あれふれたボウケンシャーが世界放浪~ファフニールの騎士~   作:ハイ・ラガードのボウケンシャー

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ハジメはガンナー、ユエはゾディアック、シアはインペリアル、ティオはパラディン、香織はメディック…………バランスいいなぁ(なお世界樹の迷宮Xの話)

と、いうわけで第3話です


第零階層-3

 樹海時軸での転移のような浮遊感を感じて目を開けると、ラガード公宮のような荘厳で威圧的で、しかし歪な雰囲気のある建物内にいた。一番近いのはハイ・ラガードの世界樹の第五階層「天ノ磐座」か?

 あたりを見回してみると、大きな台座の上に教室にいた人間が全員いるようだ。少し先、台座の下から一人の人間がやってくる。

 

「トータスへようこそ勇者の皆様方、私の名はイシュタル・ランゴバルド。少しお話を聞いてもらってもよろしいですかな?」

 

痛々しいほどに金に包まれた老人だった。

 

 

……………

…………

………

 

 

 台座から大広間のようなところに連れられて、ここに来るまでの経緯を聞かされた。

 話をまとめると、戦争で劣勢になったため、この世界の神が最強と称される異界の勇者を呼び、助けてもらおう。

ということらしい。ミッションのようなものか。

 そして俺たちが地球に戻れるかどうかも神のみぞ知る、だそうだ。

 

 

「俺は戦おうと思う。この世界の人たちが滅亡の危機にあるのを知って、放っておくなんて出来ない。それに救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん、どうですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

「俺たちには大きな力があるんですよね?ここに来てから力がみなぎっている感じがあります」

「ええ。大体この世界の者と比べると数倍~数十倍の力を持っていると考えられます」

「なら大丈夫だ。俺は戦う!俺が世界とみんなを救って見せる!!」

 

 

(勝手にすればいい……)

 

 そう思っても仕方ないはずだ。俺たちだってフォレスト・セルの脅威からハイ・ラガード公国を救ったことがあるが、そんな単純なものじゃなかった。

 俺やアリアンナ、フラヴィオ、クロエ、ベルトランの全員が満身創痍になっても倒しきることはかなわず、聖杯の力と護り手の力を最大限まで使って半ば相討ちのような形で倒したのだから。

 俺たちの不手際によって恐怖に晒されたハイ・ラガードの為ならいざ知らず、全く知らない世界の戦争を終わらせてくれなど、いくらお人よし冒険者といわれた俺でもやりたくない。

 それにあの老人は俺たちのことをただの駒としか思ってないようだしな。

 

(ハイ・ラガードのトップの人間だって、聖杯を手に入れるために他のギルドのメンバーや他種族を殺してまで世界樹に登れ、とは言わなかったぞ)

 

 

「質問をしたい。いいか?」

「ええ、何なりと」

「過去に魔人族側と話し合いをすることはあったのか?」

「いいえ、相手は蛮族。話し合いなど到底できますまい。出会った瞬間殺されるのがオチですな」

「俺たちは戦争を終わらせればいいんだな?」

「はい、人間族の勝利で戦争を終わらせていただきたいのです」

「勝利は必須か?」

「ええ。負けてしまえば魔人族に殺されてしまいますから。私たちの繁栄のためにもあなた方には是非とも魔人族を殺していただきたいのです」

「……魔人族を殺せばいいのか?」

「はい。魔人族を根絶やしにしてほしいのです」

「…………そうか、理解した」

 

(こいつらに従属してはならないことがな)

 

 

 今の質問でどれだけのクラスメイトが理解したのだろうか。

 イシュタルの願い、ひいてはエヒトの願いが戦争を終わらせるのではなく殺し合いが見たいだけだと。

 折を見てこいつらから手を切らなければならない。問題はどれだけのクラスメイトを守れるかだ。

 

 

……………

…………

………

 

 

 クラスメイトの大多数が戦争参加の決意をしたため、俺たちを受け入れる聖教教会のお膝元であるハイリヒ王国へと向かうこととなった。

 戦争の参加を表明しなかったのは俺を含めて5人。雫、香織、愛子先生、ハジメである。その他のクラスメイトは「光輝がやるなら」「友達が参加するなら」といったその場の空気に流された者たちだ。

 きちんと参加を決意したのは光輝と、その相棒のような龍太郎だけだった。

 

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん――"天道"」

 

 今、他の生徒達は動く床に大はしゃぎだ。そんなに動く床が珍しいか?地球にはエレベータやエスカレータなどあるだろうに。

 ましてや桜ノ立橋の動く床だって何も唱えずとも動くんだが?なんとも使い勝手の悪い床だな。

 

 

 王宮に着くと俺たちは直ぐに謁見の間に案内された。途中、すれ違う人が期待や畏敬の念に満ちた視線を寄こしてくる。

 そんなに俺たちは頼りがいがありそうな格好をしているか?大半の奴は筋肉あるように見えないのにな、俺の親友のように。

 

(フラヴィオもあれでいて索敵や探索においては頼りにしていた。人は見かけで判断してはいけない、ということをわかっているのか?……いや、ただ[神の使徒]という肩書きに畏れているだけか)

 

 美しい意匠の凝らされた巨大な両開きの扉の前についた。ここが謁見の間だろう。扉の前にいる兵士二人が扉を開けると俺たちを中へと通す。

 扉をくぐると、部屋の左右に武官と文官がそれぞれ30人ほど並んでおり、最奥には王族と思しき人たちがいた。

 俺は王族の内の一人に目を奪われた。

 

 

 イシュタルが国王になにかさせていたがどうでもいい。

 王国側の人物の自己紹介?彼女の以外は聞く気はない。

 

 腰まで届くほどの艶やかな紫の髪、大きくキラキラと輝き好奇心と強い意志を宿した目、ふんわりとした物腰の柔らかそうな雰囲気、まさか……彼女は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリ、アンナ……!」

 

 

「私はハイリヒ王国第一王女、アリアンナ・S・B・ハイリヒです。皆様にお目にかかれて光栄です」

 

幾千年、逢いたいと願い続けていた最愛の女性が、そこにいた。




お人よし冒険者ファフさん。提示されるクエストは全部消化したくなっちゃう……だってボウケンシャーなんだもん!


ハイリヒの王族は全員金髪碧眼らしいですね。
...隔世遺伝ってやつにしといてください。
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