転がすボールはゲームでもスタートするマップによって大きさが変わるのである程度は拡大縮小出来る(現在の王子はその事に気がついてなく、ボールといえばサッカーボールぐらいと固定観念に囚われております)
ゲームではボールを操作するので大きくなればなる程に速度も移動距離ものびます。
ボールを転がしている時だけ王子はボールの速度に追いつくように、ただし疲労がたまりずっと動かし続ける事が出来ません。
それ以外にもゲームの視点はTPSであり王子だけの視点では進行方向はおろか、足元でさえ見えない状態になりえるのでボールを転がしてる間はボール視点、視野が広がっているものと考えております。
王子ダッシュやターンなど、ボールに関わってる間はゲームと同じ感じで
出来るものと考えています。
それ以外にも固められない大きな物にぶつかったりするとくっつけていた物が少し剥がれたり、長い物を巻き込んでしまった場合、ボールが歪になり隙間が出来てくっつきづらくなったりとゲームに近しい形にしていきたいです。
決定的にゲームと違う事があるとすれば、固められた人や物は幸せにはなりません。
追記
感想に書いていましたがこちらにも。
塊の根本は『愛』や『好き』の気持ちでくっつくものだと考えております。
王子はみんな大好きなので大概の物はくっつきます。
「やっと帰ってきたか黒霧…なんだそいつは?」
黒霧の個性に誘われ、王子が着いた先は薄暗いBARであった。
カウンターの片隅で座っていた人物から声を掛けられた、上下共にリラックス出来る服装ではあるが顔に張り付いた左手が明らかに異質である。
いつから飲んでいたのか分からないが床には空き瓶がいくつも転がっていた。
「死柄木弔、飲むなとは言いませんが散らかすのはいただけませんよ」
ため息混じりに着ていたコートを壁にかけ、カウンターの内側に入り片付けを始める。
「で?このガキはなんだよ?俺がガキが嫌いなの知ってて連れてきたのか?」
ボサボサの髪と手の隙間から鋭い視線を飛ばす弔、それを物怖じせずに見つめ返す王子。
「始めましてー!僕は星野王子!先生が僕の個性伸ばしてくれるって言うからついてきたんだ」
自分の自己紹介が終わって相手の名前を聞こうとするも弔はそれを無視する。
「先生が?本当かよ黒霧、なんでこんなガキが先生と会ってんだよ」
「ねー!そっちの番だよ、名前なんて言うのさー」
話を聞かない弔に苛立ちを感じ、王子は個性であるボールを虚空から生み出す。
後ろからぶつけてやろうか、と思っていたら弔の座ってる側に設置されたモニターが起動する。
「僕の方から会いに行ったからだよ弔。王子もそのボールを下ろしなさい」
モニターに映るAFO、その言葉に反応し後ろを向く弔、慌ててボールを背後に隠す。
「そのボールが個性か?それで何しようってんだガキが」
「さっきからガキガキって!自己紹介したんだから名前で呼んでよ」
むくれた顔になる王子、だがそれを見て薄ら笑いを浮かべる。
「お前みたいのはガキで十分だ、で?わざわざ連れて来なくても奪ってしまえば良かったんじゃ?」
モニターに向きなおり問い質す弔、背後で王子がいじけてボールで遊び始めるが気にもとめない。
「彼の個性はなかなかユニークでね、僕らがどうこう出来るものじゃなかった。それでも彼の力は君の役に立つ筈だよ弔」
先生にそこまで言わせるとは…横目で見てみると黒霧が慌てて王子を追いかけている、室内で遊びだすとはこれだからガキは嫌い―
不思議な光景が弔の目に映った。
床に散乱していた筈のいくつかの瓶がひとかたまりになって転がっている。
王子がそのボールを転がす度に床に落ちていた他の瓶や掃除用の出したバケツ、それも水が張られた状態なのに溢れる事もなく一緒に転がりだした。
「どーゆー事だ?バケツに水が入ってるよな?個性だとしても重力無視してないか?」
「よく見ているね弔。彼の個性は物理法則や質量保存、摩擦係数も無視してるんじゃないかな」
それだけじゃないんだ、そう言葉を続けるAFO。
「あの個性は彼の望むがままにくっつき固まる。それは指数関数的に成長し、人を、家を、街をも巻き込み転がる災害となる筈だよ」
「彼の個性…名付けるとするならば"
「僕の名前よりよっぽど
「しかし先生まだガキだぜ…使い物になるのか?」
