後には、慌てて駆けつけるようにジェットストライカーを搭載した105ダガーが2機、目の前に降りてくる。両機ともに肩に日の出を背負った鷹のエンブレムが施されておりGHC所属の機体である事を示していた。

 

 通信が繋がれ、ポップされた画面に映されたのは淡い金髪のショートカットをした、フライトジャケットを纏った少女である。前髪は長めになっており目は隠されている。

 

 彼女等を一瞥するとフランは二刀を鞘に納めた。

 

「そっちはどうだったの? アイリス」

『ダメですね。部隊は広く展開はしてるんですけどこっちの事情お構い無しにパーティを始めるもんだからあんまし芳しくねぇです……。あ、ボスから連絡なんですけどチャンプ主催で対マスダイバー連合の顔合わせのをする事になったから1度戻ってこいと……」

「直接連絡すればいいじゃないのよ総帥も……分かったわアイリス。伝えるように連絡受けたって事は貴方も呼ばれるだろうし先に戻りなさい。リゲルはアイリスの直掩機として、ウィンキーはアタシについて行きなさい。もう少し奥に調べに行きたいわ 」

『『『Yes,ma'am』』』

 

 アイリスとリゲルと呼ばれたダイバーは直ぐ様離陸し戦場を後にする。調査ならともかく、離脱するだけならここであっても技量的に問題ないだろうと踏んでの判断である。

 

「さてと……気引き締めていくわよ。何が飛び出てくるか分からないからアタシはともかくアンタは注意しなさい」

『了解……フランさん、東に展開していた捜索隊より入電です。コードFOEの余波を受け当部隊は壊滅、残存戦力は遁走しディメンション外に退避した模様です。状況は危険、我々も直ちに退避するべきかと』

「そうね……でも、どの道もう遅いわね。ウィンキー、伏せときなさい」

『はい?』

「伏せろと言った!」

 

 何かを察したフランは僚機へ一括した後にその場にしゃがみ、その判断が正しかった事を悟る。自身の頭上を何かが勢いよく通り過ぎ、直ぐにそれが糸が巻き取られる様に引っ込むのを感じた。引っ込んだ先に視線を向ければ首を失い、コックピットからビームサーベルを生やした前衛的アートになってしまった僚機だったもの(・・・・・・・)が出来上がっていた。

 さらに視線を少し上に向ければメインカメラから光が失われたダガーの頭部のみが何かに掴まれてる様に浮かんでいた。

 

 フランにとって、その原因には心当たりがあり過ぎた。

 

「相変わらず見せつける様に殺るわね、マリー」

 

 ──だって、こうでもしないとこちらを見向きもしないじゃないですかぁ……。

 

 視線を向けた先からオープン回線どころではなく、響く様に声が拡がる。それと同時に足元から構築がされる様に声の正体が姿を現した。ミラージュコロイドの偽装であった。

 現れたそれは、ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイクをベースにスクラッチでベルフェゴールに仕立てた物に、アシュタロン・ハーミットクラブの背面武装とベルフェゴールのギガンティックシザースを備えたそれは機体名称由来の悪魔らしさを醸し出している。名は【デストロイド・ベルフェゴール】、正しく悪魔と言える容子をしていた。

 

『いつもに増してつれないじゃないですかぁ。そう言う所、直すのをオススメしますよ? フラン様』

「余計なお世話よ、マリーエル」

 

‌ ‌マリー、もしくはマリーエルと呼ばれたダイバーはくすくすと笑いながら用済みと言わんばかりにギガンティックシザースで掴んでいたダガーの頭部をその辺に投げ捨て、背中からダガーを蹴り飛ばしサーベルを抜いた。

 

 既にウィンキーはパイロットキルをされメインロビーに戻っている事だろう。器用に誘爆しないよう刺されたのかダガーはただただ力なく倒れ、ポリゴンの塵に消えていった。

 

『最近つまらないツールに頼って腕で挑んでくる人が居ないものでして……。貴女方を見かけてつい……殺ってしまいましたわ』

「相変わらずね……人の事は言えないけど」

『えぇ……。私達、ある意味似たような人種ですし』

「アンタみたいに節操ないわけじゃないからね。それで? いつものちょっかいかけに来ただけかしら? 今忙しいから後にして欲しいんだけど」

『デカールの出処の手掛かり』

「……」

『貴方方が血眼になって探してるブレイクデカールのバイヤー、ちょっとした心当たりがありますので』

「アンタの事だからどうせタダで情報をくれるとかそんな事はないでしょうね。回りくどいわ。殺り合いたいならそう言いなさい」

『ふふ、フランさんのそう言うさっぱりしたところ…………私は大好きですよォッ!!!!

「アンタはいっつもそんな感じね! 怖いったらありゃしないのよッ!!」

 

 

 物腰柔らかな雰囲気から一変し、両手に大型ビームサーベルを携えながらファルケへと一直線に突撃を慣行するベルフェゴールはフランの放ったショットガンを片手撃ちのフルオートで迎撃する。マリーエルは慣れた物と言わんばかりに最小限に左右に並行移動して躱していき、二刀のサーベルを上段から振り下ろした。

 

 上段からX字に振り下ろされたそれは咄嗟に投げられたショットガンをバターの如く切り裂き、本体へと迫ろうとした。しかしそれはいつの間にか鞘から抜かれていた二刀──Ωナノラミネートソード──の内1本を使い、片腕のみと言う尋常ではない腎力で食い止められていた。

 ならばと押さえている内に展開した4本のシザースが四肢を捕まえんと迫る。

 並のダイバーであれば対応出来ない四つのそれを予見していたフランはサーベルを食い止めていた方の腕でサーベルを逸らし、その逸らした時の勢いで回転を行い、二刀のソードで4本全てを刈り取った。

 

「ここの連中相手にし過ぎて鈍ったんじゃないの? 何時もなら刀持ってくくらいはやるくせして」

『試しにミラージュコロイドのプラグインを仕込みましたのけど、やはりダメですね。リソースが足りませんわ』

 

 全てのシザースを斬り取られ距離を取ったマリーエルは残った部分を全て格納し、それを見て戦意が無くなったのを感じたフランは二刀を納刀し無言のまま彼女に話を促した。

 

『貴方達に逢う二時間くらい前の事ですけど、何か取引してる現場を見つけてしまったんですよ。それだけなら、まあ無くはないのですが。問題なのは、取引元がここ(・・)なのに関わらずログアウト出来た事、そして……』

「取引相手がその後ブレイクデカールを用いて活動をした、そういう事ね」

『話が早いですわね』

「録画データか何かあるかしら」

『今送ってますわ……。これ以上ここにいると面倒な事になりそうですし、満足したのでお暇しますわね。では、ご武運を』

 

マリーエルは先程の戦いで満足したのか、渡す物を渡し、言うこと言えば直ぐにその場を離脱しレーダーからも消えていった。

 

──戦いたいなら連絡入れろっての。忙しいのに。

 

内心ボヤきつつも、ココはヴァルガ。止まったものからだいたい死んでいく(例外アリ)蠱毒の壺。

 

──手掛かりが掴めればこんな場所に用は無し、去るに限る。

遠目からでも目立つ1680万色の風雲再起に載ったペイルライダーなナニカから目を離しつつ、フランは愛機駆りこの場を撤収した。

 

 

マリーエルからフランに提供された映像にはバルギルの改修機を操る美女がブレイクデカールを配布している場面が映されておりAVALONや第七機甲師団、GHCなどの大規模勢力や有力なダイバーなどが招集された、後で言う『有志連合』にてバイヤーの詳細な調査等が行われる事となった。

 

そして、第七機甲師団のメンバーによる囮捜査にてバイヤーの拠点が判明、強襲作戦が発令されることとなる。

 

 

 




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