上機嫌に笑っているAFOに弔が尋ねる、今も黒霧との鬼ごっこを楽しむかの様に狭い室内を跳ね回ってる王子を見て、とてもじゃないがアレと一緒には居たくないと思ってしまう。
「そこは勉強してもらうさ、黒霧にも彼のお守りをお願いしたしね」
「先生がそう判断したのなら…」
明らかに不満を込めた声でそう返事をする弔、未開封の酒瓶を手当り次第に飲み始める。
「上手く彼を使ってみせておくれ死柄木弔。君が恐怖の象徴と呼ばれる為には様々な事を経験し、学ばないといけない」
モニターの電源が落ちる、暗くなった画面に反射し背後で黒霧が王子を羽交い締めにして騒動が収まった様子が映る。
「はぁ…クソゲーをやらされるのかよ」
◇◇◇
王子と出会ってから数ヶ月…寒さも和らぎ、春になろうとしていた。
「黒霧?あのガキも居ないな…また社会勉強か」
のそりと部屋から現れる弔、時間は既に正午を回り空腹を訴えている自分の腹を恨みがましく抑え込むが収まる気配はない。
気まぐれにテレビをつけたがこれが間違いだった。
巨大な女ヒーローがまたもやらかした、空を飛ぶ今話題のヒーローを見掛ける事が出来るスポット特集、チャンネルを切り替えてもヒーロー、ヒーロー、ヒーロー…
死柄木弔は鬱屈とした気分でいつものやり取りを思い出してしまった。
あのガキは自分が敵であると自覚してないのか、何かとヒーロー番組ばかり見ている。
テレビを消せと言っても聞かず何度口論した事か、そうしていると黒霧が彼の個性に関わる事ですから、とやんわりと取り成す…これがいつもの流れだった。
それだけではない、日々を自堕落に過ごしていると何かとガキがギャンギャン喚いてくる。
「そんなにぐーたらしてたら輝けないよ弔!必要なのは自然を愛する心、バランスのとれた食生活、十分な睡眠時間、日に焼け―」
「煩いぞガキ、自分で何言ってるか分かってるのか?何が自然を愛する心だ」
バーで飲んでいるといつも絡んできて非常に鬱陶しい存在…それが王子への印象だった。
「…煩いのが居ないんだ、酒でも飲むか」
言うが早いか酒瓶を手に取り、カウンターに取り残されていたグラスに注ぐ。
ツーフィンガーを超え、なみなみと注がれ―
「死柄木弔、飲むなとは言いませんが飲み方と言うものがあります」
いつの間にか黒霧が新聞を片手に戻ってきていた、あのガキも一緒だ。
「好きに飲ませろ飯も食ってないんだ」
「なおさらですよ弔、簡単な食べ物を用意しますので…今朝の新聞です。これでも読んでいて下さい」
新聞を受け取りながら舌打ちをする、急に帰ってきては小煩い事だ。
煩いといえば、いつもなら声を出す前から煩いガキが妙に大人しい…いつの間にか床に転がって寝ている。
「個性の使いすぎで…いえ、普通に体力切れですか。ずっと走り回っていましたからね南極で」
「はあ?南極?何でそんな所に行ってるんだ」
呆れ顔で王子を見る、言われてみればもう外は暖かいと言うのに大層な厚着だ。
「何でもペンギンを見てみたいとかで。今朝の実地は急遽大移動となりましたよ…まあ見るだけでなくペンギンのコロニーを固めて転がしてましたけどね」
何してるんだこのガキは、弔は満足そうに寝てるガキを軽く蹴っ飛ばす。
「出来ましたよ。先に少しでも食べておいて下さい」
そう言ってクラッカーにサラミやチーズを載せたものとピクルスを添えた皿を差し出した。
「…ピクルスはいらない」
そう言って新聞を読み始める、その姿に黒霧は軽く溜息を漏らす。
「見たかコレ?教師だってさ…」
カウンター越しでグラスを磨いてる黒霧に向かって呟く。
手に持った新聞を置き、振り返る。
そこには全身を黒い肌で覆い、むき出しの脳と乱杭歯の巨躯が部屋の隅で佇み焦点の合わない瞳で弔を見ている。
「ガキなんていらない…この脳無さえいれば十分だろ」
未だに床で寝転がってる王子を冷めた目で見ながら語る。
「なァどうなると思う?平和の象徴が………敵に殺されたら」
短めですがやっと原作に繋がりました。
キャラの掘り下げやら社会勉強編入れるといつまで経っても本編に辿りつけなさそうだったんで、ペンギン転がして終わりにしておきます。
箇条書きで簡単にあらすじまとめていたんですが、書き出すととっ散らかってしまって創作って難しい…ひしひしと感じるばかりです。